ポンペイ遺跡の浴場跡から発掘されながらお蔵入りしていた壁画が公開されることになったと新聞にあった。ローマ時代円熟期の作品群。これまで非公開だったのは、絵が過激だったから。つまり春画だったわけ。
ポンペイは訪れたことが無いが、旅行者の手記を見ていると、なるほど、もともとその手の遺物がまちのなかに目立つらしい。立派な家ほど立派な男性のシンボルを玄関に掲げたり、寝室に絵を飾ったり。
文化の円熟とその手の芸術の円熟が並び立つのは別にめずらしいことでもなく、日本でも歌麿の『歌まくら』や北斎の『浪千鳥(なみちどり)』など、浮世絵の傑作とされる春画はよく知られたところだろう。中国でも春宮図といわれる図が残っている。日本の春画ほど局部をデフォルメすることなく、どこか全体の構図にも絵画的気配りが感じられるのは、国民性の違いかどうか。そういえば、ビデオにしてもインターネットにしても、新しいメディアの普及にはこうした側面が欠かせないという論もある。
フランスのショーベの洞くつの壁画がこのほどの調査で約3万年前のものと確認され、教科書でよく見かけたラスコーの約1万8000万年前からずいぶんさかのぼり、最古の壁画であることが確認されたという。これが春画なら話としておもしろいけれど、描かれているのは動物の線刻画。
3万年前から現代まで。人類はどんな対象をどんな媒体に描いてきたのか。時の流れに思いをはせる。
今日の没ネタ。秀吉の没後に秀吉の朱印状(日経10月4日)。絶滅の恐れがある動物の遺伝子を冷凍保存(日経9月23日)。
その昔、ポンペイ遺跡に行った際に、奴隷部屋にも
春画が数多く飾られていたのが印象的でした。興奮
させて家畜並みに数を増やすためだったらしい、と
のガイドの解説に「なんて酷いことを」と憤りまし
たが、なにやらずっと得心がいきませんでした。
先頃聞いた話に、米軍パイロットの緊急脱出キット
にコンドームが含まれているというのがあります。
当然、実用に使うのが目的ではなく、生(性?)へ
の執着を捨てさせないためとか。
奴隷部屋の春画も、自分のおかれた境遇に絶望させ
ない、生きる意欲を出させるためのものとの気がし
てきました。
東京でのポンペイ展では壁掛け人形の巨大な男根が燭台となっていて豊穣繁栄を意味すると説明書きされていました。
先ほど南米を旅して帰宅したところです。旅先ではメールがやっとで、Web閲覧は大分溜めてしまいました。
南米各地に店を出しているH.Sternという宝石店のリマ国際空港の免税店の通路側ショーウインドウに縦横20cmほどの素焼きの陶器で男女の生産活動中の像がありました。
リオの本店でも売っていたので、高尚なイメージで統一している会社なのでSEXに対する考えが地球の裏側では異なるようです。
本店では人差し指と中指の間に親指を挟んだ握りこぶしの肘から先の像が、大は実物大、小はキーホルダーと並んでいたので、冗談にしても土産にする勇気がなくて、何を意味するのか恐る恐る尋ねてみたら、幸運を呼ぶシンボルとか。ただしSEXとは全く無関係とのことでした。
南米では指で丸をつくるOKサインはタブーでして代わりに親指を立てろと教わりましたが、私たちのOKサインは「アカンベー」のもっと酷い侮辱を意味するものでSEXとは無関係だと聞いてきたばかりです。