小橋 昭彦 2001年4月2日

 編集ソフトの説明にはカラムの調整なんて表現がされているから気づかなかったけれど、そう、縦列を意味するカラムと、この小文のようなものを指すコラムは、もともと同じcolumnだ。
 コラムの歴史は古く、1751年に英国の新聞ロンドン・アドバイザリー・リテラリー・ガゼットが連載を開始したのが最初。その3月11日は現在もコラムの日とされている。新聞紙面上に縦の欄を利用して掲載されていたので、コラムと呼ばれていたわけだ。
 ニュースではない、かといって堅い論調でもない、コラムはその後も一定した人気を得る。それが新聞の目玉商品として発達したのは、1920年代のアメリカ。タブロイド新聞の全盛期で、芸能界内幕のゴシップなどを書いたコラムがシンジケートを通じて各紙に配給・転載され、著名コラムニストを生みもした。その後30年代からは政治論評を展開するコラムニストが人気を得る。
 そういえば、ギリシア建築に見られるような美しい円柱もやはりcolumn。インターネットを使って、誰もが文章を公表できる時代になった。天に向かってすっくと伸びる、そんな志をもったcolumnが建ち並ぶ世の中になるとすてきだと、自戒を込めて思う。

1 thought on “コラム

  1. 今日の没ネタ。パーキンソン病の治療に脳細胞移植効果なし(朝日3月9日)。あご細くなる未来の顔(日経3月4日)。

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