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ちょっと知的な雑学&トリビア

ライデンフロスト

2001年2月14日 【コラム
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 石油ストーブにやかんをかける。こぼれた水滴が、しばらく熱くなった天板の上で転げている。すぐには蒸発しない。ああ、ライデンフロスト効果だ、なんて眺めている。
 そんな、科学を身近に感じる機会が減ってきたと最近思う。団地暮らしになって石油ストーブからガスファンヒーターに変えてしまったし。
 熱い鉄板の上で水滴が蒸発せずに転がっているのは、水滴が落ちた瞬間に接触面が蒸発して水蒸気の膜を作り、鉄板との間に断熱層を作ったからだ。
 かつて話題になったアニメーション『エヴァンゲリオン』では、陽電子方が標的に到達する前に大気と対消滅しない説明としてこの現象を引用していたようだ。空想だけじゃなく、たとえば熱く焼けた鉄棒を握ったりなめたりする大道芸の鉄人も、唾液や汗によって舌や手と鉄棒の間にライデンフロスト効果が生まれ、やけどから防がれている(朝日1月12日)。大道芸もまた科学。
 書斎の窓にはりついて外を見ていた子どもが、おとーさん、みえなくなった、と声をかけてくる。みると、子どものはく息でガラスは真っ白。「なんで」と小さな声。ふと気付く。科学に接する機会が減ったんじゃなく、ぼくが科学から遠ざかっていただけなんだと。

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4 comments to...
“ライデンフロスト”
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小橋

今日の没ネタ。翼長78.19メートル、世界一の折りづる(朝日1月12日)。


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小橋

陽電子方→陽電子砲、です。ごめんなさい。


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ながさわ

小学生などの長期休暇中に、子供の『何故?』に答えるラジオ番組をよく耳にします。

たいていは説明できるものですが、子供の着眼点って、結構おもしろいですよね。普段、気にかけないトコに『?』を感じるのって、ある意味うらやましいです。
ところで、説明できるのはいいとして、それは『大人の言葉』(ちょっと語弊あり?)での説明。子供に判るように説明する、回答者の方(どこかの教授とか)は、やっぱり凄いですね。


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いんてきふこ

初めての登場です。お手柔らかにお願いします。

「科学」といえば,学研の科学と学習(笑)。 今でもまだ小学1年生06年生用に発売されています。私の時代には,エナメル線を自分で巻いてモーター作ったり,ラジオ作って聞いたりしていましたが,今の科学の付録の進化はすごい!

太陽電池で車が走るとか,光センサーや発光ダイオードも登場します。

うちの子供現在小学1年生ですが,毎月科学が届くのを楽しみにしています。お化けえびを育てたり科学手品で得意になったり…。

また最近は「大人の科学」も発売されて,エヂソンの蓄音機などを付録につけています。




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 肥満に関係する遺伝子が見つかり「肥満遺伝子」と話題になったのは1994年のこと。この表現から勘違いされることが多いが、肥満を起こす遺伝子ではなく、本来は肥満を防いでいる。それが損傷することで、肥満を抑制するレプチンと呼ばれる物質が働かなくなり、太ってしまうわけだ。 これまで見つかった肥満遺伝子は、肥満の目安とされるBMIの指標が30を超える欧米に多い重度の肥満に関連するもの。日本人に多いBMI25から30程度のいわゆる「小太り」に関連する遺伝子ではなかった。この遺伝子を発見したのが、群馬大の武田純教授ら。SHPという遺伝子に変異があったのだ(日経1月14日)。 もっとも、遺伝子に変異があるからといってそれだけで太るわけではない。日常の飲み食いがあってこそ。宮崎医科大の中里雅光講師らによると、食欲を高める体内物質に、グレリンというのがあるらしい。 グレリンは、脳や胃で作られ成長ホルモンの分泌を促す体内物質。これをラットに注入したところ、与えなかったラットに比べ一日の食事量が4グラム増え、体重が増加したという。胃から分泌されるグレリンの量は空腹時に増えることもわかっている。 日本肥満学会の推計によれば、30代以上の5人に1人は太りすぎだとか。遺伝子や体内物質の働きが明らかになってきたとはいえ、治療につながる成果はまだ少し先。30代も折り返し点を過ぎた身としては、医学の進歩に期待しつつ、腹回りをつかんでみたりしている。

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 将棋にもさまざまある。世界に目を向ければ、三大将棋としてあげられるのが日本の将棋と中国の象棋、西洋のチェス。駒に文字が書かれた将棋や象棋、形で見分けるチェス。升目の中に駒を置く将棋やチェス、線上を動かす象棋。形は違うけれど、ルーツは同じ、古代インドにあるとされる。発祥は紀元前3世紀ごろのこと、当初はサイコロで駒の動きを決めていたらしい。 日本に限っても、将棋は現在一般に知られている縦横9升40枚の駒で遊ばれるものばかりではない。日本に将棋が伝来したのは平安時代のことと考えられているけれど、それ以降の歴史を見ても、より大きな盤を用いるものが各種ある。縦横12升92枚で遊ぶ中将棋、縦横15升192枚で遊ぶ大将棋、縦横17升192枚の大大将棋。まだある。縦横19升192枚の摩訶大大将棋、縦横25升354枚の泰将棋。さらにもうひとつ、世界の将棋盤の中でも最多の駒数を持つのが大局将棋(朝日1月13日)。ここまでくると升目は36×36、駒数は208種類804枚。駒を並べるだけでも数時間かかってしまう。 よく言われるように、とった駒がつかえるのは日本将棋だけだが、このルールができたのが室町時代。戦国の世だ。戦に負けても大将が降参すれば部下たちは敵方の兵力として活躍する。ゲームにもそれが反映されたとされる。 敵が味方になり、その力のおかげで展望が開ける。まさに大局的な視野を持ってこそわたっていける世の中。さて、現代の「競争社会」に大局観はあるか。

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