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ちょっと知的な雑学&トリビア

ブリを食す

2001年12月04日 【コラム
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 居酒屋のメニューにハマチと書かれたあとにカッコしてカンパチとあり、あれ、同じ魚だっけ、とその場で一同混乱する。出世魚は名前が覚えられなくっていけない。関西ではワカナからハマチ、メジロ、ブリと成長するのが一般的呼称。関東ではワカナゴ、イナダ、ワラサ、ブリだそうだけれど、全国で100通りを超える呼び方があるというから異称も多い。とまれ、カンパチはブリ属ではあれ、違う種である。
 途中はいろいろあるが、出世のあがりはどこもブリらしい。漢字で書くと鰤(ぶり)。日本で作られた漢字だが、寒ブリといわれるように、これからが旬。師走の字が入っているのはそのためか。
 ちなみに、中国で「師魚」と書くと老魚の意味なので、そこから連想された漢字だという説もある。年経(ふ)りたる魚からブリという呼び名が出てきたとも。もっとも、ブリの語源にはあぶって食べるからブリだ、という説や、あぶらの多い魚だからブリという説もある。
 その脂(あぶら)。12月から1月にかけて、日本海でとれる天然のブリの脂質含量は最高値となり、10%前後だという。これが、寒ブリのとろけるようなおいしさの秘密。もっとも、多ければいいというのでもなく、養殖ものは25から30%にもなるそうで、そうなると味が落ちる。
 とまれ、刺身もいいが、この時期、大根と一緒に煮るブリ大根は絶品。カモがネギしょって来るなら、ブリが大根くわえてきてもいい。わが家の子どもも、親の皿からかすめとって食べている。東京出張のおり、同僚と居酒屋でブリ大根をつつきつつ、日々成長するきみを思い出している父親であった。

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5 comments to...
“ブリを食す”
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小橋昭彦

魚関連のコラムとしては、「さかなの世界」「初鰹」が過去にありました。ブリについては「食に関するコラム」「ブリ」などをご参考に。


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徳田英雄

わたしは 日本海にめんした京都府宮津市にすんでいます。ぶり の すばらしい 食べ方 で ブリシャブ があります。肉 の シャブシャブ と おなじ食べ方です。うすく そいだ ををみの 切り身 を ポン酢、ごまたれ で かるく すすいで すぐ食べます。当地の
名物料理です。照り焼き、ブリ大根、シソで巻いたテンプラ。 まだまだ ありますね。12月から年あけの2月が
油がのった、ベストシイズン です。ことしは大漁 の
話題です。ブリは 魚が あがるところが 一番 と おもいますが、いかがでしょうか。


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shoulder

私の祖父は、戦後2年くらい闇市で販売するために、新潟・富山・石川などへ米を買いに行ってたらしいですが、12月前後で米が買えない時は、寒ブリ買って大阪まで持って帰って販売したらしいです。

粗利益では、米に次いで第2位だったようですよ。


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takeda

青森の田舎で生まれた私にとってブリといえば、ブリの卵を醤油で煮た物をイメージします。いまは、あまり見なくなりましたが、あの歯ごたえがなつかしいです。
小橋さんは食べたことありますか?


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小橋昭彦

ブリの卵の醤油煮。うーむ、食べたことないです。気になります。




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 厚生労働省の「保健福祉動向調査」によると、日本人の睡眠時間は6時間台の人と7時間台の人がそれぞれ約3割となっており、8時間台が約2割で続いている。アインシュタインは10時間眠っていたといわれる一方、エジソンは3、4時間しか眠らなかったともいう。どちらがいいというものではなく、生まれつきそなわった素質らしい。 ヒトにとって重要な睡眠時間は眠りはじめから3時間ほどだそうだから、その後のいわばおまけのような睡眠がどれだけあるかは人それぞれでいいのだろう。ただ、眠らなくていい人はない。水さえあれば断食はある程度続けられるけれど、断眠はそれほど長くは続けられない。眠らない世界記録は264時間。かなり辛かったことだろう。 じゃあなんのために睡眠が必要かというと、これは主に脳のため。眠ったといっても人間のからだはあまり省エネにならないし、筋肉の疲れをとるのに意識をなくす必要はない。もっともたいせつなのは、脳をオーバーホールすること。魚類や両生類のように大脳が発達していない生物ではヒトのようなノンレム睡眠はない。ノンレム睡眠による深い眠りの間に、ヒトは脳細胞を修復しているわけだ。 もっとも、脳全体が眠ってしまうと危機対応できないから、一部は起きている部分もある。イルカは極端で、眠り込むと呼吸をしに水面に上がれず窒息するから、脳を半分ずつ眠らせる。だから目を閉じるのも交互。起きている半分の脳で、泳ぎつづけるわけだ。 ヒトもこれだったら、眠りこむことなく24時間が有効に使えそうだが、ヒトの脳はイルカのように左右が同じでなく、言語機能は主に左半球というように差があるから、そううまくはいかない。言葉が理解できない右半球だけ起きていても、できることってそう無いような。 むしろ、窒息に悩むことなく、ゆったりと眠れることのしあわせを満喫しよう。

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 虫めづる姫君という『堤中納言物語』所収の話。蝶よりも毛虫が好きで、かたつむりを集めたり童(わらわ)に虫にちなむ名前をつけたり。読んだことはなくても、虫愛ずるというフレーズを覚えている人は多いかもしれない。日本人は、虫を愛する性質を持っているようだから。 腹の虫、かんの虫、虫の知らせに虫の居どころ。虫を用いた言葉も多い。それで、そもそもそれはどんな虫なのか、という疑問が生じる。確かではないが、かつては回虫も多かったわけで、ときどきお尻から顔を出しても、そんなものくらいに受けとっていたらしい。腹の虫がいるっていうのは、リアルな実感を伴っていたようだ。 中国の道教に由来する虫もあって、これを三尸(さんし)の虫という。60日に1度の庚申(こうしん)の夜、寝ている間に体から抜け出して、天帝にその人の悪行を告げるとされていた。罪が500条に達すると死が決まるといわれ、だから庚申の夜は虫が出ないよう、みんな寝ずに過ごす「庚申待ち」の風習が広まった。三尸の虫は江戸時代になって、体中に九つの虫がいて病気を起こしたり感情を呼び起こすとされるようになる。とすると、これが腹の虫の正体か。 現代の衛生志向は虫を徹底的に排除するようになった。虫の居どころが悪くなって人びとがすぐ腹を立てるようになった、というと言葉遊びだが、ふと、虫愛ずる姫君の主張を思い出す。蝶や花を愛すなんて、うわべだけのはかなさ。毛虫は醜く見えてもその内に蝶になる可能性を秘めている。その本地(ほんじ)、つまり本性を愛することこそ貴いと。 姫君、あなたの言葉を、心に刻みます。

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