子どもが熱を出して、耳式体温計のお世話になっている。わずか1秒で測れるので大助かり。登場したのが4年ほど前で、便利さから市場は拡大、昨年は170万台を販売したとか。体温計の年間販売数が約700万台だから、4つに1つが耳式になった計算だ。
なぜ1秒で測れるのだろう。そんな疑問がわく。その前に、そもそも「体温」ってなんだ。おでこに手をあてたり、わきで測っていた時代の人間としては体表をイメージするけれど、実際には脳や内臓など身体の深部の温度を意味するとか。
耳式は、鼓膜から出る赤外線を測っている。鼓膜のすぐ内側には脳の動脈が通っているから、脳の温度がより正確に反映されるわけだ。もっとも、うまく鼓膜に向けないと、耳垢の温度を測りかねない。
ちなみに、世界初の体温計はイタリアのサントリオが作ったそうだ。ガリレオの温度計に触発され、1609年に考案。この人、計測にこだわる人だったようで、自分の体重、食事後の変化、糞尿の重量などを三十年にわたって記録、排泄物の重さが、摂取した食事の量より少ないことを確認したりもしている。
もっとも、当時は沸点が発見されていないので、目盛りは温度計によって違っていた。病気と体温が関係付けられたのもずいぶん後で、1858年になってようやくドイツの医学者が病気によって熱型が違うことを報告。以後、病気の診断に体温測定が不可欠になる。
39度を超えていた子どもの熱も、翌朝にはさがった。寝床で頭に手をあてて、熱さのひいていることにほっと息をつく。耳式の前にまず手をあてる、親心である。
体温計については「今日のカンファレンス」にコンパクトにまとめられています。また、「医療の歴史」のサントリオの項もご参考に。
>耳式の前にまず手をあてる、親心である。
前日の『療法』続きで、『手当て』って言葉はこの動作が元となっている言葉で、それなりの効果もある療法だそうですね。
耳式は確かに便利ですが、病院で体温を測る時は相変わらず水銀のもの多い。というか耳式に出会ったことがないのは僕だけですか。
耳式は確かに便利ですが、何日か続けて使っていると、耳孔が荒れることがあります。おかげでつい先日、内耳炎を起こし、耳鼻科のお世話になりました。起きぬけの朦朧とした意識の中、自分で耳式をつかみ、耳孔にてきとーにいれていたため、プラスチックカバー部分が内耳に「がしっ」と傷をつけたようです。。。反省し、今はおとなしく水銀式を使っています。
遼太朗くん、よくなって良かったですね。
うちの16歳の息子も一昨日39.5度の熱を出しました。
小学生時代以来、久々に受診した医師は頑固な水銀
派、「電子体温計なんかあてにならん」と仰います。
でも、成長した息子の姿に上機嫌で、高熱でふらふら
なのにそれは嬉しそうに診察して下さいました。母親
の私も、抵抗する力のないのをいいことに、チャンス
とばかり触りまくり。熱の功名でした。