京都駅そばにオープンした「京の道資料館」に足を伸ばす。100平方メートルあまりと小さな施設で、展示物は多くない。床にある約半世紀前の京都の市街地図がその上に立つものを、タイムマシンで上空から眺めているような、不思議な気持ちにさせてくれる。四つん這いになって路面電車の線路表示を「ととんトトン」とたどっている3歳の息子を眺めつつ、半世紀前、この沿線には今とはまた違った生活があったのだろうと想像する。
奈良県の飛鳥京跡で、7世紀半ばから後半のものとみられる舗装道路が見つかった。整然とすき間なく石を敷き詰めた舗装道路としては国内最古のものという。幅は3.9メートル、雨水を流すための小さな溝が道路の両わきにあり、かなりしっかりした作りだ。
日本ではじめて系統的な道路がつくられたのはちょうどそのころで、中央集権的な支配体制を徹底しようとする意図が背景にある。振り返れば「すべての道はローマに通ず」といわれたローマの道も、帝国の統治に欠かせないもの。最盛期には幹線道路だけで延長9万キロメートル、下級の道路を加えると30万キロメートルにも達したという。現代の米国の州際道路の総延長が7万キロ弱、日本の国道と都道府県道を合わせても約17万キロメートルというから、ローマ帝国の規模がしのばれる。
ちなみに世界史をたどれば、紀元前3000年ごろには、のちに「こはく道路」と呼ばれる交易路が整備されていたという。こはくの産地バルト海沿岸と地中海沿岸を結ぶもの。シルクロードの例を持ち出すまでもなく、道路は商業や文化の交流にも役立ってきた。
チャップリンの『モダンタイムス』の印象的なラストシーン、どこへともなく続く道をゆく二人。フェリーニはずばり『道』と題した映画を撮った。道という言葉の響きが未知と響きあうのは偶然だろうか。人はみちをきたり、みちをめざす。新しい年、ぼくたちはどこへいくのだろう。
文中で触れた資料館については「京の道資料館」をご参照ください。紹介した映画では、チャップリン『モダンタイムス』、フェリーニ『道』とも、DVD化されています。いずれも傑作なので、この機会に手もとにおかれるのも良いかと思います。
誕生日のメッセージをいただきまして有り難うございました。私も今月末をもってリタイアいたします。今日の表題であります「みち」と言う言葉の響きから私なりに思い当たるとしたら、現業を此処まで全う出来た道のりでの思いでですかネ・・・・又、第二の道のりについては趣味である音楽活動+(ダンス)にチャレンジしたいと思っています。永きにわたり配信を頂きまして有り難うございました。
今後は自宅で「今日の雑学」を楽しみたいと思います。
おもしろい場所を、見つけましたね。
わたしも、道の及ぼす、文化面に興味を持っています。
全ての道はローマに通ずる。う0ん、うんちくのある言葉ですね。この”みち”個人的にいろいろな思いが交錯する言葉です。(謎)
ちなみに日本では8/10が道の日とされていますね。
今年も、感動させていただけるコラム期待しています。
よろしくお願いします。
みなさま、ありがとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
某外資系計算機(死語)メーカーを辞めたのが、昭和天皇がお隠れになる直前。
退職金60まんえんだった。
その次の年から、希望退職制度が実施され、小生より若い女の子が
1,500まんえんもの退職金を貰ってお辞めになったそうな。
しかし、悪ガキとはいへ、2人の子宝に恵まれ、なんとかここまで
これたことを、良しとすべきか?