10月の頭に運動会があるらしく、隣の保育園からは毎日応援演奏の練習。窓から聞こえる保育園児の太鼓に合わせて、子どもにタンバリンをたたかせてみる。タン、タン、タタタ。なかなか上手なものだ。
父親ときたらリズム感がからっきしない。カラオケは嫌いなのだけど、音痴もさることながら歌い始めなどのリズムがとれないことが最たる理由。外国語だって、リズム感さえあればもう少しましにしゃべれたろうに。子どもがその轍を踏むことはないか。
オーケストラの指揮者ともなればリズム感はさすがに鋭いらしい。岩城宏之さんが、音楽学生のころ仲間と飲みに行って時間あて遊びをした話を書いていた。誰かの号令でスタートし、それぞれ1分と思うところで手をあげる。誤差0.5秒もないそうだ。これをリズム感というかどうかは微妙だけど、体内に確かなメトロノームがあるには違いない。
そういえばぼくたちにはクロックとよばれる遺伝子がある。これに異常があるマウスでは活動時間帯になっても体温上昇がゆるやかだといい、朝が苦手な夜型人間の場合も、この遺伝子が関係しているのではないかと推測されているのだとか。
リズム感覚に遺伝子が関係しているかどうかは知らない。少なくともわが家では遺伝はしていないということか。いや、ピアノをしていた母親の遺伝子を受け継いだということかも知れぬ。
ともあれ、音楽的センスのないことに気づいた父親は、せめて文章だけでも上達したいと、毎日こうして練習している。きみはどんな方向に行くのだろうな。タン、タン。
今回、時計遺伝子に関する研究成果を発表したのは、「徳島大学医学部」の勢井宏義助教授と「産業技術総合研究所」の研究グループです。