小橋 昭彦 2001年1月12日

 この時期、アメリカンフットボールファンは落ち着かない毎日だろう。まもなく一年で最大のイベント、スーパーボールだ。アメリカのプロリーグ、NFLの決勝戦。全米が注目、毎年その中継で流れるテレビ広告が話題になったりもする。
 フットボールはイギリスで昔から行われていたが、手を使わなかったり使ったりいろいろ。手を使わないフットボールの統一ルールが決められたのは1863年。これがつまりサッカー。一方、手で持つことを許すタイプのルールを整備した協会が生まれたのは1871年のことで、これがラグビーとなる。
 アメリカンフットボールは、1880年、エール大学のウォルター・キャンプの改革でラグビーを母体に誕生したもの。選手を15人から11人に減らし、攻撃と守備を明確に分ける。全選手が身体をぶつけ合う激しいスポーツは、全米で人気を得た。
 もっとも、それゆえにけが人もでる。毎年のように死者が出て、1905年には20名近い若い命が失われる状況。こうした中で中止運動が活性化し、禁止する大学も出てきた。
 このとき、大学の代表を呼んで安全対策を勧告し、中止ではなく存続させようと動き出した人がいた。第26代大統領、セオドア・ルーズベルト。その結果、1906年には前パスが取り入れられ、現在のNCAA(全米大学体育協会)の前身となる組織が生まれる。
 ひとつのスポーツの未来を救った大統領。なんともアメリカ的な話だ。そういえばどこかの国の首相はラグビーをやっていたそうだけど、彼が延命をはかろうとしているのはなんだろう。

4 thoughts on “アメリカンフットボール

  1. 今日の没ネタ。
    オムライスは、オムレツとチキンライスを合成した日本生まれの「洋食」(日経12月9日)。

  2. 「スーパーボール」は正しくは「スーパーボウル」だと
    思いますよ。競技場がおわんの形をしているから
    「ボウル」。北海道では「ポテトボウル」という大会
    があるし、日本一は「ライスボウル」で決まる筈。
    (うろ覚え)でも、これって何かのメニューみたいだなあ。

  3. アメリカンフットボール、一見難しそうなルールですが、覚えたらこれはハマリますよ。私はワシントンDCの「Redskins」の大ファンです。

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