かるたにはふたつのルーツがある。ひとつは平安時代から行われてきた貝合わせあるいは貝覆いといわれる遊びで、もうひとつはポルトガルから伝わったカルタ(朝日12月17日)。
カルタの語源もポルトガル語のcartaだが、カルタそのものの発祥は中国ともインドともペルシャともアラビアとも言われ、はっきりしない。日本には16世紀後半に伝来し、その後すぐ国産されるようになる。その時代の名称をとって俗に「天正カルタ」と呼ばれているのがそれだ。天正カルタの1の札をピン、12の札をキリというが、これが「ピンからキリまで」の語源ともいう。
ちなみに西洋カルタのことはトランプといわれるけれど、英語ではcards、trumpは切り札のことで、勝利のtriumphと同語源だ。マーク(スート)の図柄にはいくつかの系統があるが、日本で西洋カルタとして知られてきたのはポルトガルを含むラテン系のもので、刀剣、聖杯、貨幣、棍棒からなる。これが今でいうスペード、ハート、ダイヤ、クラブだけれど、それぞれ貴族、僧侶、商人、農民を表していたという説もあり、札の強弱もこの順。だとすれば身分階級をもてあそぶというフラチなことをしていることにもなるのだが、さて。
このコラムも今年はこれで最後。年末年始はカルタでもしてゆっくりいたします。ではまた、新世紀に。
カルタについては、「全日本カルタ協会」「いろはカルタ」「カルタ記念館」「カルタネットワーク」などをどうぞ。
かるた、というと百人一首を思い出します。
この時期、百人一首を飛ばしている映像をよく見かけるかと思いますが、あれは競技用カルタといいます。ボクも一時期はまって、やっていたことがあります。
残念ながら、ちょっとルールを覚えて辞めてしまったのですが、皆さん、競技開始前に全ての札の位置(1/2使うので50枚です)を暗記し、例の一字決まり(むすめふさほせ)、2字決まり(うつしもゆ)などでバンバン飛ばしていきます。
ただ、決まり字を覚えればいいのではなく、札がどんどん取られることで、決まり字が前に行くので、それも覚えておく必要があります。
あ、話が長くなりました。競技って熱いんですねー。
goo辞書によると「ピンからキリ」の語源は点を意味するポルトガル語のピンタがなまってピンが1をさすようになり、十字を表すクルスがなまってキリになったのだとか。非常にアヤシイ説です。
一方、ピンキリの語源を花札(1月=ピン012月桐)に求める解釈もあるとか。こちらの方が現実的です。