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ブックスタート

2000年12月29日 【コラム
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 わが家の息子に絵本を最初に与えたのはいつのことだったか。父親が子どもを口実に好きな絵本を買っている面もあり、生まれたとき、いや生まれる前からか。いまでは書棚ひとつが埋まっていて、2歳8カ月になる子どもも毎晩きょうはどれにしよかなあ、といいつつ絵本を選び、親と床に入る。今夜はひさびさの『かいじゅうたちのいるところ』と『100万回生きたねこ』。
 英国のバーミンガムで1992年に始まったのが「ブックスタート」と呼ばれる運動。赤ちゃんの定期健診時に絵本をプレゼントして本に親しむきっかけをつくろうというもの。現在では90%の自治体が導入しているのだとか(朝日12月3日)。
 バーミンガム大教育学部によるその後の調査では、子どもの小学校入学時の基礎テストに差が見られたほか、なにより親子でのコミュニケーションに本が関わる比率がブックスタート経験組の方が圧倒的に高かった。
 ブックスタート、今年から日本の一部自治体でも試験的に始まった。絵本に興味を持ち始めるのは通常7カ月目くらいからだが、身近にあるという環境を整えるため、4カ月健診で配布したという。
 かいじゅうたちの時間を共有しつつ、子どもの横顔を盗み見る。かいじゅうたちの絵を、食い入るように見るきらきらした目。かいじゅうたちがダンスを始めるところでは、自分も足で布団を蹴り上げている。その姿にこちらもわくわくしながら読み進む。早期教育だとかそんなことはどうだっていい、このひとときは、なにより親へのすてきなプレゼントだ。

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One comment to...
“ブックスタート”
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小橋昭彦

ブックスタートについては「Bookstart」をどうぞ。日本での取り組みについては、「大手小町」「毎日インタラクティブ」「日本版ブックスタート」などのニュースをご参照ください。




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 日が暮れたら東を向いて空を見上げてみよう。明るい星が目に入るだろう。右上にあるのが土星、左下は木星。その隣が、おうし座のアルデバラン。60年前、サンテグジュペリもこの星空を眺めていたかもしれない。『星の王子さま』の挿絵にある星の並びが、ちょうど同じなのだ(朝日12月3日)。 3つの星がこの並びになるのは60年に1度。サンテグジュペリが『星の王子さま』を書いたとされるのは1942年から43年のことだから、ちょうど時期はあう。そういえば天文少年だったぼく自身、絵本の背景の星空にもつい星座を探してしまう。星座に造詣が深かったサンテグジュペリが星空の絵にこだわったとしてもなんだか納得できるのだ。 サンテグジュペリといえば、彼の飛行機の残骸が見つかったと報道されたのが今年の5月。1944年に連合軍の偵察飛行士としてコルシカ島を出発後、消息を絶っていた。マルセイユ沖、深さ100メートルの海底で発見された残骸は、そのとき搭乗していたライトニングP38改造機と同型。もっとも引き揚げて確認することには遺族が反対したともあった。 なんだかね、遺族の気持ちもわかるんだ。残骸を確認したってしかたない、夜空に、星の王子さまを想像するほうがいいよね。そう、いちばんかんじんなものは、目では見えないんだから。

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 はやしさんが作ったからハヤシライス。冗談のようだが、こればかりはどうやら本当らしい。このはやしさん、丸善の創業者として知られる早矢仕有的(はやしゆうてき)。牛肉が大好物で、友人が訪問するとありあわせの肉と野菜のごった煮にトマトケチャップで味をつけ、ご飯に添えて出していたという。 いまひとつ、ハッシュドビーフ語源説もある。確かにハヤシライスのソースはハッシュドビーフにルーでとろみをつけたもの。ちなみにハッシュドビーフらしき料理は、1885(明治18)年、米国人ホイットニーによる『手軽西洋料理』にビーフハッシと称して登場している(日経12月2日)。 ハヤシライスが一般に広まったのは明治30年代。1906(明治39)年には「ハヤシライスのたね」まで登場している。東京・一貫堂が売り出したもので、ルーと肉を乾燥させた固形食品、熱湯で溶いて食べる一種の即席食品だ。 西洋料理にご飯をあわせ、即席食品にまでしてしまう。ハヤシライスの歩みは日本の食文化の深みを感じさせる。で、語源の真相はというと、残念ながら藪の中。林さんという人の大好物だった説まである。あんがい早矢仕さんがハッシュと自分の名前をもじって命名し、気に入った林さんが毎日食べに来ていた、なんてところかもしれない。あいまいな結論も日本的でいいんじゃないかな。

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