ざつがく・どっと・こむ
ちょっと知的な雑学&トリビア

耳を澄ませば

2001年10月26日 【コラム
Share...Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

 水中に電波は通らない。だから超音波による探索が重宝される。ソナーだけで敵艦の情報を探る潜水艦内での息づまるような瞬間。それを知っているような気になるのは、小説あるいはコミックスの影響だろうか。
 潜水艦の探知に超音波が利用されるようになったのは1916年に超音波ソナーが開発されて以降のこと。一方、魚群探知機は、今から半世紀あまり前、日本人によって発明された。いまや漁船に欠かせない装備だ。
 ちなみに、魚群探知機は超音波が反射されかえってくるまでの時間と反射波の強弱を利用して魚群を探知している。反射波が強いほど魚群の密度が濃いことは感覚的にわかるけれど、画像が大きいほど深いところにいるというのはちょっと意外かもしれない。しかし遠くからの反射ほど反射波は広がるわけだから、よく考えれば当然ではある。
 人間は超音波をさまざまなことに利用している。個体内部の傷を探し出したり、ガラスなどを加工したり、電子機器部品を洗浄したり、胎児を診察したり、筋肉痛を癒したり。
 ぼくたちにとって、音の役割はあんがい大きい。ゲームの場面転換を実感したり、映画のシーンで涙したりするのは、映像よりも背景音楽が寄与するところが大きいのではないか。ただ、日常生活の中で、見つめることはしても耳をすます経験は少なくなった気がする。
 秋の夜長、虫の声に耳を傾けてみよう。

Share...Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

5 comments to...
“耳を澄ませば”
Avatar
小橋昭彦

魚群探知機については、メーカーの「古野電気」「HONDEX」をどうぞ。「NHKの番組」でもとりあげられたようですね。神戸新聞の特集「音極める」も参考になります。


Avatar
ぱぱ

携帯電話の着メロ、炊飯器のアラーム、洗濯機のアラーム、パソコンのアラームなどなど。機械的な音が増えてきていますよね。あれはどうも好きになれませんね0。強弱がないのがどうも良くないんじゃないかしらん、と思ったりします。そういう意味で野球の応援のトランペットも苦手ですねえ。まだ、太鼓のほうがいいかな。

携帯電話は常にマナーモードで、せっかくの16和音も役に立ってません。


Avatar
こま

耳を澄ますことが最近ないな、と思いました。
騒音はあふれているのに。
発信するだけでなく受信することも大事なのですね。
魚群探知機だけでなくて。

簡単にホームページが作れるようになって
だれもが発信したがるばかり。
受信することを忘れていませんか?

遼太郎くんのこと、いつも「ああ、成長するっていいな」と思って読んでいます。
新しい発見があるのですから。
昨日のはとくによかった。
だんだん衰えてくる老人といつもいると
ちょっとした成長を見つけることからも遠ざかって
「耳をすまさなく」なっている生活だと痛感します。


Avatar
栗原悦子

私はトランペットの音を聴くと、胸がキューンとなります(応援ラッパは私も嫌いです)。和太鼓の音も大好きです。体にびしびし音が響いてぞくぞくします。でも、一番好きな音は弦楽器(ヴァイオリン、チェロ、シタール、琴など)です。パンフルートも良いですね。オペラなど声楽もわりと好きです(声にもよりますが)。心が安らぎます。安らぐと言えば、波の音、鳥の声、鯨の鳴き声など自然の音は心身共に癒してくれますね。悲しい時には、これでもかというほど悲し0いメロディを聴くと、涙がボロボロ出て、でもその後は何だかスッキリします。悲しい時に楽しい音楽を聴くとイライラしますが、何故でしょう?私は音には敏感な方で、海運会社で働いていた時、突然左顔面が赤く腫れ上がって、頭痛も酷く、辛い思いをした時期がありました。日赤で検査してもらったところ、音とタバコの煙が原因でした。その当時の私の席の丁度真後ろにテレックス室が在って、ドアが無かったため音(結構煩い)が漏れている状態で、それに私の体が敏感に反応したようです。会社は早速ドアを取り付けてくれましたが、タバコの煙は改善されず、今でも要注意です。症状が出ると本当に辛いです。頭を切り取ってほしいと思うほどの激痛です。話が逸れてしまいましたが、人によって好きな音や嫌いな音は違うのでしょうね。その時の体調や精神状態によっても変わりますし・・・。冬になるとよく車のエンジンをふかす音が聞こえてきますが、あれ、本当に嫌です。イライラして気分が悪くなります。都会ではひしめき合って暮らしているので仕方ないとは思うのですが、あの音だけはどうも慣れません。低周波の影響でしょうか?耳栓でもすれば少しは違うかなぁ。


Avatar
CROCCO jnk"

いつも考えさせられるエッセイに感謝致します(_ _)

聴く、ということは意外と神経を使うことなのだ、、
と日頃 職業柄 実感しております。

「聞く」「聴く」「訊く」は其々目的も意識も違い、
独立した行動なのは、ご存知の通りなのですが、
耳を傾けるという行為は「聴く」が
もっとも近いように感じております。
その文字も、「耳」を「十」分に「四」つ(全力をあげて)
心から「聴」く、と我流で解釈しています。

何事にも耳を澄ませて心傾け、真意に触れられたら、
もっと、この世の中は変化するのになぁ、、と思いつつ。
「沈黙の艦隊」を この週末は読みたく感じています。

先日は、magazine での紹介に対する許可を頂き、
ありがとうございました (_ _)




required



required - won't be displayed


Your Comment:

 日々銀座を行き交う多くの人の、何人が「銀座発祥の地」の碑に気づいていることだろう。銀座という地名は、江戸幕府が銀貨鋳造所を置いたことに由来する。1612年になる前は、銀座は駿府(今の静岡市)にあった。 銀座があれば金座もある。江戸時代、それは現在の日本銀行本店のある場所に置かれていた。黄金の国ジパングなんて表現を思い出すが、実際のところ日本でこれまで産出された金の総量は約1000トンだとか。世界では14万トンということなので、その0.7%。少ないようだけれど、日本の国土を世界の陸地面積と比較すると0.25%だから、陸地面積に対する金の産出量は確かに多い。もっとも「黄金の国」の由来は、金がヨーロッパでは主に棒状で保存されたのに対し、日本では延ばして壁にはりめぐらしたりしたことが背景にあったようだ。 現在日本での年間生産量は約160トン。世界ではおよそ年間2500トン、第一位は約500トンを産する南アフリカだ。ちなみに500トンの金を生産するには7000万トン以上の土を掘削しなければならないという。この土の量はクフ王のピラミッドより多い。 ピラミッドといえば、「金字塔」という言葉は、金そのものとは関係なく、金の字のような形、つまりピラミッドのような建造物のことを意味していた。それほど作るのがたいへん、というところからきている。 有事とあってこのところ金投資への関心が高まっている。浮いた情報に惑わされない、まさにひとりひとりの判断が試金石(こちらはその名のとおり金の純度を判定するための石のこと)にかけれらる場面が増えている。

前の記事

 理系は苦手っていうひとが多い気がする。だけど半年ほど前にコラムに関連して行った投票では、小学校時代に好きだった教科は、「算数」っていう人が多くって、「理科」という人がそれに続いていた。 たしかに、文系に進んだぼくだって子どものころは理科の時間が楽しみだったわけで、さていつから苦手意識が芽生えたのだろうって考える。そんなおり、『知のミネラルウォーター』という、科学誌と連動した書籍を手にして、科学のおもしろさってこんなところにあったんだ、とあらためて気づいた。 そこには、ムカデの足は南ほど多いとか、耳あかで乳がんの危険性がわかるとか、西洋人が大声で話すときは西洋音楽でよく使われる音階で話すとか、サナダムシは200万年くらい前に人類がアフリカの草原で狩った獲物から感染し、それが1万年ほど前に人類から家畜にうつり、いま逆に家畜からうつされているなど、コラムのネタになりそうな話があふれている。 もっとも、コラムのもとにこの手の総覧的な書籍を用いることはしていないので、ここでは書籍そのものを紹介しちゃっておしまいにするのだけれど、ともあれ、日常生活の意外な側面を発見する喜び、これって科学そのものだな、とあらためて感じたのだ。 ぼくが理科から離れはじめたのは、化学式などなどが登場して、なんだか部品の話に思えてきたころからだったろうか。世界を探求するんだという喜びを忘れちゃいけなかったなあ、といま反省している。 先日訪れた国立科学博物館の科学体験室で説明してくれた職員さんの目の輝きを思い出し、なんだかまたフツフツと科学心が湧き出している。科学少年の日から四半世紀もして、またぞろ科学誌を定期購読しようとしたりもして。

次の記事