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子どもの期間

2001年12月12日 【コラム
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 子どもが生まれて3年と8カ月。来年からは幼稚園かと思っていたら、4月生まれの彼は、幼稚園にはまだあと1年あるのだった。小学校から中学校、その先へと想像するとまだ20年は「子ども時代」が続く。
 子ども時代がこれほど長い動物はほかにいない。ヒトの思春期は17歳頃まで続くわけだけれど、類人猿は12歳頃には親離れをする。親知らずのはえる年齢だって、20歳近いぼくたちに比べて、類人猿は11歳。じゃあ、いったいいつからぼくたちの思春期は長くなったのだろう。
 ロンドンのユニバーシティ・カレッジのクリストファー・ディーン教授らは、ホモ・エレクトゥスの歯を調べ、彼らは14歳から16歳で成熟したのではないかと指摘している。少なくとも、ぼくたちのごく初期の祖先には、それほど長い思春期はなかった。
 身体発達はともかく、そういえば日本でもかつては15歳頃に元服の儀式があったわけで、その日が「成人」の日。西洋をみれば、ゲルマンの諸部族では成年に達する年齢が低く、12歳から14歳ということもある。この背景には強固な親族組織があって成人後も本人を守れたことや、取引が単純であったことなどがあると指摘されている。人間の思春期が長くなったのは、社会が複雑になり、親になるために学ぶべきことが多くなったからと指摘する学者もいる。
 発達加速現象という言葉がある。性的成熟などの発達が前の世代より早期化している現象をいう。はやく発達し、だけど大人になりきれず、長い思春期をおくる子どもたち。ふと、かの文豪は未成年をどう描いていたかと気になって、本棚からドストエフスキーの『未成年』を探す。
 類焼後のどたばたもあって、残念ながら書籍は見つからない。並んだ本の間から、少年時代に読みふけった物語の数々がよみがえる。そして、きみは成人したか、と問いかけてくるのだった。

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4 comments to...
“子どもの期間”
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小橋昭彦

論文はNature414号628ページに掲載されています。「Growth processes in teeth distinguish modern humans from Homo erectus and earlier hominins」(無料登録必要)です。通過儀礼といえば「世界通過儀礼フェスティバル」なんてのもあるんですね。


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Isao SAGAWA

初めて、お便りします。
小生、子育ては既に終わっていますが、子育てについては、50%以上係って、楽しみながら、やりました。父親の義務として、権利として、やらねばならないと思っていました。仕事もですが、子育ては父親としてがんばってください。


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舟橋正浩

お久しぶりです。
最近、わたしも自宅で子育てSOHO状態ですが、そんな先々まで考えてなかったので、今日の「今日の雑学」は、ゆっくりものを考えるきっかけになりました。
親離れ子離れするころって、どんな世の中になってるんでしょうね。
お互い子育ても頑張りましょう。


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小橋昭彦

Isaoさん、ありがとうございます。毎日、楽しんでいます。仕事に疲れたら子どもと遊ぶ。わがままな親かも。

舟橋さん、お久しぶりです。そろそろ仕事との両立がよりたいへんな年齢になってきたのではないでしょうか。とはいえ、こういう時期はいましかないので、楽しまなくちゃではありますね。




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 野球のカーブやフォークが意識して曲げたり落としたりされるのに対して、ゴルフの初心者は、打ったボールが勝手に「曲がる」ことにとまどう。たとえば、右に曲がるスライス。クラブを外から内へ振りぬく、あるいはクラブ面が右に傾くのが原因。 ゴルフといえばボール表面の穴も、空気の流れを考えての設計。回転が強い場合は上下の空気の速度差を大きくして揚力を上げ、弱い場合はボールの後ろに回る空気を少なくしてボールを後ろに引っ張る力を落とし抵抗を少なくする。こうして飛距離が伸びる。 最近ではスキースーツやスイミングスーツにもくぼみがつけれられたりしているので、ご存知の方も多いことだろう。ぼくはゴルフもスキーもしないので、その恩恵に預かったことはない。スポーツが嫌いというより、広大な森林を切り開いて造成した土地が好きじゃないのだ。 ゴルフといえば、先日の朝日新聞にクラブを強く振ったために首の動脈がねじれ脳こうそくになる人が増えたと記事があった。タイガー・ウッズのように「飛ばす」ゴルファーが活躍していることから、無理して飛ばそうとしがちならしい。 肩の力を抜き、頭を動かさない。それが脳こうそくを防ぐ基本。せっかくだから、ボールと大気の呼吸や、地球が球をひきつける力についても想像をめぐらし、木々の声を聞いて、そのこずえをわたる風を思う。ゴルフのほんとうの楽しさはそこにあるのかな、と知らないながらかってに想像をめぐらせる。

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 仕事後のビールはうまい。ストレスがたまると苦みに対して鈍感になるそうで、それが苦いビールでも仕事後ならおいしく感じられる理由のひとつ。 苦いといえばコーヒーなどのカフェインも代表格。植物が苦い物質を生産しているのは、動物などの外敵に食べられないため。本来なら苦いから食べないとなるところを、苦みをたのしみつつ口にするわけだから、人間とは不思議なものだ。 塩味、甘み、酸味、苦みとうまみという5つの基本味の中では、ほかに酸味も本来は避けるべき味。食べものが腐敗していることを示す信号だからだ。大腸菌でさえ、酸っぱい物質からは逃げるという。それをもまた人間はたのしむ。 魚のなかには、もとの姿を知るとよく口にする気になったと思うものも少なくないが、基本味についても、人間はこれまでどんよくに「おいしい」と感じる幅を広げてきたようだ。味を数値化する味覚センサを開発している九州大学の都甲潔教授によれば、甘みに関しても、進化した生物ほどさまざまな種類を甘いと感じるようになるという。ミツバチは砂糖などの糖類は摂取するものの人口甘味料はとらない。バクテリアなどの単細胞生物になると、砂糖なども摂取しなくなる。 言葉遊びにはなるけれど、人類は舌を鍛えたおかげで、人生のあじわいもわかるようになったのかと想像したり。舌の鍛錬といえば、都甲教授が味覚の不思議を伝える食べものを紹介している。きゅうりにはちみつ、プリンにしょうゆ。どんな味になるか。正解は前者がメロン、後者はウニ。 さっそく台所に立ってためしてみる。結果? まあみなさんもやってください。ともあれ、昼下がりのキッチンの片隅で、人生は本質を見誤らないように賞味しなければと思ったことだった。

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