小橋 昭彦 2001年1月19日

 スタートとなる事象を左端におく。そこから考えられる選択肢を順に描き、どんな結果が導かれるかを枝分かれさせていく、こんな分析手法をイベントツリーという。経営分析でも、ロジックツリーといって同様の手法を用いることもある。
 1912年4月10日に出航し14日に事故にあって沈没した豪華客船タイタニック号。そのイベントツリーを運輸省船舶技術研究所が描いた(朝日1月6日)。タイタニック号の出航から沈没・救助まで、事故にかかわる分岐点は14。まずは完成までの工期。予定通りの3月ではなく、氷山の南下しやすい4月に遅れた。この確率、80%。同様に氷山が事故現場まで南下するかしないか、月明かりのあるなし、双眼鏡のあるなしなどの分岐を重ねていく。直前の対応は4つの選択肢があり、減速せず舵を切るのが通常だが、減速して舵を切ってしまった。遭難後も、すぐそばにいたカリフォルニア号の通信機スイッチのオン・オフなどの分岐がある。
 こうして推測したところ、タイタニック号では902通りの航海パターンがあり、おなじような大事故が発生する確率はおよそ49航海に1回だったとか。1978年から1995年の統計では、400人以上が遭難する海難事故は1000万航海に1回というから、かくだんに高い。
 火事の類焼で焼け跡から配信している。鉄筋コンクリートのこの種の建物で上階まで火が入るのは珍しいらしいが、なぜそうなったか、ベランダの状況など順にイベントツリーを脳裏に描いたりしている。家族全員が助かる確率はどうだったか。さすがにそのイベントツリーを描く気にはならないけれど。

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2 thoughts on “イベントツリー

  1. 私は建設コンサルタントに勤務している47歳のサラリーマンです。
    現在、リスクマネジメントに興味を持っていますが、災害確率を算定する方法にイベントツリーやフォールトツリーなどの手法があることを知りました。
    尤も、この手法が土木分野に適用するかどうかの問題はありますが、できれば、この手法について勉強をしたいと考えております。
    どのような手段で勉強すれば良いのか、ご教授下さい。

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