ざつがく・どっと・こむ
ちょっと知的な雑学&トリビア

NEO

2001年3月23日 【コラム
Share...Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

 いん石の衝突による気候大変動が原因とされる約6500万年前の恐竜絶滅。生物の絶滅はそれだけではなく、2億5000年前にも起こっている。海洋生物の90%、陸上動物の70%が滅んだとされる、史上最大のもの。この原因もいん石だったと、米ワシントン大やNASAの研究チームが発表した(神戸2月23日)。
 まだひとかたまりになったパンゲア大陸の面影が残っていた頃のことゆえ、落下の位置は不明。それでも、兵庫県篠山市などの地層から見つかった地層のヘリウム3の量から、直径6キロから12キロのいん石と推定されるという。
 地球に衝突する可能性のある小天体をNEO(Near-Earth Objects)という。その検出を専門にする望遠鏡が開発され、毎年多くのNEOが発見されている。スペースガード財団が設立され、研究や検出を行うようにもなった。恐竜絶滅クラスのいん石衝突の可能性は5000万年に1度、地球規模の影響を与える直径1キロ級以上のものだと50万年に1度だという。
 重さ130トンの人口天体が、今日地球に落下する予定となっている。老朽化した宇宙ステーション「ミール」。それが日本に住む人にあたる可能性は、1億分の1以下だとか。制御不能になる確率100分の2か3、落下可能性のある面積のうち日本は1000分の1、人にあたる確率は1万分の3。これらのかけあわせ。つまりはいん石落下による大絶滅より可能性は低いようだ。
 予定通り南の海に沈むことを祈りつつ、ふと、いまこのとき、この場所に自分が生きていることの得がたさを思う。ミールにしてみれば、ぼくたちは1億回試みても会えないかもしれない存在なのだ。

Share...Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

5 comments to...
“NEO”
Avatar
小橋

NEOについては、まず「日本スペースガード協会」をどうぞ。世界規模のそれは「The Spaceguard Central Node」から。NASA関連のサイトから「NEAR-EARTH ASTEROID TRACKING」と「Potentially Hazardous Asteroids」「Asteroid Comet Impact Hazards」を。日本のNASDAによる解説は「スペースガード」を。「Minor Planets at 366」「NeoDyS」も有益です。また、今回の発見をしたLuann Becker博士に関するニュースは、「Astrobiology: Latest News」「Apocalypse Then」をご参照ください。発表されたのは「サイエンス2001年3月21日付」です。ミールの落下については、可能性計算含め、「ミール関連情報」をどうぞ。


Avatar
小橋

今日の没ネタ。超音速飛行一番乗り、ドイツの軍人が自分だったと(日経2月22日)。112年前の絵葉書到来(朝日2月24日)。死生観に日米差(朝日2月19日)。耐震技術の進歩でビル設計に自由度(日経2月18日)。法隆寺五重塔の心柱建立100年前のもの(朝日2月21日)。


Avatar
小橋

うーむ、人口天体。まさかね。人工天体です。ごめんなさい。
>重さ130トンの人口天体が、今日地球に落下する予定となっている。


Avatar
Mr.K

>それが日本に住む人にあたる可能性は、1億分の1以下だとか。
という事は、日本の人口が1億数千万人ですから、1人は当たるのでしょうか?
そういう確率ではないですね。(笑
私は四国に住んでいますので、順調にいけば
2時頃に上空を飛んでいるそうですが、
赤く光って見えるのでしょうか?
少し楽しみです。


Avatar
小橋

はい、日本に住む誰かにあたる確率っていうことですね。なんとか南の島の人も含め、みんな無事だったようですが、魚にもあたらなかったかなあ。




required



required - won't be displayed


Your Comment:

 オハイオ州立大のグループが、米科学振興協会の総会で、アフリカ最高峰キリマンジャロの雪が15年後には無くなるという予測を発表した。温暖化の影響によるものだ(朝日2月19日)。同じ影響はチベット高原やペルーのアンデス山脈の氷河や冠雪にも現れるという。氷河の後退などが起こると、太陽光を吸収しやすくなるため、気候もおおきく変動する。 地球温暖化の影響については、各国の科学者らが構成するIPCCの作業部会でも、2100年までに世界の海面水位は9センチから88センチ上昇するとしている。仮に50センチ上昇すると、日本では1412平方キロメートルが海面下に沈み、290万人が移住を余儀なくされることになるとか。 世の中は広がっていくものだと単純に信じていた高校生の頃、ネビル・シュートの『渚にて』を読んで衝撃を受けたのを思い出す。映画もリメイクされたのでご存知の方も多いだろう、核戦争後、迫る放射能を逃れオーストラリアに生きる人々。世界は狭くなるのだ、という気づき。そういう視点で周囲を眺めると、一大事のように思えていた大学受験がなんだかちっぽけに思え、だけどそんななにげない毎日がいとおしく、明日滅びるかもしれないのなら今をせいぜいしっかりやるか、なんて思ったりした。 発展するばかりが文明じゃないし、拡大するばかりが経済じゃない。温暖化の世に、若い日の青臭い決意を思い出しつつ、その青臭さも悪くないな、なんて世の中を眺めている。

前の記事

 古代世界七不思議のひとつにあげられるギリシア・ロードス島の太陽神ヘリオスの立像は、港の入口に建てられており、灯台の役目も持っていたと言われる。同じく七不思議のひとつに数えられることもあるのが、アレクサンドリアのファロス灯台。高さ100メートル以上、50キロ以上先まで照らしていたとも言われる。 これらの建造年代がいずれも紀元前250年から300年頃とされるように、灯台の起源は古い。日本では7世紀半ばに防人(さきもり)が外敵を知らせるための施設として作ったのが初めといわれ、これが遣唐使船の目印として重宝された。 近代の洋式灯台のはじめは明治元(1868)年に建造された観音埼(かんのんざき)灯台。その竣工を記念して、11月1日は灯台記念日とされている。 ちなみに灯台の光だけれど、灯質といってそれぞれの灯台で違っている。隣り合った港で同じ光の灯台があると事故につながるからだ。フィルターを利用して色を変え、点滅のバリエーションを加える。日本最北端の宗谷岬灯台の場合だと「群閃白光、毎15秒をへだて15秒間に4閃光」といった次第。 現存する日本最古の灯台、神子本島(みこもとじま)灯台の付属施設が、1870年の建設当初の姿に復元されて保存されることになった(日経2月23日)。日本の灯台の父とも言われるリチャード・ヘンリー・ブラントンが建設した灯台だ。彼の手になるおよそ30基の灯台のほぼ半数は現存し、観光地利用などの期待を背負うものも多い。過去はただ過ぎ去った時間ではなく、ときに未来を照らし出すこともある。

次の記事