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ちょっと知的な雑学&トリビア

おじさん、おばさん

2001年6月05日 【コラム
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 何年か前、子どもたちと遊んでいて「おじさん」と呼ばれ、それからすぐ「あれ、おにいさんかな」と訂正されたことがある。30歳になったころ。確かに、ぼく自身が10代だったころの30歳の印象って「中年」だったな、なんて思い返す。いまこのコラムを読んでいる若い人たちも、おじさんの書いた文章として読んでいるのかなあ。
 それにしても、おじさんって何歳からなんだ。日本言語研究所が日本語教師らにアンケートした結果によると、「おにいさん・おねえさん」は20歳から32歳で、39歳から57歳が「おじさん・おばさん」なのだそうだ。うむむ、とするとぼくは、すでにおにいさんは卒業し、おじさんに足を踏み入れる前の、微妙な年代にいるなあ。
 大人になると記憶力が鈍くなるといわれる。実感しないでもないけれど、実はこのところ、脳細胞は大人でも成長しているという観察報告がしばしば見られるようになった。従来は大人になると神経細胞は新たに生まれないとされてきたので、定説がゆらいでいるわけ。記憶力はいざ知らず、新しい用途を考えたり改善したりといった能力は70歳くらいまで25歳のころと同じ程度に保たれるともいわれる。おじさんにもまだまだ可能性はあるのだ。
 そんなこんなで、日々少しでも進歩すればとメールマガジンの発行を続けている。同じどうしようもない人間ではあれ、20の頃のどうしようもない自分よりは、ちょっとだけましなどうしようもない奴になったんじゃないかと願ってもいる。
 おじさんかどうかはどうだっていいや、青春は心にあるっていうのが真実じゃないかと、オジサンは思うのだよ。

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2 comments to...
“おじさん、おばさん”
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小橋昭彦

今日の没ネタ。米国プロ野球史上最長の試合は1981年、ロードアイランド州で行われた試合(朝日5月8日)。ミズウオの過半数の胃からプラスチックごみ(朝日4月27日)。


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杏仁

古い記事へのコメント失礼します。
「日本言語研究所」は「EII教育情報研究所」グループでは?




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 病で亡くなった会社時代の若い先輩を夢に見て、夜明けに目覚める。先日通知を受け取ったときには思い出せなかった、表情の細部。ひきづられるようにして、先年亡くなった上司や、事故死した同期の顔が浮かんでくる。どこか砂の中に埋まっていた記憶が、掘り出されるように。記憶は、埋もれていくものなのか。 遺跡の多くは土の中にある。なぜ埋まっているのかは、現地説明会でもよく出る質問だという。自分の手で埋めたなんていうのは論外として、地球が太っているわけでもあるまいに、ときには何メートルもの地中から掘り出される。 そこに魔法があるわけではない。日々風で運ばれる砂に埋もれたり、河川のはんらんで土砂が積もったり、火山の噴火で埋まるなど、自然のはたらきが、遺跡を地中深く隠していく。 部屋の片隅のテーブルを指でなぞってみるといい、日常生活でさえ、チリはつもる。毎年数ミリ積もるだけで、単純計算で千年もたてば数十センチになる計算。もちろん、中には大阪城の例が知られているように、人為的に埋めたものもある。 ところで、あなたの家の庭を掘っていて土器などが出てきたらどうすればいいのだろう。本来的には落し物として警察の管轄だけれど、落とし主が現れるはずもないので、その必要はない。教育委員会の考古学担当の人に連絡するとよい。 遺跡の保存方法は、土に埋め戻すのがいちばんともいう。遺跡は土に、思い出は、心の砂浜に。

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 庭先に立っていると、すうっと地面をかすめるようにツバメが飛んでいく。明日は雨かな、なんていいながら、その行く先を見る。軒下に並んだ巣、そのうちのひとつ。見上げると、巣の中から小さな声がちちちと呼びかけている。ヒナが孵っているらしい。このままでは見えないので、子どもを肩車して、赤ちゃんいる、とたずねる。いるよ。いくつ? ふたつ。2羽か、なんだか少ないな、落ちてイタチに食われでもしたのかな。 野鳥の寿命は総じて短い。正確なところはわからないけれど、ツバメの平均寿命は、1年と1カ月ほどという。スズメが1年3カ月、マガモが2年数カ月。寿命といってもそのほとんどは弱肉強食の中で食われたり冬を越せなかったりするわけで、たとえばスズメなら冬を越して生きのびられるのはおよそ10羽に1羽ほどらしい。学習能力があって生きのびる確率が高いとされる鳥類でもこの確率。野外での長命記録としては、スズメで6年、ツバメで16年といった例も報告されているから、仮に生きのびさえできれば、長く生きられるのだろうけれど。 つまりはそれほどに野生の世界は厳しい。平和そうに見える山里の風景も、野鳥の視点に立てばワイルドな世の中。厳しいといえば、じつはさらに大きなレベルで、世界におよそ9800種という野鳥の種の12%が絶滅の危機に陥っているという調査もある。最大の原因は生息地の破壊。 にぎやかな巣を見上げつつ、ヒナたちの行く末を思う。思う資格があるのかな、イタチより怖い生物の一員として、と苦笑したりもしつつ。とまれヒナたちよ、来年元気で帰ってこいよ。

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