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ちょっと知的な雑学&トリビア

生命は宇宙から?

2006年2月15日 【コラム
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 決して主流ではないけれど、まじめにとらえる向きも増えてきたというところか。生命あるいはその前駆となる有機分子が宇宙からやってきたという、パンスペルミア説。なかには、高度な文明を持った地球外生命が原始の海をたたえた地球を知って意図的に微生物を送り込んだという説もある。提唱者がDNA二重らせん構造を発見したクリックじゃなければ、コラムで紹介することがはばかれるような思いきった見方だ。なるほど、仮にどこかに海をたたえた惑星が見つかれば、微生物を送りこんで、ぼくたちの遠い子孫のために仲間を作りたいと思わないでもない。
 宇宙空間には、バクテリアが遍在していると考える学者もいる。過酷な環境のもとでは死滅するというのがこれまでの常識だったけれど、最近では地中深くでも生命が見つかっているし、紫外線や放射線に耐えられる微生物がいることもわかってきた。つい先日も、地球に帰還する途中で爆発したスペースシャトル・コロンビアの破片から、あの惨事を生きのびた線虫が見つかったという報告があった。パンスペルミア説が再び注目をあびるようになった背景には、そのように生命の意外な強さがわかってきたことがある。
 ではどうして生命が宇宙空間に存在するのか。隕石の衝突で宇宙空間にはじき出された可能性が指摘されている。火星から地球へもそんな岩石のかけらによって生命が運ばれてきたかもしれない。確率は低くなるけれど、恐竜を滅ぼした隕石衝突が、地球の微生物を破片ごと宇宙空間に運んだことだってあるかもしれない。その破片が他の星に落ちてその地で生命を育むことだってありえる。
 パンスペルミア説に立っても、そもそも最初の生命はどのようにして生まれたかという謎は残る。それはともあれ、同じ起源を持つ生命がこの宇宙には満ちており、それぞれの星に降りたってそれぞれの未来を育んでいると空想するとき、星空の仲間たちとのつながりに、心を癒される思いがする。

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8 comments to...
“生命は宇宙から?”
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小橋昭彦

日経サイエンス2006年2月号「地球外生命飛来説を検証する」、書籍『奇想、宇宙をゆく』を参考にしました。
また、コロンビア号からの発見については「Columbia Survivors」をご参照ください。その他最近の動きは、「宇宙から来たバクテリア?」「成層圏の微生物は宇宙からの来訪者?」「Did Life Come from Another World?」などでも紹介されています。また、関連情報をまとめたサイトとしては「COSMIC ANCESTRY」なども。
あと、関係はありませんが、人間がどこまで極限に耐えられるかを紹介した『人間はどこまで耐えられるのか』はザツガク的にはおもしろいですよ。


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44℃です

小林昭彦様
初めてメールいたします
小生も雑学大王と呼称されて久しいものです
とは、いっても定年退職して三年以上経てますが
生命の起源が宇宙からもたらされたものか
地球上で発祥したのかはいまだに諸説があります
小生が現役の頃、真空容器に原始宇宙の大気を入れてプラズマを放射し蛋白質が生成されたとの科学者の記事が大勢を占めていました
その後の追試は聞いていません
DNAの解析に関してはワトソン・クリック、二名の功績でなく
X線解析を担当した無名の女性科学者が真実の功労者との真実が
現在では定説になっています
ちなみに宇宙飛行士の条件は三十代後半に限られています
理由は、強度の宇宙線にさらされても遺伝子に影響の少ない既婚者に限られているとのことです
この説はJAXSAの職員から直接ヒヤリングしました
ではまた


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小橋昭彦

44℃さん、ありがとうございます。
宇宙飛行士の年齢の話は初耳でした。なるほど。
科学における女性の活躍は、恐竜学におけるメアリー・アニングなどもからめて、機会があれば踏みこんでみたいと温めています。また、生命のスープの実験は、下記コラムの冒頭でも触れていますが、ぼくも思い出深いエピソードです。
・生命の起源 [03.10.02]
http://www.zatsugaku.com/archives/2003/10/20031002.html
またいろいろご教示いただければ嬉しいです。


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かに目大仏

いつも楽しく拝読させて頂いております。ありがとうございます。
私の受け取り違いなら良いのですが、文中の「地球に帰還する途中で爆発したスペースシャトル・ディスカバリーの破片」という記述はディスカバリーが爆発してしまい、その残骸という印象を受けますが、「地球に帰還する途中のスペースシャトル・ディスカバリーで爆発した(断熱タイル)破片」という意味合いと受け取れば宜しいでしょうか?
たしか、野口さんも無事生還しましたよ(笑)。


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小橋昭彦

かに目大仏さん、ありがとうございます!
助かりました。コメント欄の補足では正しい表記をしていたのですが、正解は「コロンビア号」です。つい、ディスカバリーの飛行再開に気をとられて間違ってしまいました。
ウェブの本文は修正いたします。「ディスカバリー→コロンビア」。申し訳ありませんでした。


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みなこ

いつも楽しく拝読させていただいています。
興味をそそるテーマ、
ぬくもりのある視点。
そんなコラムを書かれる方のおすすめ本は
絶対に面白いに違いない!と
「人間はどこまで耐えられるのか」を買ってみました。
大満足でした☆


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小橋昭彦

みなこさん、ありがとうございます。そういっていただけるとたいへん嬉しいです。
コラムに関連して紹介する本には2種類あります。ちょっと難しい(ないし専門的)けれど、取り上げたテーマについて深く知るにはいいよ、という本と、純粋におもしろいから読んでみて、という本と。
今回の本はちょうど後者なのですが、いずれにせよ、目からウロコ的におもしろい本だけをとりあげるように心がけています。今後とも、よろしくお願いします。


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マサト

管理人様へ
はじめまして、私は、☆ドラマ ドラマ ドラマックス☆というブログで、脚本と演出から見るドラマの紹介をやっております、マサトと申します。
前々から貴方様のサイトは見さしていただいていたのですが、いろいろな雑学が学べて面白いですね。
 そこで、私のサイトのほうにリンクをさせていただいたのですが、よろしかったでしょうか?もしよろしければ、相互リンクしていただければ大変うれしいです。これからもよろしくお願いします。
☆ドラマ ドラマ ドラマックス☆
マサト




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同系統の祖先の化石にとさかみたいなのがついていて。さて、いよいよ恐竜図鑑のもっとも印象的な恐竜のひとつの想像図が、大きく変わることになるでしょうか。

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