小橋 昭彦 2019年1月27日

近所の空き地にセイタカアワダチソウの黄色い花が目立つようになったのはここ数年のこと。今年の夏はこれまでになく背も高く密集しており、それでかえって、次の季節に植生がどう変わるか楽しみにしている。

というのは近所の野遊び研究家から、セイタカアワダチソウは他の植物の邪魔をするために根から微量の毒素を出している、しかしやがて密集しすぎて自家中毒を起こすと聞いているからだ。

調べてみると、この現象をアレロパシーというらしい。日本語で他感作用と略され、高校の教科書にも載っているそうだが、ぼくが高校生の頃は聞かなかった気がする。
セイタカアワダチソウはその代表例で、やがてススキ野原に戻ることもあるそうだから、楽しみな話だ。

植物が持つ毒素についてもうひとつ。断食が脳に良いと唱えて話題になった米国立老化研究所のマトソン博士が面白い研究結果を発表している。
野菜は健康に良い。抗酸化作用があるからと言われてきたが、別の可能性があるという。それが、野菜が持つ微量毒素にあるというのだ。
こういうことだ。野菜を食べると、野菜が持つ毒素が人体の細胞に軽いストレスを与える。それを克服するための反応が、健康に良い結果を生み出しているのだという。

少量なら良い効果を及ぼすが量が過ぎると逆効果になる、こちらはホルミシスと呼ぶ。カレーの香辛料やニンニク、トウガラシなどが脳機能に良い影響を与えている可能性が示されているほか、漢方薬もホルミシス医薬の可能性があるという。

アレロパシーにしてもホルミシスにしても、重要なのは適量だ。しかしその適量を検証する有効な手段は、まだない。
ほどほどがいい、しかしそのほどほどが難しい。中庸の徳。東洋の知恵は一歩先んじていたというべきか。

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1 thought on “アレロパシーとホルミシス

  1. アレロパシーについては、「科学と生物」掲載の『植物のアレロパシー』、 農業環境技術研究所の『農業生態系の保全に配慮した農業技術』内にある研修資料「アレロパシー研究の最前線」、日本植物整理学会の『植物のアレロパシーについて』を参考にしました。

    ホルミシスについては、日経サイエンス2016年1月号掲載の記事『野菜が体によい本当の理由 微量毒素の効用』を参考にしました。こちらのリンク先には、断食と脳に関するマトソンの講演動画も収められています。

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