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眠り

2001年12月03日 【コラム
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 厚生労働省の「保健福祉動向調査」によると、日本人の睡眠時間は6時間台の人と7時間台の人がそれぞれ約3割となっており、8時間台が約2割で続いている。アインシュタインは10時間眠っていたといわれる一方、エジソンは3、4時間しか眠らなかったともいう。どちらがいいというものではなく、生まれつきそなわった素質らしい。
 ヒトにとって重要な睡眠時間は眠りはじめから3時間ほどだそうだから、その後のいわばおまけのような睡眠がどれだけあるかは人それぞれでいいのだろう。ただ、眠らなくていい人はない。水さえあれば断食はある程度続けられるけれど、断眠はそれほど長くは続けられない。眠らない世界記録は264時間。かなり辛かったことだろう。
 じゃあなんのために睡眠が必要かというと、これは主に脳のため。眠ったといっても人間のからだはあまり省エネにならないし、筋肉の疲れをとるのに意識をなくす必要はない。もっともたいせつなのは、脳をオーバーホールすること。魚類や両生類のように大脳が発達していない生物ではヒトのようなノンレム睡眠はない。ノンレム睡眠による深い眠りの間に、ヒトは脳細胞を修復しているわけだ。
 もっとも、脳全体が眠ってしまうと危機対応できないから、一部は起きている部分もある。イルカは極端で、眠り込むと呼吸をしに水面に上がれず窒息するから、脳を半分ずつ眠らせる。だから目を閉じるのも交互。起きている半分の脳で、泳ぎつづけるわけだ。
 ヒトもこれだったら、眠りこむことなく24時間が有効に使えそうだが、ヒトの脳はイルカのように左右が同じでなく、言語機能は主に左半球というように差があるから、そううまくはいかない。言葉が理解できない右半球だけ起きていても、できることってそう無いような。
 むしろ、窒息に悩むことなく、ゆったりと眠れることのしあわせを満喫しよう。

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4 comments to...
“眠り”
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小橋昭彦

睡眠については、「ヒトは脳のために眠るのだ!」「睡眠と夢のサイエンス」「眠りを考える」などが面白いです。厚生労働省の「保健福祉動向調査」もご参考に。


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松本秀人

最近思うんですが、眠りが脳にとってある種のデフラグだとすると、夢って“スクリーンセーバ”なんじゃないでしょうか(笑)


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小橋昭彦

それっておもしろいー。


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栗原悦子

お久しぶりです。決算でバタバタしておりましたので、なかなかコメントできませんでした。私は寝つきが悪い方です。8時間たっぷり寝るのが体調に良いのですが、結婚してからは平均506時間です。仕事を終えて帰宅し、主人の夕飯の支度、洗濯など家事をこなし、床につくのは大体夜中の1時か2時になってしまいます。特に現在は母が入院中で往復3時間かかりますので、どうしても睡眠時間が短くなってしまいます。適当に手抜きもしているのですが、睡眠時間5時間が続くと流石に辛いです。土日の休みに「寝溜め」をしていますが(笑)。ただ、忙しいので余計な事を考える暇が無く、動いていますから最近は床につくと直ぐ眠れるようになりました。松本さんのデフラグとスクリーンセーバの表現、とても良いですね。「表現大賞」をあげたいくらいです。




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 星の並びに神々の姿を見たり、火星に運河を見たり、ときには鯉の模様に人の顔を見たり。人は自然に作られたパターンに意味を見出しがちなもの。 たいていは勘違いで終わってしまうのだけれど、案外、そのうちいくつかはほんとうにそうとしか受けとれない模様になっていたりする。ポーランド科学アカデミーのカチンスキー、レガウィックというふたりの研究者が、実験によって、こうした自然のいたずらが実在することを確認した。 これは化学物質の混合物を利用して行ったもの。反応拡散系といって、皿の中に入れたゲル中を、異なる速度で拡散しつつ化学反応をおこす現象を利用した。皿の寸法を変えたり、特定の化学物質を加えたりしてさまざまに実験したところ、AからZまですべての文字ができたという。発表論文のスケッチを見ると、確かに、アルファベットにしか見えない文字が並ぶ。GやQのようなつきぬけるところがないのは愛敬だが、それも書体デザインの範囲内。新しいフォントとして提供してもいいんじゃないか。 もちろん、この実験がそのまま人面魚を説明するものではないけれど、自然はいたずらをするということが確かめられたのではある。世の中には、蝶の羽模様で数字やアルファベットすべて集めることも可能だそうで、宮古島の蝶園などで見かけることができる。 子どものころ、風邪をひいて寝込んだ午後、天井の木目にヒーローの顔を見たり動物の姿をたどったりしたものだった。団地の白い天井にそれは無い。実験レポートに目を通しつつ、子どもは天然木の天井の下で寝かせたいと、そんなことを思ったのだった。

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 居酒屋のメニューにハマチと書かれたあとにカッコしてカンパチとあり、あれ、同じ魚だっけ、とその場で一同混乱する。出世魚は名前が覚えられなくっていけない。関西ではワカナからハマチ、メジロ、ブリと成長するのが一般的呼称。関東ではワカナゴ、イナダ、ワラサ、ブリだそうだけれど、全国で100通りを超える呼び方があるというから異称も多い。とまれ、カンパチはブリ属ではあれ、違う種である。 途中はいろいろあるが、出世のあがりはどこもブリらしい。漢字で書くと鰤(ぶり)。日本で作られた漢字だが、寒ブリといわれるように、これからが旬。師走の字が入っているのはそのためか。 ちなみに、中国で「師魚」と書くと老魚の意味なので、そこから連想された漢字だという説もある。年経(ふ)りたる魚からブリという呼び名が出てきたとも。もっとも、ブリの語源にはあぶって食べるからブリだ、という説や、あぶらの多い魚だからブリという説もある。 その脂(あぶら)。12月から1月にかけて、日本海でとれる天然のブリの脂質含量は最高値となり、10%前後だという。これが、寒ブリのとろけるようなおいしさの秘密。もっとも、多ければいいというのでもなく、養殖ものは25から30%にもなるそうで、そうなると味が落ちる。 とまれ、刺身もいいが、この時期、大根と一緒に煮るブリ大根は絶品。カモがネギしょって来るなら、ブリが大根くわえてきてもいい。わが家の子どもも、親の皿からかすめとって食べている。東京出張のおり、同僚と居酒屋でブリ大根をつつきつつ、日々成長するきみを思い出している父親であった。

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