そう、チンパンジーはヒトの隣人である。共通祖先からゴリラが、チンパンジーが、そしてボノボが分岐していったのは、およそ1000万年前から500万年前にかけてのこと。チンパンジーとヒトの遺伝的相違が小さいことは知られていたが、ヒトとチンパンジーの比較ゲノム地図を作成した理化学研究所・ゲノム科学総合研究センターの榊佳之ディレクターらによれば、その差は約1.23%と、予想よりさらに小さい見込みという。
チンパンジーより、少し多く道具が使えて、たくさんの言葉を知っているぼくたち。でも、言語中枢ですら、ずっと古くから進化の歴史を歩んできた。エモリー大学の研究者らが発表したところによると、言語能力にとって重要な役割を持つブロードマンの脳地図でいう44野の非対称性が、ヒトでも、チンパンジーでも、ボノボでもゴリラでもあるという。右より左の半球の44野の方が大きいのだ。チンパンジーらは結果として言葉こそしゃべれないものの、ぼくたちと同じ可能性を秘めていたということか。
同じ狭鼻猿類とはいえ、ニホンザルは、ヒトやチンパンジーらが含まれるヒト上科と違うオナガザル上科に属している。ヒトから少し遠い彼らでさえ、知的作業をするときは、ヒトと同じような脳の部位が活性化しているともいう。サルとヒトの、類似を知ることの楽しさ。
田舎に移り住んで、夜はよく空を見上げる。冬は一等星が多く、澄んだ空があざやか。天頂から少し西に傾いてふたご座、月明かりに淡くなった天頂のかに座に、東からしし座が追う。子どもの頃、星座線をたどりつつ、知的生命はいるかと空想したものだった。人類は宇宙でひとりぼっちなのかと。
今なら、あの日の自分に教えることができる。この地上に、ぼくたちにとても近い隣人がいることを。
まずは「ヒトゲノム解析センター」「Human Genome Research Group」が基本でしょうか。榊佳之ディレクターによる「智の遺伝子探索計画(GEMINIプロジェクト)について」もご参照ください。で、宮下保司教授の「宮下研究室」をご覧いただき、「Emory大学」の研究グループの論文は、Nature 414 505「Asymmetric Broca” s area in great apes」でどうぞ。それでもって、チンパンジーに関しては、やはり「京都大学人類進化論研究室」が定番で、「日本霊長類学会」をおさえ、「中村美知夫のページ」をのぞき、「日本モンキーセンター」を経由して、「京都大学霊長類研究所」を訪ね、「日本人類学会」に行きって感じでいかがでしょうか。
人とお猿さん、こんなに近い生き物なのに、人は随分特殊な道を
選んできたんだなーと思います。
反省すべき点も多くあり。
でも、人としての歴史を歩んできたからこその素晴らしい歴史の数々
や心の財産を大切にしたいと思います。
ゴリラの映像を見ると、なぜかとても感動します。
私が人間よりゴリラやオランウータンに惹かれる理由
がわかったような気がします。
でも、本当はボノボに生まれたかった。
どうも宇宙生命体にわけのわからぬロマンを感じてしまうけれど、チンバンジーという隣人もいるんですね。
先日、友人のネコに会ったとき、こいつは仲良くできそうだなって思ったら、普段は見慣れる人にはけして寄って行かないと飼い主がいう、そのマイラという名のネコは、頭からすり寄ってきた。身近で付き合うネコもイヌも、やっぱりいとおしい隣人です。