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ちょっと知的な雑学&トリビア

太る人、太らない人

2002年10月17日 【コラム
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 幼い頃、ロシアのおばちゃんというと太っていてペチカの前で毛糸を編んでいるイメージを持っていた。日本人でそこまで太っている人は少なく、なぜあれほど太れるんだろうと友だちと話したこともあった。
 肥満度を表すBMIという値がある。体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数値だ。BMIが30以上で高度肥満とされるけれど、米国では男性で約2割、女性では4人に1人が当てはまるという。日本では男女とも2、3%しかいないから、確かに少ない。
 太りにくい体質なのだろうか。調べてみると、太る前に病気になるというのが真相らしい。すい臓のインスリン分泌機能が、欧米人より弱いのだ。高度肥満になる時間的な余裕がなく、糖尿病になる。それでもこれまで発症率が低かったのは、食習慣ゆえか。
 厚生労働省の国民栄養調査を参照する。この20年、BMIが25以上の肥満者の割合は、女性では減っているが、男性では増え続けている。全体の摂取エネルギーは減っているから、欧米に比べ低かった脂質の割合が増加したことが肥満の背景にある。日本の肥満人口、ただいま約2300万人。
 肥満研究も進んでいる。京都大学の垣塚彰教授らによると、ERRL1というたんぱく質を多く持つネズミは、脂肪を燃やす酵素をたくさん作る。そのため、普通のネズミより体重が15%から25%少ない。肥満防止薬の開発につながるとも期待される。ただし、脂肪を敵視してもいけない。脂肪が少ないと、脂肪から分泌される食欲抑制ホルモンの血中濃度が低くなる。だから脂肪が少ないERRL1ネズミは大食い。やせの大食いと報道されている。
 ちなみに、太りやすい遺伝子、やせにくい遺伝子があるのは事実だけれど、それがそのまま肥満につながるわけではない。京都府立医科大学の吉田俊秀教授は、自分の遺伝を知った上で肥満症の治療に取り組む方が成功率が高いとアドバイスしている。自らを知り、慈しむことが第一歩ということだろう。

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7 comments to...
“太る人、太らない人”
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小橋昭彦

国民栄養調査は「栄養調査」でどうぞ。糖尿病については、「International Diabetes Federation」を。「糖尿病人口、700万人時代に」なんて話もあります。肥満については、つい先日も「太ることとストレスと」としてコラムにしました。


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西園寺克

脂肪細胞に関係して1 アジポネクチン、2 レプチン
(文中の食中枢に作用するホルモン)、3 β3-アドレ
ナリン受容体などがあります。
筋肉ではカルニチン(長鎖脂肪酸をミトコンドリアで
燃やすのに必要)が関係しています。
狩猟生活(木の実、魚貝、動物)から、穀物を育て
て、定住したのに、使っている遺伝子の読み取り方
(回数)が、狩猟の時と同じなので肥満になります。


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佐々木

肥満やダイエットの話はよく耳にしますが、
世の中には太りたくても太れなくて悩んでる人も多いかと思います。

人に相談すると、うらやましいと言われ、肩身が狭いです。
効率的にふくよかな(健康的な)体になる方法などが紹介されてもよいのでは?と思います。

痩せてる女性に「前より痩せたね」と言ことは、
太ってる女性に「前より太ったね」と言うことと同じだと思うのですが、そのことに気づいている人は少ないと思います。

どなたか太る方法ご存知でしたら教えてください。


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小橋昭彦

佐々木さん、確かに。

国民栄養調査によると、女性の10代、20代ではやせ気味の人が急増しています。あまりダイエットばかり言うのも考えものですね。


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MAX

最近の若い男性はどうしてあんなに線が細いんでしょう?

「年頃になると男性はたくましく、女性はふくよかになります」
・・・と習ったはずなのに、いったい何が変わったのでしょうか?
ずっと不思議だったので、誰か教えてください。

佐々木さん、はじめまして。
私も昔はとても痩せていました。
痩せっぽっちの自分が大嫌いな時期が長く続きました。
ダイエットしてると疑われて保健の先生に叱られたり。

太っている、というのは禁句、でも痩せている、だったら言っていいという思い込み、
なんとかなりませんかねぇ・・・。


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パパボン

いつも楽しく読まさせて頂いています。
今日はとてもびっくりした事を投稿します。
お昼休みに某生命会社さんが一枚の紙切れを
持ってこられました。
内容は
<太る人、太らない人>
?????
そういえばみた事のある題名だと思いつつ内容を読むと
なんと一言一句一緒ではないですか!
驚きました!

今日の雑学は何かの本か参考文献をそのまま
引用しているのですか?
それともこの某生命保険会社さんが、
コピーしているのでしょうか?
僕的には保険屋さんがやっていると思うのですが・・・。

しかしびっくりした0。


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にゃんこ

はじめまして。
どなたか太り方をご存知ないでしょうか?
私は21才 女 156cm 36kgです。
子供のころから胃腸が弱く、自分より痩せてる人に会った事はほとんどありません。
太ると言われている、肉、卵、牛乳、納豆、油モノ、甘いものが苦手で、
自ら進んで口にしたいと思ったことはありません。
太りたくて無理やり口にすると気持ち悪くなります。
いっぺんに沢山のものが食べられずにすぐ消化してお腹が減ります。
なので一日中少しずつ食べ続けてる感じです。
一ヶ月間お酒を飲み続けていたときは44kgまで太りましたが、お酒もあまり得意じゃないので飲まなくなったら
戻ってしまいました。
睡眠も小刻みにしかとれないので、規則正しい生活も出来ていません。
運動すればお腹が減って、いっぱい食べれるかと思い、プロテインを飲みながら水泳に通ってた時期もあったのですが、筋肉がつくばかりで、逆に引き締まってしまいました。
寝る前に果糖を取ると太るときき、果物を食べ続けたんですが、下痢するばかりで太りません。
周りの人間の「痩せすぎできもい!男にしか見えない!太れ!」というプレッシャーからか、2kg痩せました。
女性らしいふくよかな身体になりたいんです!
運動すれば絶対痩せるんです!
でも太り方なんてどんなテレビでもやっていません。
どうかどなたか知識をお貸しくださいm(__)m




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 またきな臭くなってきたと思いつつ、こんなときはいっそう注意深くニュースを読む。報道はPRが上手な側の視点になることが多い。米国国務省は昨年のテロ後、広告界の実力派を迎え入れている。PRの重要性を知っていればこそ。 目に立ちやすいから広告というタイトルにしたけれど、正確には広告ではなくPRの話。パブリック・リレーションズの略語で、世論との関係を築いていく活動とでもいおうか。第3代の大統領、ジェファソンが使用して言葉が生まれたという伝説もある。 PRにおいては広報とともに広聴も重要な役割を持つ。広く意見を拾い上げ、取捨選択し伝える、そんなサイクルを持つ。企業だけでなく国家にとっても重要な活動で、とくに戦時においては欠かせない。国際世論を味方につけ、国内に対しては犠牲を払うことへの納得を得なくてはならない。 戦争におけるPRの役割が具体的に描かれていたのが、高木徹氏の『戦争広告代理店』だ。ボスニア紛争時に活躍したPR企業のエキスパートが、いかに国際社会でボスニア支持の論調を作り出していったかを追ったドキュメント。悪か善かなんて本来きれいにわかれないのに、みごとにセルビア悪玉論が形作られていった。戦時下のプロパガンダに関しては、ベルギーの歴史家アンヌ・モレリ氏も、自国の攻撃を正当化するプロパガンダには法則があると指摘している。 湾岸戦争時にあったように偽の情報を流すことは論外にしても、PRは必ずしも悪いことではない。弱者の声を伝える役割を担うこともある。ぼくたちとしては、PRの向こうにある真実を見通す目を持つことか。それは単に情報操作されないというだけではなく、PRするだけの余裕が無い国や人々がいることを知ることでもある。世界には、声にならない声が多くある。ほんとうの悲しみは、えてしてそんなところに転がっているものだ。

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