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ちょっと知的な雑学&トリビア

ひとまね

2001年5月29日 【コラム
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 食器を洗っていると、踏み台を持ってきて自分もやるといって、台所を泡だらけにする。掃除機を動かしていると、お掃除するといって親から掃除機を奪う。といっても電気は切っているので、ただ掃除機を床にぶつけているだけ。
 子どもというのは本来はおてつだいが大好きなんだなあと、3歳になったばかりの息子を見ていると思う。最近ではずいぶんお皿の洗い方、片付け方もうまくなったし、掃除機の動かし方もうまくなった。泡だらけになるから、掃除機が壊れるからと触ることを禁じていたら、お手伝いなんてしない子になっていたかもしれない。
 文字や数字を使いこなすことで知られるチンパンジー、アイの息子アユムが1歳を超えた。ずっと母親の腕に抱かれつつその勉強に参加してきたアユムは、約10カ月齢のとき、自ら「問題ください」を意味する白い丸に手を触れ、画面に出てきた「茶」の文字を触れると、出てきた選択肢の中から正しく茶色の四角形を選んだという。母親の様子をただじっとみていただけで、覚えたのだ。
 西アフリカのボッソウに棲む野生のチンパンジーは、石器など多様な道具を使うことで知られている。その作り方や使い方を学ぶのも、親や大人のようすをじっくり見ることにはじまる。
 アイとアユムの世話をしている京都大学霊長類研究所の松沢哲郎教授が、チンパンジーの教育の基本をこう記している。親が正しい手本を示すこと、そして子どもからの自主的な働きかけをいつも寛容に受け止めること。それはこの3年、ぼくが子育てを通じてずっと感じてきたことでもあった。
 ヒトの子どもとチンパンジーをいっしょにすることは失礼だろうか。いや、地球に生きる友人として、どこかに共通の何かが、やはりあるのだろう。

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4 comments to...
“ひとまね”
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小橋昭彦

アイについては、「京都大学霊長類研究所」及びその「チンパンジーアイのホームページ」をどうぞ。


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小橋昭彦

今日の没ネタ。不思議のアリスのモデルとなったアリス・リドルの写真が競売に(日経4月21日)。


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hanachan

親が手本をしめすこと、子供からの働きかけを寛容に受け止めること。この二つの難しさよ!
基本であることはわかってはいるのですが・・・・・。

それでも、最近の事件報道に多い「すぐキレる」若者たちは、そういう育てられ方をされてこなかったというだけでは説明のつかない怖さを感じます。なにか、戦後の日本という国に起こったことの結果が出つつあるように感じるのは、私の考えすぎなのでしょうか?


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nuts

親が手本を・・・といっても父親の場合子供と接する時間が短いから、子供達は手本を見る機会が少ないのかなって思います。

実際に自分も父親は小学校頃から15年くらい単身赴任でしたから、顔を会わす機会も少なかったし、会話するテーマさえなかった。

親が積極的に子供と過ごそう。子供と一緒にいる時間を増やそう。って行動しないとだめかも。

今の自分はどうだろう・・・・今日は早くかえろかな。




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 待ち合わせがあるので手早くすませようということで、昼食はパスタの店に。ペペロンチーノ評論家を自称する友人はにんにくのたっぷり入ったそれを、ぼくは具にほうれん草を利用し、ポパイの名がつくその日のおすすめを注文。フォークに麺をからませつつ、ナポリタンってずっとみないな、なんてふと思う。 子どものころ、スパゲティといえばナポリタンだった。10代も半ばを過ぎたころだったか、喫茶店でスパゲティに種類があるのを知って驚いたのだった。といっても地方都市のその喫茶店にあったのはナポリタンのほか、カルボナーラとミートソースだけだったのだけれど。 生協の商品説明に、ナポリタン・スパゲッティが日本生まれとあって納得する。ナポリタンという語は、トマトソースがイタリアからフランスにわたったのち、トマトソースを応用した料理をナポリタンと呼ぶようになったのが起源という。ナポリタン・スパゲッティはナポリに行っても食べられないのだ。本場の味を追求するパスタ専門店にナポリタンがなくてもしかたない。 考えてみれば、パスタという語も新しい。日本では昭和40(1965)年頃からようやく使われ始めた。それまでは「マカロニ」と呼ばれており、パスタメーカーが加盟する社団法人の名も全日本マカロニ協会だ。 そのマカロニ、もっとも古い史料として残るのは、1279年、ジェノバの公証人が作成した財産目録に「マカロニ一杯の樽」と記述されているものという。パスタはマルコ・ポーロが中国から持ち込んだという説も伝わるが、彼が中国から帰国したのは1295年。とすると史料のほうが古く、少なくとも彼が持ち帰ったのがパスタの始まりということはない。 家族と出かけた近くのレストランでお子様ランチを頼む。ハンバーグやエビフライ、その横に、赤い麺。まぎれもない、ぼくにとっての「ナポリタン」。案外、子どもにとってのパスタはじめは、いまもナポリタンなのかもしれないな。

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 2000年における日本の喫煙者率は男性が53.5%、女性が13.7%となっている。男性は微減、女性は横ばいというのがこのところの傾向。人口にすると、およそ3313万人が喫煙していることになる。 たばこの販売数量は年間3245億本。微増微減しながらも、ほぼ横ばいで、うち、外国産のシェアが伸びているのが特徴。2000年はついに4本に1本が外国産になった。販売本数を喫煙人口で割ると、ひとりあたり1日およそ27本を吸っている計算になる。そんなものなのだろうか。 このところの特徴は若年層や若い女性の喫煙率が上がっていることなのだけれど、高校3年生では、毎日吸っているという回答が男性で4人に1人、女性でも7.1%あるという。世界銀行の推計では、毎日世界で10万人弱の若者が喫煙を開始しているとか。 たばこが関連する死亡者数は、WHOの推計によると、年間世界で300万人強、日本では10万人弱とされている。さいきんは禁煙に取り組む人も増えてきたようだけれど、なかにはいったん止めたもののまた吸い始め、意志が弱いから、と嘆いている人もあるかもしれない。 ただ、米テキサス大学がん研究所のポール・シンシリピニ博士らの研究によると、脳内の神経伝達物質ドーパミンを受け入れるDRD2という遺伝子のうち、両親からそろってA2という型を授かった人は禁煙に成功しやすかったのに対し、どちらかからでもA1という型を受け継いだ人は、ふたたび吸い始める傾向が見られたとか。 禁煙失敗も遺伝子が関係している可能性があるわけで、さてこの結果に、おれの意志がが弱いんじゃなく遺伝子のせいだ、とほっとするか、おれも遺伝子に支配されているとちょっと悲しい気持ちになるか、あなたは。

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