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ちょっと知的な雑学&トリビア

かるた

2000年12月29日 【コラム
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 かるたにはふたつのルーツがある。ひとつは平安時代から行われてきた貝合わせあるいは貝覆いといわれる遊びで、もうひとつはポルトガルから伝わったカルタ(朝日12月17日)。
 カルタの語源もポルトガル語のcartaだが、カルタそのものの発祥は中国ともインドともペルシャともアラビアとも言われ、はっきりしない。日本には16世紀後半に伝来し、その後すぐ国産されるようになる。その時代の名称をとって俗に「天正カルタ」と呼ばれているのがそれだ。天正カルタの1の札をピン、12の札をキリというが、これが「ピンからキリまで」の語源ともいう。
 ちなみに西洋カルタのことはトランプといわれるけれど、英語ではcards、trumpは切り札のことで、勝利のtriumphと同語源だ。マーク(スート)の図柄にはいくつかの系統があるが、日本で西洋カルタとして知られてきたのはポルトガルを含むラテン系のもので、刀剣、聖杯、貨幣、棍棒からなる。これが今でいうスペード、ハート、ダイヤ、クラブだけれど、それぞれ貴族、僧侶、商人、農民を表していたという説もあり、札の強弱もこの順。だとすれば身分階級をもてあそぶというフラチなことをしていることにもなるのだが、さて。
 このコラムも今年はこれで最後。年末年始はカルタでもしてゆっくりいたします。ではまた、新世紀に。

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3 comments to...
“かるた”
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小橋昭彦

カルタについては、「全日本カルタ協会」「いろはカルタ」「カルタ記念館」「カルタネットワーク」などをどうぞ。


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生井俊

かるた、というと百人一首を思い出します。

この時期、百人一首を飛ばしている映像をよく見かけるかと思いますが、あれは競技用カルタといいます。ボクも一時期はまって、やっていたことがあります。

残念ながら、ちょっとルールを覚えて辞めてしまったのですが、皆さん、競技開始前に全ての札の位置(1/2使うので50枚です)を暗記し、例の一字決まり(むすめふさほせ)、2字決まり(うつしもゆ)などでバンバン飛ばしていきます。

ただ、決まり字を覚えればいいのではなく、札がどんどん取られることで、決まり字が前に行くので、それも覚えておく必要があります。

あ、話が長くなりました。競技って熱いんですねー。


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川崎大志

goo辞書によると「ピンからキリ」の語源は点を意味するポルトガル語のピンタがなまってピンが1をさすようになり、十字を表すクルスがなまってキリになったのだとか。非常にアヤシイ説です。
一方、ピンキリの語源を花札(1月=ピン012月桐)に求める解釈もあるとか。こちらの方が現実的です。




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 道すがら「くさめくさめ」と繰り返す老尼がいたので何ごとかと問うと、「かくまじなはねば死ぬなりと申せば」と答える。徒然草に出てくる光景。とすると鎌倉時代にはすでにくしゃみをしたとき「くさめくさめ」と唱える風習が広まっていたわけだ。 くしゃみの語源は、このまじない言葉「くさめ」にある。糞食め(くそはめ)の略とも休息万命(くそくまんみょう)の略とも言う。くしゃみそのもののことは「はなひる」と呼んでいた。 くしゃみの際のまじないはほかの国でもよく見られるようで、古代ローマでも「Absitomen!(凶兆よ去れ)」と唱えたというし、アメリカ原住民にもあったという。イタリアの「サルーテ」や英語の「ブレス・ユー」なども同様の意図からだろう(日経12月6日)。そもそも「休息万命」じたい、もともとは長寿を意味する梵語で、あるとき釈迦がくしゃみをしたので弟子たちがいっせいに「クサンメ」と唱えたという話も伝わる。イスラム教においても、ムハンマドが説いた教徒6つの義務のうちのひとつは「相手がくしゃみをしたらその人のために神に救いを求めてやれ」だ。キリスト教に関する逸話では、西欧でのペスト流行時に、聖グレゴリウスがくしゃみの呪文を作ったともいう。くしゃみは宗教を問わない。 そもそもくしゃみはせきと違って意識して起こすことができない。どこか遠いところからやってくるようでもあり、それが各種の俗信を生む背景ともなったのだろう。ちなみに俗信の中でも有名なひとつ、くしゃみをすると誰かがうわさをしているというのは『詩経』にも登場するというから、ずいぶん古い。 この時期くしゃみをする人が多いけれど、うわさよりまずは風邪にご用心。はっくしょん。

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 傘の起源は日傘にある。雨傘が登場したのはせいぜい17世紀頃のことで、古代において傘といえば日傘。 地球も、日傘をさしている。その正体はエアロゾルといわれる気体中を浮遊する微小な粒子だ。気象学的には霧といわれたり、もや、あるいはスモッグといわれたり。工場から出る硫黄酸化物からできる微粒子のような人為的なものと、火山の噴火のような自然によるものがある。 エアロゾルはそれ自身で太陽光を反射もするし、雲の核となって、間接的に太陽光を防ぐ要因にもなる。こうして地球の温度を低下させる。これが日傘効果だ。1991年のフィリピンのピナツボ火山の噴火が、翌々年の日本の冷夏を引き起こしたなんて説もある。 地球の日傘が及ぼす効果について、東京大学機構システム研究センターなどのグループが人工衛星を用いて調査した。産業革命から現在までの約250年間に排出された大気汚染物質微粒子による冷却効果は、約0.6度(日経12月7日)。同時期の温室効果ガスの増加による温度上昇の半分程度の大きさにあたるとか。 つまり、こんご発展途上国の汚染対策が進むと、日傘効果が小さくなって地球温暖化がさらに進むと予測される。あちらたてればこちらたたず。地球環境は複雑で奥深い。いや、複雑にしているのはぼくたち自身か。

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