きのう香りについてのコラムを書きつつ、嗅覚でうけとる信号といえばフェロモンもそうだったな、と思い出す。
フェロモンのはたらきについては、ファーブルの『昆虫記』にも登場している。ガの雄が遠くから雌にひかれて集まる現象。もっともそれが雌の分泌する信号によると実証されたのは1959年のことで、フェロモンという名前が付けられたのも同年のこと。
ガの雌が放出するフェロモンはボンビコールと呼ばれているけれど、なんと数キロも離れたところにいる雄を引き寄せるそうで。空気1ミリリットルあたりわずか200分子の濃度で顕著なはたらきがみとめられるというから、さもありなん。
昆虫だけではない、雌犬だって一キロ離れたところにいる雄犬を興奮させるというから、哺乳類にもフェロモンはある。そうなると人間はどうか気になるところだけれど、人間にもフェロモンがあることはわかっている。女性にみられるドミトリー(寮)効果がその事例。同室に住む女性の月経周期が重なるという現象だ。
じゃあ男性をひきつける効果のほどはとなると、まだよくわかっていない。フェロモンにはなにも性フェロモンだけではなく、危険を仲間に知らせる警報フェロモンやアリがもっているような道しるべフェロモンなどもある。そんなのも人間にあるとよさそうだけれども。
ともあれ、清潔に気をとられるあまり身体を洗いすぎてはフェロモン効果も薄れる。さいきん異性が寄ってこないななんて人は、振り返ってみるといいかもしれない。いや、だからって一週間風呂に入るなということじゃなく。
今日の没ネタ。富士山撮影のもっとも遠い記録更新、和歌山県・那智勝浦、322.9キロ先から(朝日9月18日)。
人間にも確かにフェロモンがあります。
私は男ですから男もフェロモンを出すかは分かりませんが、個人固有の体臭はあるようで、それも最近は一番風呂に入ると入浴剤の香りも消えるほど「じじい臭い」と家族に言われています。
さて、女性では20歳台から30歳台のなかに5人にひとり位フェロモンをふりまいている人がいます。
それは香水や石鹸のような人工の香りではなくて体臭ですが、共通した匂いであることが特徴です。
オフィスで書類に目を通しているときその匂いを放つ女性社員が近くを通ると石部金吉でも、つい思考回路が中段されたものです。
フェロモンを放つ女性の割合が低いのは人類が「退化」の過程にあるのか、人工香料で折角天から授かったフェロモンを消しているのかも知れませんね。
しかし、通勤電車での痴漢対策にはフェロモンを洗い落とすことが必要な時代かも知れません。
嗅覚の話を聞いて、おいしいお店を見つけたりする人も、
鼻が利くなんて表現するなぁとつれづれなるまま思いつきました。
おいしいお店フェロモンとか会ったら、大繁盛なんだろうなぁ。
人間の恋愛にも臭いは重要な要素を占めていると思います。好きな異性の臭いと同じ体臭の異性が近づくと胸がドキドキした経験ありませんか?私の主人も時々「悦子の臭い好き」とか言ってます。自分ではどんな臭いか分かりません(香水はアレルギーがあるので使っていません)が、フェロモンでしょうか?
あはは、悦子さんにのろけられちゃったみたい。確かに匂いって恋愛にも少なからぬ役割は果たしていますね。香水はそのためのものだろうし、本来。恋愛フェロモンの化学式が解明されたらおもしろいでしょうねえ。
ともあれ、参考サイト紹介を忘れていました。フェロモンに関係する話に触れられているものとして「昆虫の脳の研究者、神崎亮平氏インタビュー」がとってもおもしろいです。人間にもフェロモンがあるという発見については1998年のコラムで紹介したことがありますが、さらに詳しい「フェロモン(1998年10月7日)」を参照ください。フェロモンの種類については「フェロモンの種類とその利用」がよくまとまっています。
のろけるつもりは無かったのですが、失礼しました。「神崎良平氏のインタビュー」記事早速プリントアウトしました。小橋さん、ありがとう。知識が豊富になります。これからもよろしく(^o^)丿