小橋 昭彦 2011年4月26日

ライフログというのは、ある種のバズワードかな。最近はあまり聞かなくなったけど。一方で、医学上、ある被験者の全環境曝露調査が課題になっているという。この調査を「エクスポゾーム(exposome)」というそうで。

今の日本で環境曝露調査というと、やはり放射線が気にかかるところだけれど、ここでは、大気汚染物質、身体活動、食事の記録が対象になっている。1日の生活の中で、人間がどのような行動をとり、どのような摂取物を外部から取り入れているかを記録し、それが健康に与える影響を調査するわけ。

従来なら食事を調べるなら、アンケートに頼っていたわけだけど、人間の記憶はあてにならない。その例として紹介されている下記の数値が思ったより忘却度が高く、驚いた。

(心理学者のTom)Baranowskiは、被験者がある日に食べたものを観察し、翌日にその内容を思い出してもらった結果、子どもは自分が食べたものの約15%を忘れていて、食べたと言っているものの30%以上が空想の産物であることが判明した。成人についても同様の傾向が見られた。(natureダイジェスト2011年05月号p14「見つめていたい」)

食べたものを忘れるというのは、老人性健忘症の徴候じゃないかと気になる人も多いんだけど、子どもでもこの結果というのはびっくり。

原文は下記。

Epidemiology: Every bite you take

Nature 470, 320-322 (2011)

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