ずっと気になっていた本がある。『アフターマン』というのがそれで、人類絶滅後の生物形態を描いている。出版当時高校生だったぼくには高くて買えず、その後書店では見かけなくなった。だけどなぜか、おりに触れ思い出すのだった。同じ著者がこのほど、2億年後の世界を進化論に基づいて描いた書籍を出したと知って購入。
ページを繰る。魚が空を飛び、イカが地上を歩き回る。そう、こうしたリアリティのある細部を求めていたのだと納得する。絶滅と言葉では簡単でも、細部の、手触りとでもいった部分を感じたい。たとえば白亜紀にしても、隕石の衝突に伴う激変が恐竜を絶滅させたと一般に説明されるけれど、具体的にはどんな光景だったのか。
科学者クリングとダーダによる、焼け焦げた地球というシミュレーション。恐竜たちを絶滅させた隕石の衝突地点はメキシコのチチュルブ・クレーターとされる。飛び散った物質の中には地球と月の中間地点まで達したものもあったという大爆発。それら破片が再び地表へ落下していく。落下物の熱によって植物は乾燥し、発火する。ことにチチュルブ周辺と、落下物が地球を半周して落ちる現在のインド周辺が激しい。地球の自転に伴い、そこから西側に向けて火災が広がる。世界の多くが燃え尽きた。
白亜紀末の大火災から生命がふたたび立ち上がったのは、火災後の世界にも適応できる生き物がいたからだった。ぼくたち人類が滅亡した後も、この世界に存在する多種多様な生命のどれかが、新しい環境に適応していくことになる。そう考えていて、ふと気づく。ぼくが細部にこだわっていたのは、こうした、終わりの向こうに命をつなぐ多様性を見出したかったからではなかったか。未来への種は今にあるのだと、手触りを通して確認したかったからではなかったか。
『アフターマン』は残念ながら絶版の様子。ぼくはこの機会に原書『After Man: A Zoology of the Future』を購入しました。同じ著者による2億年後の世界を描く『フューチャー・イズ・ワイルド』はおすすめ。なお、David A. KringとDan Durdaによる描写は「世界が燃え尽きた日 大絶滅と復活のシナリオ」という記事に詳しいです。
アフターマン、子供の頃親にせがんで買ってもらいました。
中々インパクトありましたね、何も分からず読んでましたが。
あの本実家のどこかにあるはずです。
今度探してみようっと。
アフターマンの世界、確か去年、テレビで見ました。
寝ぼけながら見たのは、森林を歩き回る、というか、
おさるさんのように、樹にぶらさがって移動しているイカ。
なんか、不思議な感じでした。
『アフターマン』も『フューチャー・イズ・ワイルド』もTVで見まし
た。
前者の本は、当時の自分には高くてやはり買えなかったです。
『フューチャー・イズ・ワイルド』はCGの進化もあり、TVで観ると
結構リアル。CSでは、今月から再放送してますね。
総集編みたいなバージョンは、お正月にNHKで放送してました。
出てくる生物達は、進化の予想から導かれるほんの一例なのでしょう
が、
以前書かれていた地下の生態系の例もあり、地球が無くならない限り
は生命は存在し続けるんだろうな、という気がします。
NHKスペシャルの『地球大進化』というシリーズも感覚的に近いもの
を感じます。
還暦のおじさんは難しい感想は述べられません
毎週感心して読ませていただいています このサイトだけに没頭しているのかと思えばお子さんとも楽しくまた仲良く遊んでいらっしゃるようで 何時これだけの資料を仕入れるのだろうと読ませていただくたびに驚いています
これからも楽しく拝見させていただきます
「アフター・マン」は興味深いですね。神田の古書店で手に入るかしら?話の種に、また仕事のネタにも使わせていただくかもしれません。いつも有り難うございます。
アフターマン主白井!!
えええええ
初めまして。
他の検索でここに辿り着いたのですが、「アフター・
マン」は最近また出ました。
「フューチャー・イズ・ワイルド」と同じ“http://www.diamond.co.jp/index.shtml” target=
“_blank”>ダイヤモンド社からです。
もしご存じでしたら、すみませんm(_ _)m。