小橋 昭彦 2001年1月18日

 徳川家譜代大名の重鎮、彦根藩主井伊家。その若殿の側役(そばやく)の子孫の家から、一通の注意書きが見つかった(朝日12月10日)。若殿に対して書かれたそれは、18項目からなっている。いわば理想の殿様となるための苦言。
 思いやりがない、諸事に決断力がない、など資質の問題から、人に任せたことを懸念しては大業は成就しない、みだりに家来の評判を口にしない、など上にたつものとしての心がけ、あるいは、槍のけいこをする、乗馬の時間を守る、など行動面での注意事項。お灸治療を怠るな、といった健康管理、武芸のけいこで弱いものをひどく打つな、たばこくらいは自分の手で、といったこまかなものまで。
 井伊家といえば、直政が家康について関東に入部するときには家臣中最高の12万石を与えられ、彦根藩も35万石と譜代大名中、別格。そんな名門にあって、この注意書き。いや、だからこその注意書きか。
 部下にお茶を入れてもらい、その失敗を厳しく指摘しては上司の仕事をしたと考えている管理職方々にとっては、少々身につまされる18カ条かもしれない。

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3 thoughts on “18カ条

  1. 大企業のトップであっても出来たお方とはかぎりませんしね。せめて殿も殿なら、家臣も家臣・・・にならぬよう気をつけます。
    そういえばMyYahoo!の今日のオススメにこのサイトが紹介されてました。よく見るサイトが紹介されてるのは嬉しいです。(火事の件は今日知りました。皆様ご無事でなによりです。)

  2. 火事の件、本当にご無事でなによりです。
    メルマガをいただいておりますが、マガジンが無事の証拠とおっしゃって下さって、読者としては嬉しい限りです。
    全てが落ち着いてからでいいので、この18ヶ条の全てを見てみたいと思いました。

  3. 井伊家は戦前まで彦根城を所有していました。
    家訓を守り、堅実に家を守り続けたのでしょうな。
    ちなみに、現在お城を個人で所有しているのは、犬山城主の末裔、成瀬正俊さんだけ。
    歌人として高名な方であり、終戦時城主の地位を守りきった亡父は国文学者の成瀬正勝東大教授。

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