小橋 昭彦 2004年2月26日

 恋とは不思議なものだ。相手への思いやりが肉体的な痛みを和らげるかというと、そういうものでもないらしい。ドイツの神経科学者の調査によると、慢性の腰痛に苦しんでいる人の場合、配偶者に優しく扱われてきた人は、冷たく扱われてきた人より、3倍の痛みを経験するという。さすってくれたりお茶をいれてくれたりしてきた経験から、痛みと報酬をむすびつけてしまっているためとか。
 もっとも、冷たく接すればいいというわけでもない。離婚を予想する方程式というのがあって、これによれば、会話において冷淡な態度をとる夫婦は、離婚の可能性が高まる。この方程式、10年がかりで700組のカップルを対象に調査した結果編み出されたものだ。将来の離婚の可能性を、94%の確率であてることができるという。
 計測に参加する夫婦は、性生活や育児、金銭問題など、議論の起こりやすいテーマを網羅した会話を15分間行う。そこでの互いのしぐさや言葉を観察して数値的に評価、合計スコアを方程式に放り込めば、離婚の可能性が導き出される。観察時にプラスに数えられる反応は、思いやりのある声の調子や笑顔が1点、手を握るなど愛情を示すしぐさが3点、冗談を口にしたら2点など。マイナスに評価されるのは、相手が話しているときに目を泳がせるたり、非難したりすればマイナス1点、あざけるような態度をとればマイナス3点など。
 この研究を行った学者グループの一人ゴットマン博士は、自分のパートナーのことをどれだけ知っているかを測る22の質問も提供している。試しにやってみる。相手の一番の友だちを知っているか。パートナーの人生の夢を説明できるか。離れているとき、よく思い出しているか。それぞれにチェックしながら、ふと、恋を深めるのは数字ではないと、あらためて思う。設問を読みチェックする、その一瞬にはさまる思いこそ、問われている。

9 thoughts on “恋の方程式

  1. パートナーを知ってるかチェックは、英語ですが「How Well Do You Know Your Partner?」からどうぞ。その「Gottman」と「James D. Murray」による離婚を予想する方程式は「Scientists devise formula for happy marriage Equation predicts bliss」に解説があります。「Mathematician predicts divorce by the numbers」も参考に。なお、冒頭に述べた腰痛研究は、「やさしい妻や夫は腰痛を3倍増」でレポートされています。それから、恋を続かせる工夫については、別の研究を「カップルのゆくえ」として以前にコラムでとりあげたことがあります。

  2. この研究を行った学者グループの一人ゴットマン博士は、自分のパートナーのことをどれだけ知っているかを測る22の質問も提供している。

    とあります22の質問を教えて下さい。

  3. こういった事にも公式があるとは、びっくりしました。

  4. 「How Well Do You Know Your Partner?」やってみました。なかなか考えさせられますねぇ。良い機会になりました(^-^)
    #英語力不足により質問の意図が不明瞭なものもありましたが、、。

  5. 「How Well…」をやってみました。何とか合格点になりました。しかし、「妻の人生の夢を知っているか?」という設問を読むまで、妻に、そのように問いかけたことがありませんでした。反省しました。深く理解しあうための良いきっかけになったと思います。

  6. 22の質問を試してみて、ん0なんかちょっと違うかな0、と思い
    もう一度コラムを読み返してみて合点がいきました.
    最後の二行が本題でしたね.
    非常に具体的かつ新鮮なアプローチが示されている質問ですが、
    実はいくつyesかが問題ではなくて、答えに関わらずそこに今一度
    思いを馳せることこそがお互いのrelationshipを深めることに
    繋がるのだろうと思います.
    ”パートナーとの関係において他人にジマンできるコトの数”
    とのテーマで考えてみても面白いかもしれませんね.

  7. これを読みながら、片思いのサッカー少年のあの人のことを思い出しました。文中にあった「22の質問」、ぜひやってみたいと思いました。ページ上では公開できないのでしょうか?ぜひご検討を。

  8. 吉田さん、O.N.さん、ありがとうございます。

    22の質問というのは、最初のコメントで紹介している英語サイトにあります。翻訳してこちらに掲載するのは著作権上できませんので、申し訳ないですが、リンクをたどってやってみてください。すみません。

  9. 質問のサイトですが、Exciteテキスト翻訳サイトでWEBごと翻訳してみたら如何でしょう?
     やってみましたが、おかしいところは数カ所あったものの語意は伝わりました。
     私はもうちょっと相方を知らなければならないなと思いました。

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