古代エジプトの壁画にも香りを楽しむ姿が残されているから、人類は古くから香料と親しんできたことになる。香りの利用法にはフレーバーとフレグランスがあって、フレーバーといえば食品、フレグランスといえば化粧品に利用される。
食品に香りは欠かせない。いま手もとにあるソフトドリンクの成分表示をご覧になっても「香料」はおそらく含まれていることだろう。フルーツ系飲料はもちろん、お茶や炭酸系飲料だって。
この香り、フレーバリストと呼ばれる人たちが作っている。もちろん、最新の技術をつかえば、たとえばイチゴのにおいの化学成分を分析できたりはするんだけれど、かといってそれをそのままイチゴ飲料に使えるかというと、そうはいかない。
香りをつくる原料となる香料には植物性の天然香料だけでも1500種類、合成香料にいたっては5000種類にのぼるといわれている。通常取引されるのはあわせて1000種類くらいということだけれど、フレーバリストは、その1000種類それぞれの特徴、個性を把握し、商品イメージから適切な配合をしていくのが仕事だ。1000種類からなにかひとつを選ぶというのではなく、ひとつの飲料には平均で50種類の香料が使われるのだとか。
成分表示には、簡単に「香料」と記されているだけ。その向こうに、奥深い世界がある。
「高砂香料」の情報が充実しています。
最近、施設(ホテル等)で、いい香りが漂っていることが多いですよね。そんな、香りの調合する方達がいらっしゃるということだと思います。フレーバリストって、公的資格があるのですかね?
なんてタイムリーなんでしょう!
いま、手元に香り関係の展覧会の案内が2つあります。
ご興味のある方は行ってみて下さい。
「香水瓶」展、町田市立博物館
10月21日まで、月曜休館、入場無料
町田駅からバス
西洋の香水瓶の歴史が古代から現代までわかります。
芸術品ですが、宝石みたいにきれいです。
「香りのデザイン??女性をめぐる生活史と香水文化」
宇都宮美術館
10月7日012月16日、月曜休館、宇都宮駅からバス
20世紀の女性のファッションをめぐって
香水や化粧品の容器・ポスター・服・インテリアなど
生活全体がわかる展示だそうです。
また、時代を代表する香水の香りも実際に嗅げるとか。
アール・デコ時代の女性や50年代のハリウッドの女優を
見ているとなんて優雅で大人で素的なんだろうと思います。そんな雰囲気が味わえそうです。
ビルの香りといえば、以前ある会社が香り発生装置を
オフィスビルに取り入れて、
昼休みや打ち合わせタイムなどに
レモンのような香りを流して
効率アップとリフレッシュを図ったと聞いたことがあります。
香りが似合うきれいな環境で仕事ができるのはよいと
思うのですが、でも、
そこまで会社に管理されるのも・・・と素直に喜べないです。
いま金木犀がよく匂っていますね。
家の近所はどこの家にも1本は植わっているので
駅まで「香りの道」を通勤・通学しています。
近頃は野菜に香りがなくなってしまいましたが、
これからは野菜にもフレーバリストの作った香りが付くことで付加価値なんて時代になるのでしょうか?
私は香料アレルギーです。随分前に、電車待ちで隣に立っていた婦人が白檀の扇子をパタパタさせた途端、呼吸困難を生じたことがありました。勿論、直にその女性から離れて、大丈夫でしたが、自分でもびっくりしました。皮膚科の先生には香料入りの化粧品は使わないように言われております。デパートの香水売り場を通るときは、ハンカチーフで鼻を塞ぎ足早に歩きます。香料によっては大丈夫な物もありますので、全く使用できないわけではありません。ほのかな良い香りを嗅ぐと落ち着きますよね。長年香水を使っていると臭いに鈍感になって、食物の腐った臭いも分からない人が少なからず居るようです。何事もほどほどに、ということですか!?