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ちょっと知的な雑学&トリビア

加える、加えない

2001年11月20日 【コラム
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 子どもが通う児童館の誕生パーティにきんとんを作っていくことになり、生協にくちなしを買いにいく。黄色をつけるのに欠かせない。ということはくちなしも食品添加物かと思い、調べてみると確かにクチナシ色素として厚生労働省の添加物リストにある。
 食品添加物を役割で分けるなら、クチナシ色素のような着色料や香料、甘味料など食品の魅力を増すもののほかに、ビタミンのような栄養成分を補充するもの、保存料のように食品の変質を防ぐもの、そして豆腐に使われる消泡剤のように食品の製造加工に必要なものに分類できる。
 食品衛生法上は、化学合成品、くちなしのような天然添加物、天然香料、果汁などの一般飲食物添加物に分類されている。100倍の安全率をみて一日摂取許容量が決められているそうだけれど、これは動物実験で安全確認するとして、動物と人間の差を10倍、さらに老人や小児といった個人差を10倍みているということだそうだ。動物・人間の差と、人間の個人差を同じ倍率で設定しているとは今回はじめて知った。
 大手コンビニエンスストアが保存料・合成着色料完全排除商品を打ち出したことに対して、食品添加物への不用意な不安をあおると苦言が出ているとも聞く。論争に対する消費者団体に属する人のコメントが紹介されていて、いわく、自分たちが知りたいのは何が加えられているかという正確な情報であり、無添加をことさら強調してもらいたいとは考えていないと。
 そういえば、食品に限らず、自分たちの眼にするものが何から構成され、どのような過程でそこにあるのか、わかりにくい世の中ではあるなと考えたことであった。

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One comment to...
“加える、加えない”
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小橋昭彦

食品添加物については、「日本食品添加物協会」をまずご参照ください。国民生活センターの「食品添加物の基礎知識」もどうぞ。「食品添加物を調べてみよう」なんてサイトもあります。




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 法政大学の原田悦子教授らのグループが行ったユニークな実験が新聞に紹介されていた。「中学生が学校のガラスをボールで割る」などのビデオを見せ、起きたことを証言してもらう実験だ。ただし「禁止されているボール遊びをしていた」など事実の一部は言わないように依頼しておく。 対象は大学生24人と65歳以上の12人。事実の一部を言わないように依頼しているから、証言につじつまの合わないところが出てきたりもする。それを指摘したときの反応なども比較した。 すると、大学生はガラスの割れた理由をすりかえるなど積極的なうそが92回あり、ほかにもあいまいにごまかすなど逃げの姿勢が目立った一方、高齢者は真実を明かした例が44回と多かったうえ、積極的にごまかす回数は少なかった。 うそも方便、という言葉を思い出す。方便というのは仏教用語で、法便とも書く。衆生を真の教えに導くために用いる、便宜的な手段のことだ。考えてみれば、方便のない毎日なんてないわけで、ぼくたちは相手に喜んでもらうために当初の考えを曲げたり、よりよい結果を目指すために相手にわざと厳しくあたったり、さまざまな関係を周囲との間に築いている。 実験の結果から、高齢者の方が正直だと分析するか、事実の一部を隠してほしいという依頼を守れなかったので不誠実と考えるか、とらえかたはいろいろあるだろう。起こった事実に創造を加える柔軟さの差なのかもしれないし、つきつめられたときに耐える体力の差かもしれない。 ついでにと思って精神科医ペックによる『平気でうそをつく人たち』に目を通す。そこには一見正しそうな嘘をそれと気づかず口にし、他人を傷つける病んだ人たちの事例が並び、深く考えさせられた。 ぼく自身、うそをつかないかというと、たぶん、ついている。子どもにサンタクロースを信じさせることだって、うそだし。ただ、うそはついても、人をだますことはない。ないと思うが、じつはそんなごく普通の人間が邪悪であったりするとペックは指摘する。真実と事実と誠実と。ぼくたちはいろいろな実(まこと)の間を生きている。

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 子どものオムツがはずれて以来、ブリーフを買い与えている。子ども向けといっても色とりどりのものが揃っており、白いだけの下着が逆になんだか懐かしく感じられたり。それでふと、ぼく自身が中学に上がるときだったか、時期は忘れたが、トランクスにしようかと悩んだことがあったことを思い出す。 男性にはブリーフ派とトランクス派がある。動くときのフィット性を優先するのが前者、洋服のシルエットを崩さないルーズ性を優先するのが後者だ。さて、歴史をひも解いてみると、この二種類、ほぼ同時期、1930年代に生まれたらしい。それまでの男性の下着といえば上下つなぎで、そういう意味ではYシャツだって下着だった。 トランクスのルーツとなるルーズ性を優先したボクサー・ショーツは、従来のももひき状の下着「ズロース」の流れをくんで登場している。一方、ブリーフは、くつしたから始まった米クーパー社が、1935年1月19日に発売したのがはじまり。場所はシカゴの百貨店。猛吹雪にもかかわらず、開店から数時間で売り切れたのだとか。 商品名はJOCKEY。激しい動きでもその部分をサポートするという機能を暗示しながら、女性にはどの部分のことを示すか想像しづらいネーミングをとつけられた。商品を思いついたきっかけは、フランスの避暑地から届いた一枚のはがき。腰から太ももまでの水着で泳ぐ男性の写真にひらめいたという。画期的だったのは、フィット感をもたらしたフロント部分を二重にするデザイン。広告でもこのYフロントが強調されている。 JOCKEYは販売方法にも革新をもたらした。中が見えるようにセロファンで包装し、店員が在庫室から持ち出すのではなく、来客が店頭で手にとれるようにしたのだ。セロファン製のウェディングドレスを着て行われた下着ファッションショーも話題をよんだ。真に新しい商品は、しくみや意識にも革新をもたらすということなのだろう。

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