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コラム

2001年4月02日 【コラム

 編集ソフトの説明にはカラムの調整なんて表現がされているから気づかなかったけれど、そう、縦列を意味するカラムと、この小文のようなものを指すコラムは、もともと同じcolumnだ。
 コラムの歴史は古く、1751年に英国の新聞ロンドン・アドバイザリー・リテラリー・ガゼットが連載を開始したのが最初。その3月11日は現在もコラムの日とされている。新聞紙面上に縦の欄を利用して掲載されていたので、コラムと呼ばれていたわけだ。
 ニュースではない、かといって堅い論調でもない、コラムはその後も一定した人気を得る。それが新聞の目玉商品として発達したのは、1920年代のアメリカ。タブロイド新聞の全盛期で、芸能界内幕のゴシップなどを書いたコラムがシンジケートを通じて各紙に配給・転載され、著名コラムニストを生みもした。その後30年代からは政治論評を展開するコラムニストが人気を得る。
 そういえば、ギリシア建築に見られるような美しい円柱もやはりcolumn。インターネットを使って、誰もが文章を公表できる時代になった。天に向かってすっくと伸びる、そんな志をもったcolumnが建ち並ぶ世の中になるとすてきだと、自戒を込めて思う。


One comment to...
“コラム”
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小橋昭彦

今日の没ネタ。パーキンソン病の治療に脳細胞移植効果なし(朝日3月9日)。あご細くなる未来の顔(日経3月4日)。




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 グローバル化の進む天気予報の世界。現在では、10の気象衛星、約4000の観測所、約7000隻の船などからの情報が、専用の通信システムを通して毎日配信され、各国で共有されている(朝日3月3日)。気象庁が1日に収集する情報量はおよそ50メガバイト。 もっとも、それをもとにした予報の精度は各国の数値予報モデルやスーパーコンピュータの性能により差がある。数値予報というのは、大気をさいころ状に切り、それぞれの状態をもとに気象を予報するもの。サイコロの一辺が小さいほど正確な予報ができるのだが、その分計算量も膨大になり、明日の予報をする計算に一日かかり予報の意味をなさない、なんてことになってしまうので、おのずとコンピュータの性能に制限される。 北半球全体の予想天気図の精度では、欧米諸国に遅れをとっている日本だけれど、台風の進路予報では、世界のトップに立ったという。国際比較したのは米国海軍研究所で、昨年北西太平洋で発生した23個の台風の予想中心位置と実際の進路との誤差を比べたもの。 台風の予報は、いくらモデルの格子間隔が小さくなっても、初期にどのようなデータを与えるかで予測値が違ってくる。初期の台風の様子を正確に観測できる技術はまだなく、ボーガスと呼ばれる擬似データをあてはめるしかない。ボーガスは、過去の研究成果をもとにした典型的な数値があてられる。気象庁のそれが優秀だったということでもあるだろう。 2001年3月から気象庁に新しいスーパーコンピュータシステムが導入され、台風の進路予報についてもさらなる改善が期待されている。大自然を前にした人とコンピュータのこんな共同作業を思うと、テクノロジーの可能性ってまだあるんだな、とあらためて気づかされる。

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 抗うつ薬として米国で大ヒットした「プロザック」。世界で2000万人が服用したとも言われるその薬には、セロトニンの働きを助ける作用がある。 セロトニンというのは脳内物質のひとつで、これが減ると片頭痛を起こしたり、攻撃的になったりするとされる。ハーバード大学のダリン・ドーティー博士によると、「キレやすい」人の脳内には、セロトニンを受けとめるたんぱく質がふつうの人より少ない傾向があるという(朝日3月9日)。 オハイオ州立大学のランディ・ネルソン教授は、セロトニンと遺伝子の関係を研究している。NOSと呼ばれる一酸化窒素合成酵素の遺伝子を働かなくしたマウスは攻撃的になるけれど、こうしたマウスも、セロトニンの働きが落ちている。 上智大学の福島章教授の調査も紹介しておこう。脳と犯罪の関係だ。大量殺人を犯した人の8割以上に、脳の形態異常が見られるという結果。 こうして「科学的事実」を並べると、なんだかぼくたちが「キレ」ちゃうのは、脳内物質や遺伝子や脳の形態異常のためのように思えてしまう。でも、勘違いしちゃいけない。セロトニンの働きが落ちたからといって必ず暴力をふるうわけじゃないし、脳に形態異常がみられても、ほとんどの人は平和に日々を過ごす。 ネルソン教授のもとには、依頼人の遺伝子を調べてほしいという弁護士が訪れるという。NOSの遺伝子に異常が見つかれば、本人ではなく遺伝子に責任がある、と裁判で主張しようとしているらしい。 もちろん、ネルソン教授は依頼をすべて断りつづけている。遺伝子が人生をあやつるわけじゃない。脳の形状が行動を決めるわけじゃない。それは一因子であるかもしれないけれど、ぼくたちはそれ以上のなにかを持っている。

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