小橋 昭彦 2001年11月5日

 泊まったホテルでなにげなくつけたテレビで、近々放映するという聖徳太子番組の宣伝をしていた。荷物を片付けながら見ていて、ふと、彼が手にしていた長い木片は何といったか気になる。
 調べてみると、それは「笏(しゃく)」という。飯田蛇笏のよみがそうだが、本来は「こつ」と呼ぶのが正解。日本では「骨」と同じよみかただったことから避けられた。「しゃく」になったのは、木片の長さが1尺だったことから。
 笏は貴族階級が威厳を示すために儀式のときに持った。しかし、そもそもの用途は、備忘録だったそうだ。儀式のとき忘れないよう、式次第を書いた紙をはって持っておいたわけだ。聖徳太子といえば才気のある聖人のイメージだが、さて彼の笏はアンチョコとしても役立っていたのかどうか。
 笏の材料は、もとは象牙が求められたものの入手しにくいので、その後は、イチイの木で作ったものを最上とするようになった。最上、一位がイチイか、と笑ってしまうが、どうやらことは逆で、位階が正一位の人の笏を作ったからその木がイチイと呼ばれるようになったらしい。
 すこし気分を味わってみるかと紙で小さな笏を作って手にしてみる。不思議なもので、それだけで背筋が伸びる。まあ、中身が伴わないのでひとがみたら、こしゃくな奴と思うのがオチだろうけれど。あ、こちらのしゃくは笏ではないので念のため。

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3 thoughts on “備忘録

  1. 時刻表が商業出版物として最初に売り出されたのは19世紀半ばのイギリス(日経9月19日)。

  2. 以前、神主さんに「しゃく」の使い方を
    教えていだたいだことがあります。(簡単に)
    正座して「しゃく」を前に掲げてお辞儀をすると
    なんだかとても気持が引き締まったことを思い出しました。

    いま、書いてみて気が付いたのですが、
    「しゃく」という字がない!
    手書き入力しても出てこない!
    くさかんむりの字だけありました。

  3. 子供は成人してまだ独身ですから、我が家には幼児はおりませんが、わたくし「おじゃる丸」のアニメが大好きです。

    閻魔大王の「しゃく」を取り上げてしまったおじゃる丸の処に、しゃくを返して欲しいと3匹の「仔鬼」が毎日のようにやってきます。

    アニメのお終いに主題歌が流れます。癒し系の子供版でしょうか?・・・秀逸です。

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