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ちょっと知的な雑学&トリビア

旅のリラクゼーション

2001年8月08日 【コラム
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 夏の週末、船遊びをしようと友人に誘われて、琵琶湖に遊ぶ。日帰りの小旅行。こんな旅でもちょっとしたリラクゼーション効果があるのだろうか、月曜の仕事は思ったよりもはかどった。
 社団法人日本旅行業協会から、旅の健康学的効果を調査した結果が発表されている。旅が人を「癒す」ことを、科学的に裏付ける内容だ。
 旅は九州の湯布院、雲仙、ハウステンボスを二泊三日でめぐるもの。人はストレスを感じるとき、副腎皮質から分泌されるコルチゾールという物質が増大する。調査では、コルチゾールは旅行初日、空港に降り立ったときから分泌量が低下し、二日目、三日目と日を追うごとに少なくなり、その効果は旅行5日後の検査でも続いていた。旅には、期間中だけでなく、旅行後のストレス低減効果もあるのだ。
 また、癒されていると感じるとき脳内に分泌されるセロトニンは、初日の午後5時から8時に、旅行前に比べて倍になったといい、脳波もまた、リラックスを示すα波が増加している。こうした結果だろうか、旅行後は集中を示すシータ波が出やすくなっており、旅のおかげで帰宅後の仕事などの能率があがることが示されている。
 NK(ナチュラルキラー)細胞活性など、免疫力を示す指標も、旅行中に高まっている。旅は人を健康に保ちもするらしい。もっとも、バス移動が続く日はNK細胞活性が落ちており、タイトなスケジュールは避けたほうがいいようだ。また、旅の癒し効果は、男性や、ふだん旅をしない人、内向的な人ほどおおきいという。フーテンの寅さんのように年がら年中旅に明け暮れて、という人にはそれほど効果が無いようで。まあ、もちろん、そんな人は年中リラックスしているようでもあるけれども。
 そんなわけで、明日からこのコラムも夏休み。27日まで、しばらくごめんなさい。

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6 comments to...
“旅のリラクゼーション”
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小橋昭彦

より詳しくは、日本旅行業協会の「調査結果」をご参照ください。


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けんじ

 7月29日から8月1日まで戸隠高原までキャンプに行って来ました(横浜在住)緑の中に3日間、露天風呂に入ったり名物のそばを食べたり地ビールを飲みに行ったりと結構ふらふらと楽しんできました。
 しかし、我が家に着く頃には結構疲れてしまい、残りの夏休み(8月5日まで)は家に引きこもり状態でした。
 キャンプは旅行とは違い食事の支度や買出しテントの準備などで結構大変、とてもリラクゼーションしたとは言えませんが充実した日々を過ごしてきたと感じてます。結局これもリラックスしたことになるんでしょうかねぇ?
 それにしても19日も夏休みですか、うらやましい。


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久安 貞男

小橋さん いつもいつも今日の雑学プラスを楽しく拝見させて頂いています。読む側は気楽に読ませて頂いていますが、毎日発信される作業は大変だろうなーといつも思いながら感謝しております。週刊ComTrack今週のちょつと見ておいた方がいいサイトからまぐまぐのメールマガ、今回の
直接配信への切り替え、色々お世話になりますが、楽しみにしていますので、どうか長く継続を期待しています。
夏休みはゆっくり休んでリラックス&充電して下さい。
先ずはお礼まで。


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小橋昭彦

みなさん、ありがとうございます。

ほんとのこというと、夏休みといってもメールマガジンが休みなだけで、ふだんメールマガジンに時間をとられてできていない執筆その他、仕事が目白押しだったりはします。

それでもメールマガジンをお休みさせていただくだけで、ずいぶん気持ち的には夏休みです。

みなさまもいい夏休みを!


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てるまる

私はどうにも一人旅が性に合っているのでしょうか
複数人で行くと行き先の希望の折り合いをつけたりと面倒に感じます。
でも、一人だと時々無性に寂しくなったりもします。(笑
あ0ジレンマ!(汗


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たっくん

「旅のリラクゼーション」を昨日実感しました。私の会社も、今年から夏休みが分散取得となり、9月上旬、山形と会津若松に、酒蔵と居酒屋巡りの旅に出かけてきました。
一人旅で結構移動が多かったのですが、だんだんとリラックスしている自分に気がつきました。
旅から戻って、昨日8日ぶりに仕事をしたのですが、いつもよりも集中して仕事ができたような気がしました。
環境を変えてみるということは、大切なことなのですね。




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 高校生の頃、友人に「東京人みたいなしゃべりかたするなあ」とよく言われた。兵庫県の片田舎で生まれ、育っている。東京には住んだこともないし、当時は訪れたことさえなかった。母が若い頃数年間東京で暮らしていた影響じゃないかと答えておいた。 松本修著『全国アホ・バカ分布考』を読んでいて、そんな若い日の記憶がよみがえり、ふと手が止まった。テレビ番組がきっかけで学術的にも意味深い調査が生まれたとして話題になった書籍だ。その中に、「京都府の丹後半島などは東京式アクセントである」と書かれていたのだ。母は丹後の出身。とすると、東京暮らしなど関係なく、母はふるさとのアクセントでしゃべっていただけなのだ。それをぼくが受け継ぎ、「東京人みたい」と言われることになる。 といっても、東京のアクセントを丹後の人が真似しているわけではない。それは昔、京都でしゃべられていたアクセント。それが時代とともに周辺部に広がり、関東の人も使うようになる。しかし京都ではより新しい、今でいう関西風のアクセントが生まれ、それが広まっていく。しかし広まりきらないうちに、時代は現代へ。こうして、丹後と東京に似たようなアクセントが残る。丹後と東京では距離が違うが、半島部などでは言葉が残りやすいとされている。 中心地から同心円を描くように徐々に言葉が広がっていく。かつて柳田國男がとなえたこの考え方を「方言周圏論」という。「アホ・バカ」や「かわいそう」「みにくい」など感情表現について、大規模調査をふまえて方言周圏論を裏付けたのが「アホ・バカ分布調査」だった。大阪大学の徳川宗賢教授によると、言葉の伝達速度は年間930メートルともいう。東北地方には、かつて京都で話されていた言葉が残る、というのもおもしろい。ふと、はるか遠く、宇宙の果てを見ればこの宇宙のはじまりを見られる、という事実を連想する。 ルーツを知るには、周辺を知る。中央がすべてじゃ、ない。

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 夏休み、しばらくコラムを休ませていただきました。ご理解いただき、ありがとうございました。 京都に戻ってきて、先の週末は団地の地蔵盆。棟の間の緑地にテントをはって、朝から夜まで、子どもたちを中心にゲームをしたりお菓子を食べたり、花火をしたり。 地蔵盆の習慣は兵庫のふるさとにはなく、京都に来たときはずいぶん不思議に思ったもの。調べてみると、なんでも旧暦7月24日の行事で、寺や地域でまつる地蔵尊の縁日として、主に京都を中心に関西地方で行われているのだとか。今の暦でいえば、8月24日前後の土曜日曜に行われることが多い。曲亭馬琴が200年前に記した書物にも京都で地蔵盆が盛んなさまが紹介されているから、歴史は古い。 地蔵菩薩といえば日本にも民間信仰として普及している。道の辻や橋のたもとなどにもまつられているから、日常目にする機会も多い。子どもを守ってくれるという信仰から、地蔵盆の主役は子どもとなった。 数珠回しからはじまる地蔵盆。おやつの時間、福引、盆踊り。町によっては腹話術師が来たり、映画の上映があったりもする。 先週、駅までと拾ったタクシーの無線から、地蔵盆のため通り抜けできない道路の案内を流していた。そう、この日ばかりは、路地の主役も車から子どもたちに返る。

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