小橋 昭彦 2007年9月12日

 自動販売機はいつからあるのでしょう。特許庁の『技術分野別特許マップ』に詳しくありました。それによると、紀元前215年、エジプトの神殿に「聖水」を販売するために設置されたのが始まりだとか。当時の人が現代の「聖水販売機」にあふれる光景を見るとどう感じるだろうと想像すると楽しくなります。
 日本で最初に実用化された自動販売機は、1904年の「自動郵便切手葉書売下機」だそうで、これは切手を販売するだけではなく、はがきを販売し、さらにポストの機能までついていました。売った後のことまで考えているなんてスマートですね。アルコール飲料の販売機におつまみ販売やリサイクル機能までつけるようなものかな。
 ご存知のように日本は自動販売機大国。日本自動販売機工業会の資料によると、国内におよそ550万台の自動販売機があり、それを通した年間売上金額は6兆8300億円。これはコンビニの年間販売額に匹敵する金額です。日本における自動販売機ブームのさきがけは、1957年に登場したジュースの販売機。ある年齢以上の方なら、アイキャッチ用に上部から出ていた噴水を見て「欲しい」とねだった思い出を持っていらっしゃるかもしれません。
 ちなみに、年間売上のうち清涼飲料は2兆3000億円。ほんとうにざっとした計算だけど、今あなたが購入しようとボタンを押しているその瞬間に、日本のどかで500人から1000人の人が同じように、清涼飲料を飲もうとボタンを押している。そのそれぞれはどんな人たちだろう。何を飲もうとしているのだろう。自動販売機の前に立ってなお、自分ひとりじゃないんだ、って感じる。ちょっといいなあ、と思います。

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