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ちょっと知的な雑学&トリビア

フェロモンの効果

2001年10月05日 【コラム
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 きのう香りについてのコラムを書きつつ、嗅覚でうけとる信号といえばフェロモンもそうだったな、と思い出す。
 フェロモンのはたらきについては、ファーブルの『昆虫記』にも登場している。ガの雄が遠くから雌にひかれて集まる現象。もっともそれが雌の分泌する信号によると実証されたのは1959年のことで、フェロモンという名前が付けられたのも同年のこと。
 ガの雌が放出するフェロモンはボンビコールと呼ばれているけれど、なんと数キロも離れたところにいる雄を引き寄せるそうで。空気1ミリリットルあたりわずか200分子の濃度で顕著なはたらきがみとめられるというから、さもありなん。
 昆虫だけではない、雌犬だって一キロ離れたところにいる雄犬を興奮させるというから、哺乳類にもフェロモンはある。そうなると人間はどうか気になるところだけれど、人間にもフェロモンがあることはわかっている。女性にみられるドミトリー(寮)効果がその事例。同室に住む女性の月経周期が重なるという現象だ。
 じゃあ男性をひきつける効果のほどはとなると、まだよくわかっていない。フェロモンにはなにも性フェロモンだけではなく、危険を仲間に知らせる警報フェロモンやアリがもっているような道しるべフェロモンなどもある。そんなのも人間にあるとよさそうだけれども。
 ともあれ、清潔に気をとられるあまり身体を洗いすぎてはフェロモン効果も薄れる。さいきん異性が寄ってこないななんて人は、振り返ってみるといいかもしれない。いや、だからって一週間風呂に入るなということじゃなく。

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6 comments to...
“フェロモンの効果”
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小橋昭彦

今日の没ネタ。富士山撮影のもっとも遠い記録更新、和歌山県・那智勝浦、322.9キロ先から(朝日9月18日)。


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屋形 彰男

人間にも確かにフェロモンがあります。
私は男ですから男もフェロモンを出すかは分かりませんが、個人固有の体臭はあるようで、それも最近は一番風呂に入ると入浴剤の香りも消えるほど「じじい臭い」と家族に言われています。
さて、女性では20歳台から30歳台のなかに5人にひとり位フェロモンをふりまいている人がいます。
それは香水や石鹸のような人工の香りではなくて体臭ですが、共通した匂いであることが特徴です。
オフィスで書類に目を通しているときその匂いを放つ女性社員が近くを通ると石部金吉でも、つい思考回路が中段されたものです。
フェロモンを放つ女性の割合が低いのは人類が「退化」の過程にあるのか、人工香料で折角天から授かったフェロモンを消しているのかも知れませんね。
しかし、通勤電車での痴漢対策にはフェロモンを洗い落とすことが必要な時代かも知れません。


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かわう。

嗅覚の話を聞いて、おいしいお店を見つけたりする人も、
鼻が利くなんて表現するなぁとつれづれなるまま思いつきました。

おいしいお店フェロモンとか会ったら、大繁盛なんだろうなぁ。


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栗原悦子

人間の恋愛にも臭いは重要な要素を占めていると思います。好きな異性の臭いと同じ体臭の異性が近づくと胸がドキドキした経験ありませんか?私の主人も時々「悦子の臭い好き」とか言ってます。自分ではどんな臭いか分かりません(香水はアレルギーがあるので使っていません)が、フェロモンでしょうか?


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小橋昭彦

あはは、悦子さんにのろけられちゃったみたい。確かに匂いって恋愛にも少なからぬ役割は果たしていますね。香水はそのためのものだろうし、本来。恋愛フェロモンの化学式が解明されたらおもしろいでしょうねえ。

ともあれ、参考サイト紹介を忘れていました。フェロモンに関係する話に触れられているものとして「昆虫の脳の研究者、神崎亮平氏インタビュー」がとってもおもしろいです。人間にもフェロモンがあるという発見については1998年のコラムで紹介したことがありますが、さらに詳しい「フェロモン(1998年10月7日)」を参照ください。フェロモンの種類については「フェロモンの種類とその利用」がよくまとまっています。


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栗原悦子

のろけるつもりは無かったのですが、失礼しました。「神崎良平氏のインタビュー」記事早速プリントアウトしました。小橋さん、ありがとう。知識が豊富になります。これからもよろしく(^o^)丿




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 古代エジプトの壁画にも香りを楽しむ姿が残されているから、人類は古くから香料と親しんできたことになる。香りの利用法にはフレーバーとフレグランスがあって、フレーバーといえば食品、フレグランスといえば化粧品に利用される。 食品に香りは欠かせない。いま手もとにあるソフトドリンクの成分表示をご覧になっても「香料」はおそらく含まれていることだろう。フルーツ系飲料はもちろん、お茶や炭酸系飲料だって。 この香り、フレーバリストと呼ばれる人たちが作っている。もちろん、最新の技術をつかえば、たとえばイチゴのにおいの化学成分を分析できたりはするんだけれど、かといってそれをそのままイチゴ飲料に使えるかというと、そうはいかない。 香りをつくる原料となる香料には植物性の天然香料だけでも1500種類、合成香料にいたっては5000種類にのぼるといわれている。通常取引されるのはあわせて1000種類くらいということだけれど、フレーバリストは、その1000種類それぞれの特徴、個性を把握し、商品イメージから適切な配合をしていくのが仕事だ。1000種類からなにかひとつを選ぶというのではなく、ひとつの飲料には平均で50種類の香料が使われるのだとか。 成分表示には、簡単に「香料」と記されているだけ。その向こうに、奥深い世界がある。

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 関連シリーズも含めて日本でもこれまで1000万個売れているという人生ゲーム。日本での発売は1968年。似たようなゲームにすごろくがあったものの、地形が立体的に表されたボードやサイコロじゃなくルーレットを回すところ、おもちゃのドル札をやりとりするところなど、ずいぶん新鮮だった。 米国での発売は1960年で、ミルトン・ブラッドレー社から。この会社、マサチューセッツ州で印刷業を営んでいたミルトン・ブラッドレーが、彼が考案したゲーム「The Checkered Game of Life」のヒットを契機に設立したもの。「The Game of Life」は、その発売から100周年を記念して作られたものだった。 1860年のゲームは、名前の通りチェッカーボード上に人生に起こるさまざまな出来事を記している。「善行のマス」と「悪行のマス」があって、善行を積んでいけばより多くポイントを稼げる。聖書の教えに従って悪行を戒め善行を奨励する、敬虔なピューリタンだった彼ならではの内容だった。 100年後の人生ゲームは、黄金の60年代らしく、「牧場のあとつぎになる」「高級車ロールスロイスを買う」などのコピーが並ぶ。日本版でも直訳されて出ているから、懐かしさを感じる人もいることだろう。 日本オリジナルのコピーが登場するのは1983年からで、「お世話になった人達にお歳暮をおくる」などが入るとともに、「デザイナー」などカタカナ職業が登場。通算4代目となる1990年発売版では「パソコン通信を始める」が登場したりもしている。 ちなみにミルトン・ブラッドレーだけど、最初はリンカーンの肖像画販売で儲けていたという。ちょうどリンカーンが大統領選挙に出たころ。もっともあごひげがなかったので、その後彼があごひげを蓄えたことがわかって、急激に人気を失ったのだとか。それにめげずに発売したのが「The Checkered Game of Life」だったわけ。失敗にめげず再挑戦する、彼自身が人生のなんたるかを教えてくれている。

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