小橋 昭彦 2000年12月29日

 日が暮れたら東を向いて空を見上げてみよう。明るい星が目に入るだろう。右上にあるのが土星、左下は木星。その隣が、おうし座のアルデバラン。60年前、サンテグジュペリもこの星空を眺めていたかもしれない。『星の王子さま』の挿絵にある星の並びが、ちょうど同じなのだ(朝日12月3日)。
 3つの星がこの並びになるのは60年に1度。サンテグジュペリが『星の王子さま』を書いたとされるのは1942年から43年のことだから、ちょうど時期はあう。そういえば天文少年だったぼく自身、絵本の背景の星空にもつい星座を探してしまう。星座に造詣が深かったサンテグジュペリが星空の絵にこだわったとしてもなんだか納得できるのだ。
 サンテグジュペリといえば、彼の飛行機の残骸が見つかったと報道されたのが今年の5月。1944年に連合軍の偵察飛行士としてコルシカ島を出発後、消息を絶っていた。マルセイユ沖、深さ100メートルの海底で発見された残骸は、そのとき搭乗していたライトニングP38改造機と同型。もっとも引き揚げて確認することには遺族が反対したともあった。
 なんだかね、遺族の気持ちもわかるんだ。残骸を確認したってしかたない、夜空に、星の王子さまを想像するほうがいいよね。そう、いちばんかんじんなものは、目では見えないんだから。

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5 thoughts on “星の王子さまの星空

  1. あ・・機体の型番照合結果出たみたいです。やはりサンテックスのP-38だったそうです。
    ・・・サンテックス。不時着してしばらく漂流していたのだとしたら、なに考えてたのだろう。

  2. 今も、この世界を見つめているなら何を思っているだろう。戦争は相変わらず、人もまた相変わらず。私は残骸が見つかってほしくなかった。見つからなければ、サンテックスが今もどこかにいる、そう思えるからだ。今もまた、世界を飛んでいるのだろうか。魂となって。

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