空間と時間はどちらが先に生まれるのだろう。現在の標準として考えられているビッグバン宇宙論では、開びゃくの大爆発とともに空間も時間も物質も、すべてが同時に生まれたことになっているから、この問いにあまり意味はない。
でも、ぼくたちの脳の中では、少々事情が違うようだ。産業技術総合研究所の北澤茂氏らが行った実験がある。
この実験では、両手を前に出し、それぞれの手に短い間隔をあけて刺激を与えている。まず左手を刺激し、そして右手を刺激する。そして、どちらの手が先に刺激されたかを答えるわけだ。この順序をゆっくりとやれば、もちろんどちらの手が先に刺激されたかを間違うことはない。いや、たとえ刺激が0.1秒感覚など短くてもだ。
では、右手と左手を交差させるとどうだろう。結果はびっくり、刺激の時間差が1秒以上あるときは間違いがないのだけれど、0.3秒以内の場合には、先に右手が刺激されたと理解してしまうのだ。手を交差させることで、脳の中で時間が逆転している。
この結果から、ぼくたちの脳には、入力信号の時間順序そのものを判断するセンターはなく、まず入力信号の空間配置を行い、その後で時間の処理がはじまるものと考えられる。左手からの刺激を感じ左手はいま右側にあるから自分の右の方に刺激のもとがあると判断し、これに時間順序を与える前に右手に刺激を感じるものだから、云々。
ちょっと頭がこんがらがってきちゃったね。ともあれ、ぼくたちは手からだけじゃなく視覚や聴覚もふくめいろいろな信号を受けているわけだから、それらを総合してまず空間を把握し、続いて時間処理をするというのは合理的ではあるわけで。
時間って、あんがい揺れるものなんだ。
北澤茂氏の研究発表については「手の交差で時間が逆転」をご参照ください。体性感覚野については「体性感覚誘発脳磁」がわかりやすいかな。といいつつ、じつは今回ぼく自身研究内容を把握するのに時間がかかってしまいました。誤解してないとは思うのですが。詳しい方、いらしたらご指摘ください。
・自分の手。
・物の位置関係。
“右”と“左”
どっちがそれなのか、理解するのに時間がかかったこ
どもの頃を思い出した。
お茶碗を持つ手が左。
右はお箸を持っている手だよ。
何度も教えられながら、“茶碗”を、“箸”を持つ手
を確認するのに、混乱していた幼い自分を、今でも憶
えているのは、自分ばかりではないと思う。
> は手からだけじゃなく視覚や聴覚もふくめいろいろな信号を受けて
> いるわけだから、それらを総合してまず空間を把握し、続いて時間
> 処理をするというのは合理的ではあるわけで。
にあるように、今回の実験では目を開けた状態で望んだわけだよね。
つまりこの結果は、人間の情報収集能力の大半が、■・・・ちがう、
四角・・・ちがう、「視覚(これ!)に依存している」ということを
示すことにもなるわけ。
じゃあさて、同じ実験を、目を閉じて行ったらどうだろう。
耳をふさいでおこなったらどうだろう。
(それでも左右間違えるようなら、もっと他の原因がありそうだね)
つきつめて調べたら、日常ボクらが、どこまでの能力を使って
生活しているのかわかりそうで面白そう。
もしくは、どこかの能力(今回は視覚)に頼り切っちゃって、
(実は見えるのに、)見えなくなっちゃってる情報とか出てきたりして。
「コスモ」とか。(おいおい)
こんばんは。ココへの書き込みは初めてですが。
>総合してまず空間を把握し、続いて時間処理をする
これで合っていると思います。
刺激が与えられる感覚が短くなると空間認識(手の交差)の前に
答えを求められるので、脳が手が交差していると事を認識(計算)
する前に右側に刺激を受けた場合そのまま右と答えて間違うと…。
視覚や聴覚がふさがれても間違うでしょう。自分の体は触覚や
筋肉の動きで認識できますが、交差していることを認識する必要が
あることに変わりはないですからね。
はじめまして
“時間と空間”ねえ
面白いけど難しい難しいけど面白い
問題ですよね
本題とはずれますが
以前テレビで鏡を使って右と左を逆転させる
という実験をやっていました
あれも面白かったです
sinさん、ありがとうございます。すっきりしました。
これを読んでいて小中ぐらいのときに人差し指と中指を交差させて目を閉じて1本か2本のペンで相手に擦ってもらって何本か当てるというのをしたのを思い出しました。