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葉が花に

2001年2月20日 【コラム
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 茎が葉になり、葉が花になる。植物はそうして進化してきたのだとされる。被子植物の生殖器官という花の定義に従うなら、花の起源は裸子植物から被子植物へと進化して後のことになる。これまで見つかっている最古の花の化石はおよそ1億4500万年前、中生代ジュラ紀後期のもの。
 進化の道筋では葉から花へと進化したものの、遺伝子操作ではこれまで花から葉にはできても、葉から花へは変えられなかった。花の形づくりには3つのグループに分類される遺伝子群がかかわることがわかっており、これらの働きをとめると花を葉に変化させることができたのだ。
 これら遺伝子群といっしょにはたらき、花づくりに関わる遺伝子をつきとめたのが岡山県生物科学総合研究所の後藤弘爾室長ら。SEP3と呼ばれる遺伝子を、花づくりの遺伝子群とともに葉でもはたらくように工夫してシロイヌナズナの種子に組み込むと、本来なら葉になる部分が白い花びらになり、雄しべもできた(朝日1月25日)。
 花。しょっぱなの「ハナ」と同じ語源で、鼻も同じ、つまりは先端にあること。韓国語でも「ひとつ」は「ハナ」だ。先端でいつつ美しくあることの、なんと貴いことだろう。

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3 comments to...
“葉が花に”
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小橋

花はなぜ咲くか。「生命誌1996年秋号」をご参考に。また、「日本植物分類学会」あたりもいいかも。それから、「池田博明『高校生物』のインターネット公開授業」は力作です。


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小橋

ちょっと追加しておこ。朝鮮の古語ではハナは、平たいところを意味する「場」と、出ることを意味する動詞の語幹「ナ」に分解される。だからハナは、「平たいところから突き出たもの」とでもいった語源。


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村田 尊彦

OH HANA フェステバルというのを 毎年、岸和田カンカンでやってます。この「HANA」も、花 と 統一という意味のハナと、それから沖縄方言の「ハナ」とを掛けています。
筆者は、都会という華を咲かせる、根や土の仕事の「卸売市場」花が花だけで咲くのはないからねー。仕事は根や土でも、りっぱな根や土でありたいと思います。




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 光速は一定だ、という言葉が一人歩きしちゃっているから勘違いしてしまうのだけれど、光の速度が一定だというのは真空中の話。物質の中を通るときは変化する。水に入るとき屈折するのはそのためだ。 光の速度は真空中ではおよそ秒速30万キロ。物質の中では、その物質を構成する原子と結びつき、「ポラリトン」という状態になる。電子系と光子系がエネルギー交換しているような、光とも物質ともつかない状態。こうして光の速度は遅くなる。 この光速を一瞬「止めた」のが、米ハーバード大の2つの研究チーム(日経1月22日)。ひとつのチームはセ氏零下273.15度近くに冷やしたナトリウムガスを、もうひとつのチームはセ氏70度から90度のルビジウムガスを使った。このガスにスイッチの役目をするレーザー光をあてたあと、光信号を入れる。光信号がガスの中に入りきった瞬間にスイッチ用レーザーを切ると、光信号はガスの中にとどまり、ふたたびレーザーをあてると元通りの信号となって出てきたという。ただし、この間わずか500から1000マイクロ秒。まさにほんの一瞬のできごとだ。 ボブ・ショウに「去りにし日々の光」という短編がある。光が通過するのに長時間を要する「スローガラス」をめぐる物語。何年も前に亡くなった人が写りこんだガラスを自宅にはめて思い出とともに生きる人など、心を揺さぶられる話だ。 光は、過ぎてゆくからこそ美しい。

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