ざつがく・どっと・こむ
ちょっと知的な雑学&トリビア

2001年6月18日 【コラム
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 いやあ、暑い。汗も流れる。うっとうしいけれど、体温調節のためとあればしかたない。ただ、湿気が高いと汗はなかなか蒸発してくれない。流れ落ちる汗は、じつは体温調節にはそれほど役立たず、無効発汗なんて呼ばれたりもしている。汗は蒸発してこそ、気化熱で体温を下げる。
 人間の身体はよくしたもので、試みにサウナでワキをしめてみるといいけれど、密着して汗が蒸発しにくい肌からは汗はあまり流れず、外気に露出したところからよく流れる。日本人の汗腺は平均350万個。そのうちおよそ220万個が実際に汗を出す能動汗腺。額や手のひら、足の裏にもっとも多い。
 汗腺の数は1平方センチあたり250個以上とか。ひとつひとつは小さいけれど、数が多いゆえ、合計するとばかにならない。成人の1日あたりの発汗量は、約0.5リットルから2リットルだとか。
 能動汗腺の数は、生まれ育った土地によっても違う。寒冷地なら200万個たらず、熱帯地方なら300万。汗腺の数はおよそ2歳半までにどれだけの暑さのなかにいたかで決まる。
 そんなわけで、去年まではほとんどクーラーをつけなかったわが家も、子どもが3歳になった今年は解禁である。もっとも、類焼からの仮住まいの身、まだ部屋には取り付けていない。しばらくは心頭滅却すれば火もまた涼しでいくけれど、そろそろつけなくっちゃなあ。いやあ、暑くるっしいコラムで失礼。

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One comment to...
“汗”
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小橋昭彦

今日の没ネタ。約2億5000万年前の生物大絶滅、その1千年前との2段階で(日経5月28日)。若い頃から人生を楽しんでいる人は病気になりにくい(朝日5月27日)。対象性の乱れを素粒子の一種で確認(朝日5月15日)。幼少期の栄養バランスが心の成長に関係(日経5月20日)。




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 今日のビールのあては何にしようか。そろそろ旬が終わろうとしているあさりを酒蒸しにして別れを告げるか。鉄板の上で次々に口を開いていくあさりたち。食べてくれと言っているような。 もちろん、そんなはずはないのであって、あれは単にあさりが熱せられるとともに、それまで閉じるために使っていた筋肉、つまりそれが貝柱なんだけど、がはずれて開いたもの。もともと貝の殻というのは開くようにできている。ふだんはそれを筋力で閉じているわけだ。 それにしても、通常筋肉を収縮させるには膨大なエネルギーがいる。たとえば懸垂をしてみるといい。腕を折りたたんだまま、何十分も懸垂していられる人はそういないだろう。ところが、貝は長時間殻を閉じていられる。カキだって、1カ月閉じていることもできるという。しかも、人間は自分の身体さえ数分の懸垂で苦労するのに、貝は自重の何倍もの力を耐えられる。 じつは貝は、ほとんどエネルギーを消費せずに筋肉を収縮させておくことができる。キャッチ収縮と呼ばれるしくみだ。筋肉は通常ミオシンとアクチンというたんぱく質がくっついて収縮するけれど、通信総合研究所関西先端研究センターの研究によると、貝の場合、このときツイッチンというたんぱく質がはたらくことで、いわばかんぬきをかけるような状態をつくり出しているという。 この成果、たんぱく質モータを利用したナノマシン制御や血圧を上げる血管収縮の解明につながるかもしれないという。うむむ、二枚貝さまさま。今夜は貝柱まで残らず食べ、られるかな。

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 空が黒くなるほどの大群をなして移動し、通過する土地の青い草を食べ尽くす。飛蝗(ひこう)と呼ばれるバッタの群れ。ワタリバッタあるいはトビバッタなどとも呼ばれる。 道端で見かける緑色をしたトノサマバッタなどと比べて、飛蝗の色は黒い。そのため、当初は別の種類のバッタと思われていたけれど、じつは、同じ種類のバッタだという。この理論を提唱したのは1921年、イギリスの研究者ウバロフ。 緑色を帯びているのは草原などで単独で生活する孤独相のバッタ。これがしだいに群がってすむようになり、ついには群生相に変わる。バッタの脳にあるコラゾニンというホルモンが体色変化を調節しているという。農業生物資源研究所によると、同様の物質は甲虫目をのぞくほかの昆虫も持っているとかで、そうした昆虫の脳を白いバッタに移植すると、移植されたバッタの体色が黒化する。 飛蝗は現在もアフリカなどで被害をもたらしているけれど、中国でも、紀元前2世紀から19世紀にかけて1330回以上の大発生が記録されているという。日本ではそれほど多くは見られない。日本人は群れるのが好きそうなのに、バッタはそうでもなかったか。 ともあれ、どうも群れというのは苦手で、渋谷の駅前なんて歩くだけでひどく疲れる。ぼくがバッタなら飛蝗にならず、できればみなとは違う方向に向かってみたいけれど、さてどうか。誘われると赤くなったり青くなったり、じたばたするばかりで断りきれず、けっきょく黒くなって同行するか。なんだかよわっちい自分ではある。

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