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幸福度が高いと自殺率が高くなる

2011年4月27日 【雑学なメモ

国際比較で、幸福度が高い国で自殺率が高い傾向が知られていたけれど、米国の洲の間で比較しても同様の結果が出たという報告が出ている。幸福なハワイは自殺率が高く、それほど幸福でないニューヨークは自殺率が低い。

Happiest places have highest suicide rates says new research

幸福度という指標、ここ何年か気になってきた。なぜ幸福度が高くなると自殺率が高くなるパラドックスが生まれるのか。研究者らの推論では、周囲の人びとの状況と比較して、自分の状況を悲観するからではないかと。この推論を支えるのは、人間は自分の幸福度を、周囲との比較で測るという先行研究。貧困国で自殺率が低いのは、周囲と比べる余裕がない、あるいは比べるほど差が生まれないといった状況にあるからということか。この推論を敷衍すれば、日本の自殺率が高いのは、あるいは、「周囲との比較」を強いる世間構造があるからとも考えられるのだが、どうか。

ところで、一定程度経済的に恵まれた後は、経済的な問題は幸福度に相関しないことが知られている。では、その後の幸福度の向上は何によってもたらされるのか。消費社会が熟成すると、ぼくたちは「差異化」を目指す。そうした思考が、周囲との比較をそそのかす。とすると、経済的な豊かさの後に生まれる幸福度の上昇は、差異の拡がりにすぎないということなのかもしれない。だとすればそれは不幸な人を生むことと表裏一体だ。

しかし、ほんとうに「幸福」な社会とは、人が周囲と比較して疎外感を感じるとき、そっと手を差し伸べる社会だろう。幸福度の指標が、あらためて問われているということか。

論文は下記。

Dark Contrasts:next term The Paradox of High Rates of Suicide in Happy Places

Suicide kills more Americans than die in motor accidents. Its causes remain poorly understood. We suggest in this paper that the level of others’ happiness may be a risk factor for suicide (although one’s own happiness likely protects one from suicide). Using U.S. and international data, the paper provides evidence for a paradox: the happiest places tend to have the highest suicide rates. The analysis appears to be the first published study to be able to combine rich individual-level data sets  one on life satisfaction in a newly available random sample of 1.3 million Americans and another on suicide decisions among an independent random sample of about 1 million Americans  to establish this previous termdark-contrastsnext term paradox in a consistent way across U.S. states. The study also replicates the finding for the Western industrialized nations. The paradox, which holds individual characteristics constant, is not an artifact of population composition or confounding factors (or of the ecological fallacy). We conclude with a discussion of the possible role of relative comparisons of utility.(Journal of Economic Behavior & Organization,2011.04.007)




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ライフログというのは、ある種のバズワードかな。最近はあまり聞かなくなったけど。一方で、医学上、ある被験者の全環境曝露調査が課題になっているという。この調査を「エクスポゾーム(exposome)」というそうで。

今の日本で環境曝露調査というと、やはり放射線が気にかかるところだけれど、ここでは、大気汚染物質、身体活動、食事の記録が対象になっている。1日の生活の中で、人間がどのような行動をとり、どのような摂取物を外部から取り入れているかを記録し、それが健康に与える影響を調査するわけ。

従来なら食事を調べるなら、アンケートに頼っていたわけだけど、人間の記憶はあてにならない。その例として紹介されている下記の数値が思ったより忘却度が高く、驚いた。
(心理学者のTom)Baranowskiは、被験者がある日に食べたものを観察し、翌日にその内容を思い出してもらった結果、子どもは自分が食べたものの約15%を忘れていて、食べたと言っているものの30%以上が空想の産物であることが判明した。成人についても同様の傾向が見られた。(natureダイジェスト2011年05月号p14「見つめていたい」)
食べたものを忘れるというのは、老人性健忘症の徴候じゃないかと気になる人も多いんだけど、子どもでもこの結果というのはびっくり。

原文は下記。
Epidemiology: Every bite you take

Nature 470, 320-322 (2011)

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