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ちょっと知的な雑学&トリビア

その行為

2001年3月29日 【コラム
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 18世紀フランスの思想家、ジャン・ジャック・ルソー。『社会契約論』などの政治的著作でも、『告白録』などの文学的著作でも知られており、フランス語圏以外では日本でことに人気が高い。
 代表作のひとつ『エミール』はどちらの系列とも言いがたい作品だけれど、その中に「よく注意して青年を見張っているがいい」に始まる一節がある。昼も夜もひとりにさせないなど、彼を「危険な補い」から守るための心得。自己の中の欲望とそれを監視する他者の視線。両者の葛藤をテーマとしていた彼は、その行為に反対する立場だった。
 その行為の別の名が、バイブルからとられていることはご存知だろうか。旧約聖書の創世記第38章、ユダの子オナンの物語。かくも本質的な問題とされつつ、研究の対象になることはこれまで少なかった。
 とはいえ、ルソーが絶賛したスイス人医師の著作『オナニスム』が刊行されたのが1758年。けっして無視されていたわけでもない。ただ、ことに19世紀、ヴィクトリア時代のピューリタニズムを背景にした論調などは、その行為をきびしく糾弾するもの(朝日3月3日)。
 当時と比べて、現代はずいぶん明るくなった。偏見がはずれ、正しい知識が広がるのは歓迎。とはいえ、あまりにあっけらかんと語られてしまうと、さて、ルソーがおそれた「他者の視線」はどうなったのかと疑問を抱かないでもない。欲望ばかりでしあわせがあるはずもなく。
 葛藤の克服と自己の統一を探求し、その外部化として統一された社会のあり方までも追求したルソー。「人間は幸福であるために生まれてきた」。彼の言葉である。

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5 comments to...
“その行為”
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小橋

参考書として、成城大学「石川弘義教授」の『マスターベーションの歴史』(作品社)を。


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小橋

今日の没ネタ。西暦655年から656年、アラビア語の岸壁碑文としては最古の碑文、シナイ半島で(朝日3月2日)。大昔、火星に微生物がいたかも(朝日3月2日)。ミサイルを改造して宇宙帆掛け舟(朝日2月28日)。学力には学んだ結果としてのそれと学ぶ力としてのそれ2種類ある(朝日3月3日)。


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大石

今日の雑学はむずかしいですねぇ。
「そういう用語」に敏感な年頃に語源を探っていると
聖書につきあたったことを思い出しました。
たしか、「その行為」は「自分ですること」ではなく
て、「外に出すこと」だったように記憶しています
が、そうですよね?


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小橋

確かに、相手のある行為はともなっていますね。
いやそれにしても、読者層が広いだけに、なんとも書くのにも苦労しましたです。汗。


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小橋

ちょっと物覚えに参照サイトを追加。「日本性教育協会」も参考になります。特に、「21世紀に向けての第三性革命」にあるように、むしろその行為は今推進の方向にあるようです。また、メディカル・トリビューンの雑誌「Sexual Science」も有益。




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 遺伝は何らかの独立した因子で規定されるという概念を確立したのはメンデル。彼の研究は生前ほとんど注目されることはなかった。進化論で知られるダーウィンも同時代の人で、純種同士の受精による繁殖で生まれるのは、完全な融合物ではなく別個の固体の混じりあいではないか、という考えを抱きもしたようだけれど、その答えが書かれているメンデルの論文に気づくことはなかった。 メンデルの研究が知られるようになったのは20世紀に入ってからで、遺伝子という名前も20世紀の初頭につけられた。その後、遺伝子は染色体の中に含まれているということがわかってきて、染色体を構成するデオキシリボ核酸(DNA)とたんぱく質のうち、DNAがその本体だとわかる。ちなみに、最近よく聞く「ゲノム」という言葉は、生物の持つ遺伝情報全体を意味するもので、ヒトの場合だと23対の染色体におさめられているということになる。 遺伝子にはたんぱく質の設計図になるエクソンと、途中で削られるイントロンがある。エクソンはヒトゲノム全体の1.5%(朝日2月28日)。残りのほとんどは「がらくたDNA」だという。ただ、がらくただからといって役立たないかというとそういうわけではなく、東京工業大学の岡田典弘教授は「進化の多様性を生み出す原動力のひとつ」と指摘している。 設計図も、がらくたもあってヒトゲノム。ぼくたちに続く生命40億年の歴史は、効率ばかりじゃ語れない。

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 グローバル化の進む天気予報の世界。現在では、10の気象衛星、約4000の観測所、約7000隻の船などからの情報が、専用の通信システムを通して毎日配信され、各国で共有されている(朝日3月3日)。気象庁が1日に収集する情報量はおよそ50メガバイト。 もっとも、それをもとにした予報の精度は各国の数値予報モデルやスーパーコンピュータの性能により差がある。数値予報というのは、大気をさいころ状に切り、それぞれの状態をもとに気象を予報するもの。サイコロの一辺が小さいほど正確な予報ができるのだが、その分計算量も膨大になり、明日の予報をする計算に一日かかり予報の意味をなさない、なんてことになってしまうので、おのずとコンピュータの性能に制限される。 北半球全体の予想天気図の精度では、欧米諸国に遅れをとっている日本だけれど、台風の進路予報では、世界のトップに立ったという。国際比較したのは米国海軍研究所で、昨年北西太平洋で発生した23個の台風の予想中心位置と実際の進路との誤差を比べたもの。 台風の予報は、いくらモデルの格子間隔が小さくなっても、初期にどのようなデータを与えるかで予測値が違ってくる。初期の台風の様子を正確に観測できる技術はまだなく、ボーガスと呼ばれる擬似データをあてはめるしかない。ボーガスは、過去の研究成果をもとにした典型的な数値があてられる。気象庁のそれが優秀だったということでもあるだろう。 2001年3月から気象庁に新しいスーパーコンピュータシステムが導入され、台風の進路予報についてもさらなる改善が期待されている。大自然を前にした人とコンピュータのこんな共同作業を思うと、テクノロジーの可能性ってまだあるんだな、とあらためて気づかされる。

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