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ちょっと知的な雑学&トリビア

文字を覚える脳の位置

2004年5月20日 【雑学なメモ
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・文字の習得に「文字中枢」
http://www.jst.go.jp/pr/info/info53/index.html
大人でも一夜漬けで脳が活性化。

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 河川の延長一覧でも、都市の人口一覧でも、原価一覧でもいい、手元に数字の一覧があれば、その中でどのくらいが1から始まっているか確認してほしい。おおくの場合、1が最初の桁となっている数字が3割前後を占める。発見者の名をとってベンフォードの法則と呼ばれる現象だ。 手元で確認したなかから例を出すと、日本の百名山のうち35の標高が1からはじまっているし、東京都内の主要地方道の4割が1から始まっている。1990年以降における大学入試センターの数学問題を調べたところ、正答の4割が1から始まっていたという調査もある。答えにつまったとき、単に鉛筆を転がすより、まず最初の桁に1を記入する方がよいことになる。 入試センターの裏技としては、ルートの中に数字をひとつ入れる場合は3が正解である確率が高い、4択や5択の問題では両端が正解になる確率は低いなども知られている。不思議なことではあるけれど、世の中とはそういうもののようで、起こりやすいことは起こりやすく、起こりにくいことは起こりにくい。 言語ではジップの法則というのが知られている。英語の場合、もっともよく使われる単語の出現頻度を1とすると、2番目はその2分の1、3番目は3分の1と、グラフにすればちょうど右下がりの直線になる。傾きは多少変わってくるけれど、同様のグラフはほかでも見られる。地震の大きさと発生頻度、論文の数と引用回数、都市の数と人口規模、戦争の数と死亡者数。新しいところではウェブページのアクセス数でも話題になった。 右下がりのグラフといえば、1/fの風として扇風機で話題になった「ゆらぎ」もそうだ。心拍間隔やホタルの光など自然に見られる「ゆらぎ」。神秘主義に陥る必要はないし、個人の自由意思が縛られるわけではない。ただ、疲れたときは、こんな現象を思い出して、世の中にはそんな大きな流れもあるんだって、肩の力を抜いている。

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 かつて働いていた会社では、案件ごとに7桁の受注ナンバーがふられていた。新入社員時代、社内電話で伝えているとき、上司に「3桁、4桁に区切って伝えた方がいい」と注意された思い出がある。今にして思えば、それは7桁という短期記憶ぎりぎりの数字を確実に伝えるためにチャンク化するというアドバイスであったのだ。 心理学者ミラーが発見した、人間が一度に覚えられる数字は7個という「マジカルナンバー7」はよく知られている。プラスマイナス2個程度の増減はあるけれど、短期的に覚えられる容量はおおむね誰でもこのくらいらしい。そこで、桁の多い数字を確実に覚えておくには、電話番号がハイフンで区切られているように、グループに分けるといい。これをチャンク化と呼んでいる。 曜日は7つ、音階もドレミファソラシと7つ。黒澤明『七人の侍』も、あれ以上人物が多ければ名画として残ったかどうか。チンパンジーでも5つあまり覚えられるといい、7プラスマイナス2という数字は意味ありげではある。ただ、手話ではそこまで覚えられないし、縮めた言い方ができる中国語はウェールズ語より多く覚えられたという実験もある。進化の上では視覚より聴覚が先に発達したので、覚えるには声に出すといいのだけれど、そうとすれば言語によって覚えられる数字に違いが出てもおかしくはない。 純粋に視覚での記憶量を調べた研究者チームによると、着色された点や傾きのある線をちらっと見せられたなかで、覚えていられる数は、だいたい3つか4つという。同様のテストをしつつ脳の活動を調べた研究グループによると、短期記憶を働かせようとしたとき、脳の後頭頂皮質中にある10円玉くらいの大きさの部分が活性化したという。はたしてここが脳における短期記憶を司っているのかどうか。いずれにせよ、短期記憶の容量はあんがい少なく、ぼくたちは手のひらに受ける雪片のように、せつな刹那を積み重ねている。

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