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ちょっと知的な雑学&トリビア

声援のちから

2001年11月16日 【コラム
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 昨日、来春からの田舎へのUターンとまちづくり活動の案内をさせていただいたところ、ほんとうに多くの方から励ましのメールをいただいた。返事は書ききれないけれど、ほんとに、ほんとに感謝しています。
 人間にとって、励ましの意味は大きい。たとえば、健康のために毎日少しでも運動をすることがいいことはわかっていても、なかなかそんな時間がとれない。エスカレーターをやめて階段をのぼれば少しでも違うけれど、それさえできない。そんなとき、ほんの少しの励ましの言葉があれば、人間の行動は変わるのだという。
 調査をしたのは、英国バーミンハム大学のスポーツ心理学者イブス教授ら。階段とエスカレーターが並んでいるショッピングセンター内で、ポスターを貼って実験したのだ。ポスターは段と段の間の縦面に横長のものを貼る。のぼり始めのところには、「毎日運動を」「健康を保とう」「足を使おう」といった標語がかかれている。そして、のぼり終わったところには「ご苦労さま!」。
 それだけのことなのだけれど、ふだんは1割あるかどうかという階段を使う人が、この標語を掲示したところ、ほぼ倍増したのだ。効果はポスターをはがした後も継続し、3カ月たっても、当初の比率より多くの人が階段を使っていたという。
 ちなみに、60歳未満の男女では、女性はポスターが掲示されて3カ月もすれば飽きてくるのかまたエスカレーターを使う人が増えるのに、男性は継続して効果があった。男性の方が信念がかたいのかどうか。まあ、操縦されやすいともいえるけれども。

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7 comments to...
“声援のちから”
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小橋昭彦

研究報告書は「Preventive Medicine Vol. 33」から読むことができます。また、「Can Posters Prompt Stair Use in a Worksite Environment?」もご参照ください。


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渉子

なにか励まされるコラムだなぁ。
……というのも私、「声援する」側だから。
サッカーで、声を出して応援する人たちを(ファンではなく)サポーターといいますが、力になれているだろう、と自負はあっても「だからなに?」って言う人には言い返せないときあったりするんですよね0。

よし、次の試合も張り切って声出そう!
小橋さん、グッドタイミングです。ありがとう。


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なお

いつも楽しみに読ませていただいております。
最初は上長からいい文章を書くのにとても役に立つので、購読してみたらとの事から読み始めました。
毎日配信を心待ちにし、届いた時には速攻読む!とさせていただいております。
中でも一番の楽しみは【今日の遼太朗】です。
だけど、今日(16日)の配信内容は昨日と一緒でしたね・・・(T.T)

毎日ご子息の成長振りが手にとるようにわかる、このコメントは同じ子を持つ親として共感する部分が多いです。
来年から配信が減ってしまうのはとても残念ですが、新生活の様子を小橋節でお知らせいただければと思います。


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こま

階段のポスターのお話、おもしろいですね。
駅員が強引に誘導するよりどれだけ利用客も駅員も
気持ちよく駅を使えることか。
こういうスマートなやり方、
この国の社会にももっとほしいです。

励ますことは励まされることです。

小橋さんの新しい生活、新しい人生、
私も応援しています。
それ以上に期待しています。
私も必要に迫られて新しい家族のあり方を模索する
羽目になっていますが、
そういう面からも期待しています。
型にはめて個人を位置付けがちな社会に
風穴をあけてください。


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小橋昭彦

あれ、遼太朗の内容が昨日と同じ? あ、ほんとだ。ふだんは生で書いているのですが、昨日は特別号で、ちょこっとコピー&ペーストした部分があったのでした。

お恥ずかしい。申しわけありません。


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あやか

結構長い間購読しているのに初めての書き込みです。

今回の階段のコラムを読んで、ふと息子のトイレトレー
ニングの事を思い出してしまいました。
『部屋からトイレまでの壁に息子の好きなアンパンマン
やポケモンを書いた紙を貼りトイレまで誘導し、トイレ
には喜んでるたくさんのポケモンの絵を貼った所それか
らはトイレに行けるように!!!』
なんか大人も子供も同じですね。(^^)
一度便利な事を憶えた大人の体にはこういうきっかけで
もない限り体動かさないですよね。
でも、小橋さんは遼太郎君のお世話とか遊んだりとかで
結構運動してるのでは???遼太郎君位の年の子育ては
ハードですものね。

息子の小さい頃を思い出しながら『今日の遼太郎』を楽
しく読ませて頂いています。来年から配信が少なくなっ
てしまうみたいですが、いろいろな遼太郎君楽しみにし
ています。
配信大変でしょうがこれからもがんばってください。
応援し


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ながやす

いつも楽しく読んでます。
励ましの言葉。自分にとってもまさに絶好のタイミングでした。
私は入社2年目の会社員なんですが、
初めて苦手な先輩から誉められ、これからも頑張れと言われました。どれだけ元気付けれたことか。いつも嫌味ばかり言われていたのに。たった一言、気休めにしかならないと思っていたけど、うれしいものですね。
これからは自分も言えるよう努めたいです。




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 珠玉のような作品が書けたら、なんてかなわぬ思いを抱きつつ、ほんとうの珠玉といえばやはり真珠かと文字から連想している。 貝があのように美しいものを生み出すなんて神秘的だが、世界大百科をひもとくと「貝殻を作るのと同じしくみ」と記述があり、なんだか納得した。真珠は内側から殻皮層、稜柱層、真珠層よりなっており、これは貝殻と逆の順序なわけだ。なるほど、そういえば貝の内側は美しいし、黒真珠が採れるクロチョウ貝を開いた写真を見ると、黒い光沢を放っていたりもするのだった。 天然真珠を生成する貝はおよそ1000種類あるという。古代エジプトではすでに装飾品として利用されており、真珠を飲み干したというクレオパトラの逸話が有名だが、中世ヨーロッパでは医薬としても利用されている。中国でも漢方の材料として知られ、楊貴妃が口にしていたと伝わる。炭酸カルシウムが成分なので、からだに良いというのも、あながちはずれているわけでもない。 日本では1890年代に御木本幸吉がはじめて養殖に成功している。そういえば修学旅行で訪れた三重県に記念島があった。旅行前の学習で真珠のことも調べたっけ。今ではすっかり忘れている。真珠のオンラインショップを開いていたPさん、退院されたと連絡もらったけど、その後いかがだろう。 真珠について書こうとするうち、文章はあちらへこちらへ飛び、珠玉からどんどん離れていく気がする。珠も玉も「たま」とよむ。すなわち「魂(たま)」。心をこめて書き連ねていれば、いつかは珠玉に出会える日もあるだろう。何も文章に限った話ではないが。

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 法政大学の原田悦子教授らのグループが行ったユニークな実験が新聞に紹介されていた。「中学生が学校のガラスをボールで割る」などのビデオを見せ、起きたことを証言してもらう実験だ。ただし「禁止されているボール遊びをしていた」など事実の一部は言わないように依頼しておく。 対象は大学生24人と65歳以上の12人。事実の一部を言わないように依頼しているから、証言につじつまの合わないところが出てきたりもする。それを指摘したときの反応なども比較した。 すると、大学生はガラスの割れた理由をすりかえるなど積極的なうそが92回あり、ほかにもあいまいにごまかすなど逃げの姿勢が目立った一方、高齢者は真実を明かした例が44回と多かったうえ、積極的にごまかす回数は少なかった。 うそも方便、という言葉を思い出す。方便というのは仏教用語で、法便とも書く。衆生を真の教えに導くために用いる、便宜的な手段のことだ。考えてみれば、方便のない毎日なんてないわけで、ぼくたちは相手に喜んでもらうために当初の考えを曲げたり、よりよい結果を目指すために相手にわざと厳しくあたったり、さまざまな関係を周囲との間に築いている。 実験の結果から、高齢者の方が正直だと分析するか、事実の一部を隠してほしいという依頼を守れなかったので不誠実と考えるか、とらえかたはいろいろあるだろう。起こった事実に創造を加える柔軟さの差なのかもしれないし、つきつめられたときに耐える体力の差かもしれない。 ついでにと思って精神科医ペックによる『平気でうそをつく人たち』に目を通す。そこには一見正しそうな嘘をそれと気づかず口にし、他人を傷つける病んだ人たちの事例が並び、深く考えさせられた。 ぼく自身、うそをつかないかというと、たぶん、ついている。子どもにサンタクロースを信じさせることだって、うそだし。ただ、うそはついても、人をだますことはない。ないと思うが、じつはそんなごく普通の人間が邪悪であったりするとペックは指摘する。真実と事実と誠実と。ぼくたちはいろいろな実(まこと)の間を生きている。

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