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小太り遺伝子

2001年2月13日 【コラム
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 肥満に関係する遺伝子が見つかり「肥満遺伝子」と話題になったのは1994年のこと。この表現から勘違いされることが多いが、肥満を起こす遺伝子ではなく、本来は肥満を防いでいる。それが損傷することで、肥満を抑制するレプチンと呼ばれる物質が働かなくなり、太ってしまうわけだ。
 これまで見つかった肥満遺伝子は、肥満の目安とされるBMIの指標が30を超える欧米に多い重度の肥満に関連するもの。日本人に多いBMI25から30程度のいわゆる「小太り」に関連する遺伝子ではなかった。この遺伝子を発見したのが、群馬大の武田純教授ら。SHPという遺伝子に変異があったのだ(日経1月14日)。
 もっとも、遺伝子に変異があるからといってそれだけで太るわけではない。日常の飲み食いがあってこそ。宮崎医科大の中里雅光講師らによると、食欲を高める体内物質に、グレリンというのがあるらしい。
 グレリンは、脳や胃で作られ成長ホルモンの分泌を促す体内物質。これをラットに注入したところ、与えなかったラットに比べ一日の食事量が4グラム増え、体重が増加したという。胃から分泌されるグレリンの量は空腹時に増えることもわかっている。
 日本肥満学会の推計によれば、30代以上の5人に1人は太りすぎだとか。遺伝子や体内物質の働きが明らかになってきたとはいえ、治療につながる成果はまだ少し先。30代も折り返し点を過ぎた身としては、医学の進歩に期待しつつ、腹回りをつかんでみたりしている。

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2 comments to...
“小太り遺伝子”
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小橋

肥満と遺伝子については、「肥満と遺伝子」「食欲をコントロールするレプチン」などご参考に。BMIについては自分で計算できるサイトがいろいろあります。「肥満とは」などをご参照ください。ただし、この後日本肥満学会では、BMIが25以上を肥満と、それまでの26.4より基準を厳しくしています。あ、「あなたの肥満度をチェックしよう」がわかりやすいですね。


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26歳で中年太り?

私は2年前までほぼ毎日運動をしていたのですが、最近体を動かす事がなく、太る一方で困っています。




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 すごろくには盤すごろくと絵すごろく、ふたつの系統がある。盤すごろくの歴史は古く、古代メソポタミアや古代エジプトでも遊ばれていた。ツタンカーメンの副葬品にも「セネト」と呼ばれる遊戯盤がおさめられている。18歳で死去したという若きエジプト王も、すごろくに興じていたのだろう。 盤すごろくはその後も各地に伝えられ、現在でもバックギャモンなどとして遊ばれている。日本にも古くから伝えられており、689年にはすごろく禁止令が出されたりもしているが、つまりは賭博として遊ばれていたわけだ。その後賭博はさいころだけで行われるようになり、盤すごろくは純粋な遊戯盤として、江戸時代には嫁入り道具になるほど普及する。 現在「すごろく」としてイメージされる絵すごろくの方は、教材として始まったらしい。新米の僧に官職や仏名を遊びながら覚えさせるのが目的。日本では13世紀後半頃から用いられたのではないかと考えられており、当初の「官位すごろく」や「仏法すごろく」などはいずれも絵が無い。 絵の入ったすごろくは江戸時代に広まっている。人気を得たのが極楽浄土を上がりとする浄土すごろく。「永沈」というのもあって、ここにコマが来るとゲーム資格が無くなる。いまの「1回休み」の原型だ。さらに江戸時代には東海道五十三次を進んでいく道中すごろくも流行した。 その後、絵すごろくにはさまざまなバリエーションが登場、戦時中には戦意高揚を目的にしたものが現れるなど、世相を反映している(朝日1月11日)。最近では景気回復すごろくなんてのもあるけれど、現実の世は1コマも進めないうちからはや「ふりだしに戻る」と言われているようでもあり、なんだかなあ、である。

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 石油ストーブにやかんをかける。こぼれた水滴が、しばらく熱くなった天板の上で転げている。すぐには蒸発しない。ああ、ライデンフロスト効果だ、なんて眺めている。 そんな、科学を身近に感じる機会が減ってきたと最近思う。団地暮らしになって石油ストーブからガスファンヒーターに変えてしまったし。 熱い鉄板の上で水滴が蒸発せずに転がっているのは、水滴が落ちた瞬間に接触面が蒸発して水蒸気の膜を作り、鉄板との間に断熱層を作ったからだ。 かつて話題になったアニメーション『エヴァンゲリオン』では、陽電子方が標的に到達する前に大気と対消滅しない説明としてこの現象を引用していたようだ。空想だけじゃなく、たとえば熱く焼けた鉄棒を握ったりなめたりする大道芸の鉄人も、唾液や汗によって舌や手と鉄棒の間にライデンフロスト効果が生まれ、やけどから防がれている(朝日1月12日)。大道芸もまた科学。 書斎の窓にはりついて外を見ていた子どもが、おとーさん、みえなくなった、と声をかけてくる。みると、子どものはく息でガラスは真っ白。「なんで」と小さな声。ふと気付く。科学に接する機会が減ったんじゃなく、ぼくが科学から遠ざかっていただけなんだと。

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