1月も終わろうというのにどうかと思わないでもないけれど、凧の話。まあ正月に凧というのは江戸時代からのことらしく、実際、古くから凧揚げの風習がある地方など、各地ではさまざまな時期に凧揚げ行事が行われている。長崎の「ハタ揚げ」は10月、浜松5月、熊本8月、沖縄では10月から11月。
遊びとしての凧揚げが盛んになるのは17世紀に入ってからで、これは西洋でも変わらない。それまでは、たとえば厄除けだったり軍事目的だったり。漢の韓信が紀元前202年、楚の項羽との戦いで人を乗せた凧を利用したのは有名な話。
起源は明確ではないが、紀元前400年ごろにはすでに中国で揚げられていたともいう。日本には9世紀ごろまでに中国から伝わっていたらしく、紙鳶(しえん)という名が文献に見られる。紙のトビ。英語のkiteと同じとらえ方だ。
ちなみにたこの呼び名は江戸で広まったもので、関西ではもっぱらいかだった。英語は前述のようにトビだが、ドイツ語では竜、スペイン語ではすい星、ヒンディー語ではチョウが原義だとか。中国の凧はツバメ型だったりチョウ型だったり、輪郭が多彩。サイズも大きく、笛などの楽器をつけたりもする。
ぼくの世代にとっては、小学生時代にさっそうと登場したゲイラカイトが思い出深い。1975年正月から日本を席巻した、アメリカゲイラ社のビニル製三角だこ。まっすぐ高く上がっていくのは驚きだった。その反面、たけひごをたわめ、あしの長さひとつに工夫を凝らしたあの喜びはなかったけれど。
いま、人気上昇中なのがスポーツカイト。数本の糸で操つる。第2次世界大戦中に射撃の練習用に使われていた「ターゲットカイト」がルーツだとか(日経12月23日)。古来の凧も新しいカイトも、どこか軍事と関係しているのがおもしろい。
凧関連情報はまず「日本の凧の会」へ。民博の「東アジア・中国の凧」が有益。スポーツカイトについては「全日本スポーツカイト協会」があります。各地の凧揚げ大会は、「長崎」「浜松」「熊本」など。
今日の没ネタ。今世紀、世界の平均気温は0.6度上昇(日経12月20日)。
ごめんなさ0い、参照サイトの「長崎」をたどっていかれるとわかるように、長崎の「ハタ揚げ」のシーズンは4月から5月で、5月が最盛期。10月は市民ハタ揚げっていうイベントでした。
凧あげ、やりましたねー。
懐かしい気持ちで読ませてもらいました。
ひとつ質問なんですが、会社の同僚と議論(というほどでもないですが)になったんですが、「ゲイラカイト」ですが、同僚いわく、「ゲリラカイト」が正しい呼び名だというのだけど、どちらなんでしょう?
それとも別物?
(口頭でイメージを話した限りでは同じ物のようなんですが…)