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ちょっと知的な雑学&トリビア

西部劇

2001年9月27日 【コラム
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 風邪で横になりつつ、ちょっと無理してたから休めっていうことだろうなあ、なんて考えている。類焼にあったときも、田舎へUターンするときの荷物が減ってよかったと納得した。ものごとを前向きにとらえる性格らしい。
 中学生時代まではそうじゃなかった。というか、ものごとを客観的に判断するほど経験を重ねていなかったわけだけど。その頃、ジョージ・ロイ・ヒル監督の『明日に向かって撃て!』をみたのだった。このほど新しく出たDVDで見かえしていて、ぼくの前向きの姿勢っていうのはこの映画から教えてもらったのかもしれない、と気づいた。
 ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード演じる強盗たちの逃走を描いたこの作品のなかで、ふたりはたとえどんな窮地に追い込まれてもユーモアを忘れず、ウィットにとんだやりとりで笑わせてくれる。そして、じんと胸にせまるラストシーン。
 いまでも好きな映画をたずねられたら、この作品が必ずはいる。西部劇に新しい息吹を持ち込んだとして評価される傑作でもある。1969年の作品だから、あの1939年『駅馬車』から始まる西部劇黄金の20年間から遅れることさらに10年。古きよき西部へのノスタルジーを描いた作品といえるかもしれない。
 ノスタルジーといっても、もともと西部劇をアメリカの「時代劇」というには少々抵抗がある。アメリカ劇映画の元祖ともいわれる西部劇『大列車強盗』が発表されたのは1903年のこと、題材となったのは当時まだ生々しい現実としてあった強盗事件であり、つまり「現代劇」だったのだ。
 映画でもらった前向きの考え方は、続いて見た宮崎駿監督の『ルパン三世 カリオストロの城』で決定的になる。苦境でもウィットを忘れないルパンたち。これもまた好きな映画のひとつに必ずあげる作品だけど、なんだ、ぼくは似たような作品が好きだったんだなって昨日、布団の中で気づいた。
 その考え方は、たぶんコラムを書くときにもあらわれているのじゃないかとは思う。

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7 comments to...
“西部劇”
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小橋昭彦

西部劇については「WIDE WEST WEB」が充実。DVD『明日に向かって撃て!』『ルパン三世 カリオストロの城』はこちらで購入できます。ぜひご覧ください。西部劇黄金時代を開いた傑作『駅馬車』もDVDとなっています。


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千葉省吾

いいですね、『明日に向かって撃て!』。
『ルパン三世 カリオストロの城』も、両方とも好きです。
しかし、私は苦境にあって、楽観的でいられるような神経は持ち合わせていません。ただのサラリーマンですから、これでいいのです。落ち込むべきときには落ち込む。それでいい。サラリーマンだから。無法者とは違う。

あと個人的には、西部劇=時代劇であり、時代劇=現代劇だと思います。時代劇って、過去を忠実に再現してるものって、逆に少ないでしょう。時代劇=現代劇なんですよ。日本でも。


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CtoB

風邪をひくと人はセンチになるのでしょうか?
でも、「明日に向かって撃て」は私も大好きな作品です。
「カリオストロ…」は見ていないのですが、めげないとか前向きって大切なことだと思います。

早く風邪が治ることをお祈りしてます。
お大事に


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第三市民

人生を変えるほどの超大作ではありませんし、日本では劇場公開したかどうか怪しい米国製SF映画があります。
邦題は【第五惑星】、原題は[ENEMY]ではなかったか。

数ある異文化、異星人間戦争ものでもそのプロットと結末のつけ方は白眉です。

宇宙で戦闘中にある惑星に不時着した主人公は白人の地球人。敵は黒人風でイスラム教風の偉人の書(聖典)を片時も離さない異星人。
二人とも生き残るために協力したり、反発したり、異星人は聖典の読み方を地球人である主人公に教えます。
男性と思われたが妊娠していた異星人は、やがて自分の命と引き換えに子供を生んで死にます。
その遺言を主人公は果たします。
悠久の時を超えて綿麺と口述されてきたその異星人の家系を子供のために証明する・・・・という話です。

倒産したレンタル・ビデオ店の放出ビデオを持っています。テレビでも放映されたかもしれません。


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yanaik

そのときは、のんびりしましょう。


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小橋昭彦

第五惑星、劇場放映もされてましたよ。ぼく、観にいった覚えがあります。原作はバリー・ロングイヤーというSF作家の「わが友なる敵」という短編。賞もとっている佳品です。


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第三市民

>小橋昭彦様

第五惑星・・・・そうでしたか、賞もとっている、よかった、何故かほっとしました。
この映画の予告編をベルリンの駐留米軍向けテレビでちらっと見たんですが、
特殊な暗号解読器が必要で結局その番組は見ることができず、帰国してから
そのビデオを探し回って、邦題が分からなかったので中古ビデオ屋で見つけた
時はうれしくて、うれしくて、内容が更にうれしくて、うれしくて・・・・。

同時多発テロの解決もこんな風にできたらと、どこか繋がっているような気がします。




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Your Comment:

 子どもからもらった風邪で横になり、ぐらぐら揺れる天井を見つめているうち、魚ってどんな気持ちだろうなあ、なんて想像する。二次元にしばりつけられている人間に比べて、彼らは三次元空間を居住地にしている。 魚といってもさまざま。サメの交尾はずいぶん激しいそうで、雄が雌のひれやからだにかみつき、雌をおさえつけるようにして交接器を挿入する。ことのあとの雌は血の流れるかみ傷あとがくっきり。といって無理やりというわけではなく、そういうものらしい。まあ、種それぞれの好みもあろうから深くは立ち入らぬ。 話が妙な方向に進んだ。そうだ、魚だって、上下三次元移動できる魚ばかりではない。ハゼやカジカなどカナヅチも結構いるわけで。さて、そうなると天井は水面で、ぼくはさながら水底を這うハゼってとこか。 サケは大洋から生まれた川に戻ることで知られている。匂いをたよりにしているとはいうけれど、それだけで説明できるものでもなく、研究が続けられている。で、サケは単にふるさとに帰るだけかというと、ふるさとにとても大きな恩恵をもたらしてもいるという。 川の水は、陸の栄養分を含んで海へとそそいでいくわけだが、サケは、自身のからだにたんぱく質や脂肪、灰分やリンなどを含んで遡上することで、ふるさとに栄養を返しているのだ。平均体重2キログラムのサケが300万尾遡上すると、たんぱく質で1200トン、リンとして約15トンを供給することになるというから立派なものだ。 地球という大きな視点から見て役立つ何かを持ってふるさとに帰る。ぼくも近々ふるさとに遡上するつもりだけれど、なんだか身につまされることだなあ。 ああ、眠くなってきた。ふわふわ、からだ。

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 10月の頭に運動会があるらしく、隣の保育園からは毎日応援演奏の練習。窓から聞こえる保育園児の太鼓に合わせて、子どもにタンバリンをたたかせてみる。タン、タン、タタタ。なかなか上手なものだ。 父親ときたらリズム感がからっきしない。カラオケは嫌いなのだけど、音痴もさることながら歌い始めなどのリズムがとれないことが最たる理由。外国語だって、リズム感さえあればもう少しましにしゃべれたろうに。子どもがその轍を踏むことはないか。 オーケストラの指揮者ともなればリズム感はさすがに鋭いらしい。岩城宏之さんが、音楽学生のころ仲間と飲みに行って時間あて遊びをした話を書いていた。誰かの号令でスタートし、それぞれ1分と思うところで手をあげる。誤差0.5秒もないそうだ。これをリズム感というかどうかは微妙だけど、体内に確かなメトロノームがあるには違いない。 そういえばぼくたちにはクロックとよばれる遺伝子がある。これに異常があるマウスでは活動時間帯になっても体温上昇がゆるやかだといい、朝が苦手な夜型人間の場合も、この遺伝子が関係しているのではないかと推測されているのだとか。 リズム感覚に遺伝子が関係しているかどうかは知らない。少なくともわが家では遺伝はしていないということか。いや、ピアノをしていた母親の遺伝子を受け継いだということかも知れぬ。 ともあれ、音楽的センスのないことに気づいた父親は、せめて文章だけでも上達したいと、毎日こうして練習している。きみはどんな方向に行くのだろうな。タン、タン。

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