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ちょっと知的な雑学&トリビア

短期記憶

2004年5月27日 【コラム
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 かつて働いていた会社では、案件ごとに7桁の受注ナンバーがふられていた。新入社員時代、社内電話で伝えているとき、上司に「3桁、4桁に区切って伝えた方がいい」と注意された思い出がある。今にして思えば、それは7桁という短期記憶ぎりぎりの数字を確実に伝えるためにチャンク化するというアドバイスであったのだ。
 心理学者ミラーが発見した、人間が一度に覚えられる数字は7個という「マジカルナンバー7」はよく知られている。プラスマイナス2個程度の増減はあるけれど、短期的に覚えられる容量はおおむね誰でもこのくらいらしい。そこで、桁の多い数字を確実に覚えておくには、電話番号がハイフンで区切られているように、グループに分けるといい。これをチャンク化と呼んでいる。
 曜日は7つ、音階もドレミファソラシと7つ。黒澤明『七人の侍』も、あれ以上人物が多ければ名画として残ったかどうか。チンパンジーでも5つあまり覚えられるといい、7プラスマイナス2という数字は意味ありげではある。ただ、手話ではそこまで覚えられないし、縮めた言い方ができる中国語はウェールズ語より多く覚えられたという実験もある。進化の上では視覚より聴覚が先に発達したので、覚えるには声に出すといいのだけれど、そうとすれば言語によって覚えられる数字に違いが出てもおかしくはない。
 純粋に視覚での記憶量を調べた研究者チームによると、着色された点や傾きのある線をちらっと見せられたなかで、覚えていられる数は、だいたい3つか4つという。同様のテストをしつつ脳の活動を調べた研究グループによると、短期記憶を働かせようとしたとき、脳の後頭頂皮質中にある10円玉くらいの大きさの部分が活性化したという。はたしてここが脳における短期記憶を司っているのかどうか。いずれにせよ、短期記憶の容量はあんがい少なく、ぼくたちは手のひらに受ける雪片のように、せつな刹那を積み重ねている。

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4 comments to...
“短期記憶”
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小橋昭彦

今回は短期記憶、大脳皮質系だったので話題の『海馬』系(つまり長期的な記憶)の話にはなりませんでしたが、これは次回とりあげたいと思っています。チンパンジーの短期記憶については天才チンパンジー「アイ」による実験で、「記憶力もすごい」に詳しいです。手話や言語における短期記憶の違いは、「Mrim Boutla」によるもので「『覚えられる数字は7つまで』のウソ」の記事に詳しいです。「中国語」「ウェールズ語」の発音を念のため。また、短期記憶と脳のはたらきの調査は、「Rene Marois」らによる「Capacity limit of visual short-term memory in human posterior parietal cortex(Nature 428 751-754)」と「Edward K. Vogel」らによる「Neural activity predicts individual differences in visual working memory capacity(Nature 428 748-751)」です。解説記事「記憶容量が知能を制限する?」が日本語で読めます。


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安芸中野司令@猪花栄治

小橋昭彦様

記憶の定着のために何をすべきか、という方に興味があります。暇さえあれば、メディアのスイッチが入っている、という生活をやめよう。でも、このサイトを開いているのも、メディアのひとつだけど、ソファーにデンと座って、思いにふけるもヨシ。
 子供たちに、イメージをふんだんに膨らませる余裕が無くなった、というのも気になります。その延長上に、大人たちも何かと余裕がない。この、「余裕」の2文字の中に、記憶を定着させる要素があると見ています。何か記憶を定着させる余裕のときに、メディアが邪魔しているような気がする。ソファーにデンと座って、思いにふける、こんな余裕を大事にしたい。


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今井 

小橋様

毎度、今日の雑学、配信有難うございます。
さて
1週間は7日、人がなくなって冥土に辿り着くのが49日とか言います。7×7、何か短期記憶と関係あり葬に思います。忘れないで覚えておくという意味で。
如何なものでしょうか。


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小橋昭彦

イメージや余裕と記憶の定着、49日と思い出、興味深いです。次回、「覚えておく」という切り口であらためて記憶を取り上げてみたいと思います。

今度は、短期記憶じゃなく、長期記憶の話になりますね。




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・文字の習得に「文字中枢」
http://www.jst.go.jp/pr/info/info53/index.html
大人でも一夜漬けで脳が活性化。

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 英国の科学博物館の来訪者に、ディスプレイ上に表示される点の数がその隣にある数字と一致しているかを尋ねた調査がある。2から3個の点の場合、回答に要する時間はおよそ0.5秒。こういう分け方は好きじゃないけれど、平均的に女性は男性より0.05秒はやかったという。この差は、点の数が5以上になるとなくなる。 同じ実験からは、大きな数については、左目を使って数える方が簡単という結果も出ている。左目がつながる右脳で非言語的にとらえ、その後左脳で「ななつ」といった言語と結び付けているということだろう。それで思い出したのが、男と女では左右の脳をつなぐ脳梁の太さに差があるという話。女性のほうが左右の脳のやりとりが多くできる。点の数が少ない場合、まずイメージ的にとらえて言語に置き換えると考えるなら、女性のほうが回答がはやい理由として納得できる。 エッセイを聞かせながら脳のはたらきを調べた産業技術総合研究所の実験によると、男性は左脳が主に活動していたのに対し、女性は左右両方の脳が活動していたという。男性は論理的に理解し、女性は感覚的な面も含めて理解しているということかもしれない。他人の外見を記憶するテストでは女性の方が高得点を得たという実験もあるし、単語を目にするとき、女性は単語の感情的な意味も含めて思い出しているともいう。 記憶力を高めるには、まずは大きくとらえ、自転車乗りのように身体の手続きと一致させて覚えるとよい。女性は細かいところまで覚えているとよく言われるが、ものごとを柔軟に把握するから、心に刻まれやすいということだろうか。 ともあれ。男にもいろいろあるし、女にもいろんなタイプがある。一様に男女に分けて多様性を見逃してはいけない。ただ、異性を叱責しそうになるとき、「そういうものなんだ」って心に余裕をもてるなら、男女に分ける考え方にも意味はあるのかなとも思う。

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