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ちょっと知的な雑学&トリビア

お母さんが聞いていてあげると子どもはもっと賢くなる

2008年1月24日 【雑学なメモ
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Vanderbilt News Service
The researchers found that explaining the answer to themselves and to their moms improved the children’s ability to solve similar problems later, and that explaining the answer to their moms helped them solve more difficult problems.

同じ問題を解くのでも、その回答をお母さんに語って聞いてもらう経験をすると、より上達する。
誰かに聞いてもらえているとか、ほめてもらえるとか、自分が認めてもらっていると感じることは、人の成長にとって欠かせないのだろう。これはたぶん、大人になってもそうだろうね。

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 たとえば糖尿病は、環境要因だけで発病するものではない。発病に関与する遺伝子を持っていることが前提とされる。
 じゃあ、なぜそんな遺伝子を人類は持っているのか。
 それを問うのが、本書の副題だ。ダーウィン進化論に基づくなら、生きることに対して不利に働く遺伝子は淘汰されるはず。なのになぜ、病気の遺伝子は淘汰されていないのか。
 考えてみれば不思議。
 糖尿病に関して言えば、実は、今より冷えていたかつての地球が関係している。
 人間の身体の大半は水でできているのは知っているよね。では、寒い地上に生きるにあたって、凍死しないようにするにはどうすればいい?
 海水が凍る温度は知ってる? 零度ではなく、マイナス2.2度だ。塩分が含まれていることで、氷の結晶が作られるのを防いでいる。
 もう分かったかな。人間の場合でも、同じ戦略をとるのだ。具体的には、糖分濃度を高め、糖を不凍剤として利用する。体内の糖度が高いほうが、寒い地上では生き残りやすいのだ。
 その後地球が温かくなって、糖分濃度を高く保つ遺伝子の役割はなくなった。でも、地球が温かくなってからの時間は、糖尿病遺伝子が淘汰されるほどには、長くないのだ。
 ちなみに、寒くなるとおしっこをしたくなるのも、同じ原理。水分を体外に出して、糖分濃度を高めるように、人間の身体はできている。(もちろん汗にならないというのが直接的な原因ではあるだろうけれど。)
 これは知らなかった。冷えるとおしっこをしたくなるのが、そんな太古からの進化の結果だったなんて。
 以前のコラムで「進化医学」をとりあげたときにも書いたけれど、ぼくたちは今あるこの身体を、あまりに短い視点で眺めすぎている。
 「生命の視点」ではなく、「文明の視点」に立ちすぎているのだ。
 ちょっと例えてみようか。
 人類といわず、現生人類であるホモ・サピエンスに限ってもいい。仮にホモ・サピエンスが誕生したのを1月1日とするなら、四大文明と呼ばれるものが生まれたのはようやくクリスマス・イブを迎える頃。
 それなのにぼくたちは、1年の最後の1週間を暮らしただけで、1年全体を見通した気になっている。ぼくたちの身体は、お正月からイブまでの350日間の積み重ねの上にあるのに。
 生命の視点とは、そういうこと。
 本書は、そんな雄大な視点をぼくたちに与えてくれる。
 もうひとつ、教えてくれるのが、ぼくたちが生きる生態系の複雑さ、巧妙さだ。
 たとえばギョウチュウ。ギョウチュウを持つ子どもはお尻を掻く。お尻付近に卵を産みつけられるからだ。子どもがそれを掻き、卵はツメの間に入り込み、それが家具などにつく。その家具を触った別の子どもが指をすうことで、ギョウチュウは別の宿主に入る。
 なんともよくできたサイクルだ。
 いや、ギョウチュウばかりじゃない。いい共生も多い。むしろ共生なくしてヒトはいない。
 ぼくたちの身体を成り立たせている「よそ者」は100種類を超えるという。重さにして1キロ半、数にして10兆から100兆、遺伝物質となると、ぼくたち人間そのもののゲノムの100倍にもなる。
 進化の上でも、「よそ者」の影響は大きい。つい最近も「ウィルス由来の胎盤遺伝子」というメモをとったところだ。
 世界の海にいるウィルスは莫大だ。その遺伝子コードをずらりと一列に並べたら、1000万光年もの長さになるという。おまけにそれらのほとんどが毎日次の世代を産んでいるのだから。
 ウィルスというと悪者扱いしがちだが、これからも人類は、これらウィルスから、進化の上での恩恵もまた受けていくことだろう。
 エピジェネティックス(後成遺伝学)の話もおもしろい。
 これは要するに、仮に何らかの遺伝を受け継いでいたとしても、それをオンにするかオフにするかは、生まれてからの環境に左右されるんだよという話だ。
 たとえば妊娠1週目の妊婦がジャンクフードばかり食べていると、胚には、これから生まれる世界は栄養事情が悪いという信号が流れる。それがエピジェネティックな影響を与え、さまざまな遺伝子をオンにしたりオフにしたりして、少ない食料で生きられる体の小さな赤ん坊を作る。
 ところが、実際に生まれて見るとどうだ。なるほど栄養事情は悪いけれど、食べ物は豊富でやたらとカロリーが高い。こうして小児肥満が広がる。
 本書には、寒いときのおしっこからギョウチュウ、ジャンクフードの影響まで、誰かに話したくなるトリビアな知識も豊富だ。
 その上で、シャロン・モアレムは、何万年もの歴史の上での現在という、雄大なサイエンスを語っている。なんて楽しくぜいたくな読書経験か。

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