小橋 昭彦 2000年12月29日

 動物にも血液型はある。猫なら、人間のそれとは違うものの、A、B、ABの3種類、犬の場合は2種類のシステムがあって1システムで3種類、Dシステムで3種類、この組み合わせで9種類。
 最近はペットを大切にする人が増えて輸血が必要になる治療も増えている。血液型の判定が必要になるが、状況はむしろ厳しい。1997年に判定器具メーカーが倒産、血液型判定を請け負ってきた業者も試薬不足で2000年5月に業務を打ち切っている(朝日11月25日)。血液型が判定できず、いま獣医師たちは大弱り。
 占いなどで日本人が血液型を気にしはじめたのは、昭和初期に心理学者古川竹二が発表した血液型と気質に関する論文がきっかけ。のち昭和46(1971)年出版の能見正比古著『血液型でわかる相性』によって、相性と血液型の関係が指摘され、ブームになった。
 血液型は犬や猫だけじゃない、カエルやヘビにもある。一説には植物にもあるとか。まあ、植物の場合は糖タンパクが血液を凝固させたわけで、それを「血液型」というのは極論だけど、ダイコンはO型、ソバはAB型など、話としてはおもしろい。
 AB型の人はB型の猫を、など人と動物の血液型相性占いはどうだろう、なんて話もある。こちらは冗談のようで、介護犬と飼い主の相性なんてことになると、研究の価値がありそうだ。そうすれば動物の血液検査ニーズも高まって、判定業者が乗り出し獣医師が助かる、なんてことにつながるだろうか。残念ながらそこまでは道のりが遠いようだけれども。

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