小橋 昭彦 2002年2月6日

 4歳も間近になって、このところほとんどしないけれど、1年ほど前まで、子どもがおねしょをするたび、親が試されているような気になったものだ。シーツを洗ったり布団を干したりとあわただしい朝になる。といって、しかっても仕方ない。なんと声をかけるかに親の性格が表れるなんて考えた。
 昔はよく漫画で「世界地図を描いた」なんてたとえられて、ほほえましい風景でもあった記憶があるけれど、最近はどんな表現がされるのか。団地のベランダに干す布団は、世界地図ほどの雄大さもない気もする。
 ともあれ、おねしょ。膀胱の大きさと夜間に作られる尿量のバランスが悪いことが原因だけれど、幼児期は発展途上。心配することはない。ただ、幼児の専売特許というわけじゃなく、大人でもおねしょすることはある。
 香港の大学が、16歳から40歳の大人8500人に電話調査したところ、2%から3%の人が、おねしょ癖があると回答した。うち半数以上が週3回以上、4人に1人が毎夜悩まされているという。仕事上の悩みなどが誘発する可能性を、大学は指摘している。そういえば子どもの場合もクラス替えなどによってストレスが生じると、抗利尿ホルモンの分泌に影響が出て、ぐっしょり型の夜尿になることが多いと言われている。
 仮に香港での調査結果と同じ比率で、日本の大人もおねしょしているのだとしたら、全国で100万人以上の大人が悩んでいることになる。職への不安が高まっているなか、世界地図は増えているのだろうか。司馬遼太郎氏の描く『竜馬がゆく』では、坂本竜馬ははなたれ小僧で、おねしょもする人物として描かれている。世界的な視野で日本を変革した人物は、世界地図の名手でもあったか。

4 thoughts on “おねしょ

  1. 私も経験ありますね。小学校(当時、国民学校でした)2、3年生の頃です。父が京都府下北部の舞鶴海軍工廠に徴用に採られて大阪から転宅した時から始まりました。大阪に比べて雪が多く寒い精か、暫く続きました。それに転校に伴うストレスも・・・・・。今となっては懐かしい思い出です。

  2. 私も小学校の低学年の頃、何回か「おねしょ」した記憶があります。母は私を叱ることはせず、もくもくと布団を干し、シーツを洗っていた姿を見て、「もう絶対におねしょしないぞ」と心に誓ったことを想い出しました。今と違って洗濯機もおねしょマットも有りませんでしたから。母に感謝_(._.)_

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