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清潔志向

2002年6月06日 【コラム
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 いま、どこでコラムを読まれていますか。オフィスの机? だとすれば、少々覚悟のほどを。オフィスには予想以上に多くの細菌がいるそうだから。アリゾナ大学などの調査によると、1平方インチあたりの細菌数で、キーボードにはおよそ3300、マウスに1676、電話の受話器にいたっては2万5000の細菌が見つかったという。トイレの便座にはわずか49だから、オフィスはいわば細菌にとって楽園のようなもの。
 オフィスに衛生管理基準はないのか。大丈夫、日本では「事務所衛生基準規則」というのが定められており、気流や室温、照度や給水などの基準が示されている。これには男性用大便所は60人以内ごとに1個、小便所は30人以内ごとに1個、女性用便所は20人以内ごとに1個なんて決まりまである。
 とはいえ、各自の机をどこまで清潔に保つかまでは規定されておらず、利用者が気をつけるほかない。どうすればいいか。1日1回消毒シートで拭けば効き目抜群、と調査結果を発表しているサイトにある。調査のスポンサーは殺菌用品会社。やれやれ。
 それにしても抗菌・除菌ブーム。われわれはいつからこれほど清潔に気をつかうようになったのだろう。調べてみると、19世紀、ウールがドイツでブームになった背景に衛生志向があるという。グスタフ・イエーガー博士が1870年に発表した「健康文化」という論文が火付け役で、ウールは病原菌を防ぐ高機能繊維であると論じていた。のちにロンドンでイエーガー商会なる会社が設立され、衛生下着を売り出しているから、衛生志向が商売になるというのもこの頃からだったようだ。
 ともあれ、食事前にこのコラムを読んでいるみなさん、衛生下着や抗菌マウスもいいけど、食事に行く前に手を洗うくせをつけておきましょう。それが何より。

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4 comments to...
“清潔志向”
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小橋昭彦

くだんの調査については「Office Germ Study」をどうぞ。事務所衛生基準規則については「一覧表で見る『事務所衛生基準規則』」がわかりやすいです。「産業保健の歴史」「日本衛生材料工業連合会」「日本石鹸洗剤工業会」もご参考に。


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佐々木俊光

天然の蛍が観察できるのは、とてもうらやましく思います。
こちら茨城の筑波山の麓では、16、7年前に1度見かけはしましたが
その後1度もお目にかかっていません。
できましたら蛍の光の川をデジカメ写真でアップして頂けませんでしょうか?
撮影場所が特定できない写真で構いませんので。
ウィンドウズの壁紙に出来たらとても嬉しいです。
検討の程宜しく御願い致します。


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marusan

汚れていることに対する思いは育った頃の環境でしょうか、畑の土、ほこりや砂の香りやにおい味までもかんじるということはすでに身体で味わっているからでしょうか、
トイレよりキーボ”ドの方がよっぽど汚れている。信じられない。これも、トイレがどこよりも汚れていると思ってきたからでしょう。つまりは手が一番汚れているようです。
あまり菌が常に少ないと菌に対する抵抗力も少なくなるとも聞いたことがありますが。


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なっちゃん

はじめてお便りします。
いつも楽しく拝見しています。
最近の抗菌除菌ブームは、ちょっと異常のような気がしますし、神経質になり過ぎているような感じです。
その為、本来人間が持っているばい菌に対する抵抗力を弱めていると思います。
そして今まで考えられないような事で病気になっていると思います。
特に子ども達に対しては、「あまり清潔にしなさい」と言わないほうがいいような気がします。




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 映画『A.I.』に登場する歓楽の都ルージュシティの入口は、大きく開いた女性の口だった。今日はぼくたちもトンネルに入り、喉を滑り降りていこう。ただしこちらはリアルな人体の。 最初に到達するのは、もちろん胃袋。順天堂大学の坂井建雄教授の著書に、胃の役割は消化ではないとあって、長年の勘違いを正された。それじゃあ胃液の役割はなんだというと、殺菌と消毒。体温の37度という快適な環境のなかで細菌が増殖して腐敗が進まないようにしているのだ。胃を切除した人でも栄養の吸収に問題は無いわけで、つまるところ胃袋の役割は貯蔵所なのだという。 人間の場合、貯蔵所はひとつだ。いや、甘いもの用にもうひとつ持っているという人もいるだろう。好物を見ると脳の視床下部が刺激され、胃が収縮し腸に食べたものを送り出し、胃の上部に空間ができる。これがその「もうひとつ」の正体だ。牛じゃあるまいし、4つも胃袋があったりはしない。 送り出された食べ物と一緒に小腸に行ってみよう。ここは長い。およそ6メートル。小学生のころ読んだ科学書で「ぼくたちの身長よりずっと長い」とイラストがあって、こんなものが身体の中に納まっているのかとびっくりした。本当にびっくりした。だから、30年経った今になっても覚えている。どうやって納まっているかというと、ウェストを締めれば移動するように、あんがい適当なのだけれど、隙間なくみごとに納まっている。 小腸の次はおよそ1.5メートルの大腸。大腸には1日1.5リットルほどの水が流れ込むというけれど、これを吸収して形のあるウンコを作る。で、肛門から出て水洗で流されたり、最近は珍しいけど肥つぼに落ちてはね返りをお尻にかけたりする。 それはともかく、あなた自身が、トンネルを抜けてどこへ行くかは自由。このところ科学というと少し息づまりなニュアンスがあり、そうじゃなくあの、子どもの頃の「本当にびっくりした」感覚を思い出したいと、今日はトンネルの旅に出てみたのでした。

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 1980年、アルバレス親子が隕石の衝突が恐竜を滅ぼしたと発表したとき、信じる人は多くはなかった。最後に現れてものごとを解決するギリシャ悲劇の神よろしく、デウス・エクス・マキーナだと言われたりもした。数々の反論が隕石衝突説の裏づけを磨き、定説とされるようになったのはようやく90年代のこと。まだ10年になっていない。 隕石が落ちた場所はユカタン半島。隕石の直径は10キロメートル以上。秒速20キロから70キロで移動していたと推測されている。衝突は少なくとも直径170キロメートルのクレーターを作り、1000キロ離れた地点でさえ、地表が高さ数百メートル波打ったという。発生した津波の高さは100メートル、秒速500メートルで伝わっていった。 隕石衝突説の登場とその波紋を描いた書籍を読んでいて、アルバレス親子の父、ルイス・アルバレスが、原子爆弾開発チームのひとりであったことを知る。ノーベル賞も受賞した物理学者だ。広島への原爆投下を、上空の観測機から観測した人でもあった。 隕石衝突説が受け入れられるにあたっては、ふたつの論点が証明されなくてはなかった。ひとつは、6500万年前に実際に巨大隕石の衝突があったこと。こちらは、イリジウム調査を中心に確証が得られている。もうひとつは、隕石衝突が恐竜の絶滅に影響したこと。影響がなかったはずはないが、絶滅しなかった種もあることでもあり、こちらは論じる余地が残っている。 ルイス・アルバレスは、自説を補強するのに、核の威力を援用して隕石衝突の影響を説明することもできたはずだった。その後カール・セーガンが、核爆発が地球環境に影響を及ぼす「核の冬」という概念を訴えもしている。だが、彼はセーガンの論をひくこともなかったし、自分の経験に触れることもなかった。軽々しく口にできることではなかったのだろう。大量殺戮を上空から見るという稀有な経験。彼は、恐竜を滅亡させた巨大隕石を、どんな思いで重ねたか。1988年、論争が続くなか、彼はこの世を去った。

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